満月は貴重な1日だけど、裸眼だと三日か四日間くらいはある気がするのでさして貴重な気がしないな。そういえば小さい頃実家にあった望遠鏡で月のクレーターを見たっけ。でも月以外見なかったな。あの望遠鏡、今どこにあるんだろう。

これは夜お酒を買いにフラフラとコンビニに行った帰り道の思考回路だ。毎回毎回ぼんやり考えて、毎回毎回あっさり忘れていくお決まりのやつだ。

 

どうしてこんなに痛いんだろう。もう歩けないよ。なんで私1人で頑張ってんだろう。おうち帰りたいな。家に帰ってもご飯何もないや。ああ嫌だな。シャワー沁みるだろうな。ああヤバイ。泣きそうだ。

これは上京したばかりの頃、緊張する場所で働き疲れ果て、慣れないヒールで靴擦れの痛みに耐えながら長い帰り道を歩いていた時の思考回路だ。ふと星空を見ると唐突に強烈に思い出すことがあるお決まりのやつだ。

 

昔々望遠鏡の隣には父がいて、ある時は泣かないように空見上げながら1人で歩いて、今はコンビニから帰ったら夫がいる。

 

宇宙も月も惑星もなんだかとっても大きすぎて掴めないが、私と私の周りは時間によって確実に変わってきたのだなと、誰に説明できるわけでもなく輪郭があやふやなまま過ぎて感情がぐっちゃぐっちゃとなりながら、ふと考えてしまう。

 

そんな本です。