もしも若さが最も尊いものならば、私たちは毎日一歩ずつ絶望へおはようございますしている事になる。「皆さんおはようございます、今日が皆さんにとって最も美しい日です。明日は少し老いますから今日よりは美しくありません。10年後はもっと老いますからもっと美しくありません。」馬鹿馬鹿しい話。否定したい。でも、否定できない自分がいる。

 

意思を感じさせる眉、

昨日までの不調を隠し瑞々しさで覆うファンデーション、

瞳の奥深さを際立たせるアイシャドウ、

上気し表情に躍動感を与えるチーク、

記憶に残るリップは、

 

なんとなく描いてるけど合っているか分からない眉毛、

窮屈なファンデーション、

結局決まった色しか使わないアイシャドウ、

塗り過ぎるのをためらい減らないチーク、

無難な色でおさまるリップになった。

 

始まりは好きで楽しくてやっていても、いつの間にか仕方なくに変わる。

 

若さは美しい、老いは美しい、綺麗な肌は美しい、白い歯は美しい、食べる姿が美しい、指先が美しい、すっぴんでも美しい。

 

もう「美しい」はお腹いっぱいです。