■ 気が合う相手=自分がしようとした話を相手が自然にし出す

 

この前のラジオの帰りに行き先の方向が同じだったので名越先生とタクシーで一緒に帰ったのですね。そしたらですね、これ本当にいつも不思議だなぁって思ってたことがあって、たとえばその時の僕は「最近眼鏡新しいの欲しいなぁ」ってずっと思ってたんです。そしたら隣に座ってた名越先生が急に「最近眼鏡新しく買ったのよ」という話をされて、その眼鏡を見せてもらったら僕にとってもすごくドストライクの眼鏡のデザインだったんですね。

 

そういうことって多くの人にありますよね。

 

なんか「こっちが話そうと思っていたこと」があって、それを全然知らない相手が「そういえばさ」って話でして点と点が線でつながっちゃう関係って。

 

縁が深まる人って不思議とそういうことがある。

 

それで僕は思うわけです。

 

そういう「あ、この人気が合う」って思う、いわゆる「縁が深まる」って人為的にやることはできないのか? 

 

って。

 

そのためにちょっと日本文化と外国文化の違いについて話さなければいけないのです。

 

■ 日本文化と外国文化の違い

 

タイトルをもう忘れてしまったんですけど、誰かの映画評の本だったと思うのですが、日本人と外国人の違いのひとつとして、外国人って「Who are you」の文化があるんですって。

 

この場合の外国って「欧米」なんですけど、大陸文化とか、陸続きで色々な異世界と繋がっている文化って「あなたは何者ですか? 」って、まず相手が自分にとって敵かどうかを判断することがすごく大切になる。だから、ハグ文化って愛情表現のひとつでもあるけど、相手がふところに武器を所持していないかを確かめるものでもあったし、あとは「自分の身を無防備に預ける」って相手に対して敵意がないことを示すコミュニケーションでもあった。

 

それに反して日本の場合は島国なのです。大陸文化と島国文化の大きな違いって、大陸文化は「地続き」に色々なところと繋がっているから、最悪、「合わない」と思ったら移動しちゃうことができる。もちろん条件としては「今住んでいる場所を移動する」ってすごく歴史的にも難しかったと思いますよ。いわゆるそれは亡命行為であり、新しい場所にただ行って受け入れてくれるところなんてほとんどないわけだから。

 

でも、島国ってもうその条件がどん詰まりで(笑)基本的に逃げることができないんですって。だから、自分の主張をハッキリと伝えて敵を作るよりも「まぁ、そうですよね」ってその場で同調してなるべく自分の主張を伝えないコミュニケーションのやり方がけっこう強く残っているそうなのです。

 

ですから、愛情表現なども「I love you」とハッキリ伝えるわけではなくて、“背景”について話し合う。あの夕陽は綺麗ですねとか、今の時期アスパラガスがおいしいですねとか。そうやって、相手が「好きなものを語る姿」に安心できるかどうかって、日本の場合の愛情表現に対してすごく大きな意味を持つのです。

 

だから、余談だけど「ワガママで強引な俺様タイプ」がモテるのは、相手の空気を読まないで「あなたは私の保護をしろ」って相手のテリトリーの中に急速に入っちゃうのがすごく上手い人たちでもあるのです。この場合は相手のことを「安心して見ている」っていうよりかは「ハラハラして見続けなければいけない」っていう、ちょっと心拍数が上がる方の恋愛になると思います。心拍数が上がりまくる恋愛はハッキリと言って中毒性があるのですが、この話をすると長くなるので今回は割愛します。

 

■ 気が合う相手に対してどう距離を縮めるか

 

日本の場合、「この人と一緒の背景にいられるな」って、愛情表現とか親密なコミュニケーションにおいてすごく大事な条件とされていて、だから「なんとなく仲良くなった人同士が恋愛感情を抱くかどうか」のまずはじめのステップとして「もしよかったら一緒にお食事でも」があるわけじゃないですか。それは「この人普段どういうお店でリラックスしてるんだろ」って相手の背景に対する一歩踏み込んだ調査でもあるわけだから。

 

それで、あんまり話が長くなってもあれだから、気が合う人と距離を縮める方法。

 

それを答えたいのですが、たぶんこの答えはクレームもつくと思います。笑

 

縁がある相手と距離を縮める方法。

 

それは「旬のもの」を食べてください。

 

その理由は次回のブログで書きます。