世の中に本を出したのが『しいたけ占い~12星座の蜜と毒~』で2冊目になったのですが、本の執筆って思った以上に体力を使うというのが正直に感じたことでした。

 

僕は音楽を作る人間ではないのですが、いつもの12星座占いとか、あとは僕が仕事や何かで喋ることが一曲であるならば、本は何かアルバムだと思ったのです。いくつかの曲がまとまって、それがひとつの「想い」となって伝えていく作品になる感覚がありました。

 

そして、音楽と同様に本を作る際にはベーシストであったり、ギタリストであったり、作曲家であったり、そうやって色々なプロが参加をします。僕の本の場合は出版元の角川書店の編集者の鎌田さんであったり、いつもお世話になっているVOGUE GIRLの編集部の方々やイラストレーターのタロアウトさんも含めて、ひとつの作品を作る際に色々な意見を出していただきました。

 

 

本に関しては、冒頭に書いたポエムのような散文が、書き終えた後に自分の中でもすごく印象に残りました。

 

魅力のある大人って、もしかしたら

自分の「毒」をうまく活かしている人かもしれない。

甘いだけじゃない、ちょっとした毒が、

いい意味でその人の持ち味になっている人って面白い。

 

自分にとって悪かったと思う過去も

「あのときにあれが起きたから今こっちの方向にいるんだよな」

と気づかされることがあります。

 

(中略)

 

「どうしてそんなことができないの?」

「あなたには失望しました」

「君には他に向いていることがあるんじゃないか」

 

今輝いているように見える人も、

少し前まではネガティブなことを言われてきた人が多いです。

今ネガティブな人と、昔ネガティブだった人の差って

思ったより広くはない。

今輝いているように見える人は、やり方はわからなくても、

うまい脱出口がそのときは見つからなくても

どこかで笑いながらもがくことをやめなかった人たちです。

そして、いつのまにか自分に自信がついたとき、

「いろいろあるよ」

と隣にいる人に言ってあげられるようになったのです。

 

世の中には自分の言いたいことをそのまま言える人と、そして自分の言いたいことを「のみこんでしまって」なかなか言えない人がいます。

 

僕自身はどちらかと言うとかなり後者のタイプなので、「言いたいことを言えずにのみこんでしまう不器用な人」をどうしても放っておけませんでした。

 

「甘え」と言われてしまうかも知れないけど、生きるのに不器用な人たちの方が「受けた傷をどうしたら良いのかわからない」という問題も含めて、再び「笑う」ために色々な苦難の夜を過ごさなければいけない。もちろん世間的に「強い」と言われている人たちもどこかで確実に傷つくことはあります。

 

それで、個人的なわがままで、その「不器用で傷ついてしまいがちな人」が笑うための手伝いをしたいと思ってきました。

 

「笑う」って、「色々な問題が解決された!やったー!」という派手な笑いではなくて、「色々ありますよね」と言って一緒に笑えること。

 

そういう手触りの本を世の中に対して出せて、皆さまの手に届けさせてもらったことって、先ほども言ったように僕一人の力ではできませんでした。色々なプロの方の助け、そして「しいたけ」を応援してくださってくれる皆さまのおかげです。

 

これからもおじいちゃん活動をコツコツと続けていきたいと思いますので、皆さまのご指導とご鞭撻を心よりお待ちしております。

 

すげー嫌なことがあっても、ここに来ればくだらないことを言い合って笑ってしまうというような、部室とかバイト先の控室みたいなゆるい空間をこれからも一生懸命つくっていきますのでよろしくお願いします。

 

2018年2月8日 しいたけ 感謝を込めて