自分が仕事に対して考えるときにいつも思い出す言葉があって、それはもう今から8年前にNHKのドキュメンタリー番組の『プロフェッショナル』という番組があるのですが、その前身の番組が『トップランナー』という番組名だったのですね。2008年に椎名林檎さんが出ていて、自分のお仕事に対して

 

 

今の音楽業界で、ただ自然な気持ちでCDをすっと入れて、曲を気に入ってもらう、そういう環境に辿り着くまでどれだけのことをしなければいけないのか。何気なくCDを目を閉じて聴いてもらって、それで気に入られる、歌い手としてはその環境を作ることが理想なのだが、今の音楽を巡る環境ではそこに至るまでに過剰な演出もしなければいけないし、イメージなりブランドを作らなければいけない。若い時はそれが嫌だったが、今は「それぐらいで聴いて頂けるなら」と思うようになった。

 

 

とお話しになっていたのです。この言葉がずっと胸に突き刺さっていて、音楽家の仕事というのは、今はまた違った形になってきたのかも知れないのですが「自然な気持ちでCDをすっと入れて、曲を気に入ってもらう」。

 

「曲を聴いてもらう」というシチュエーションを作るために、そのためにできることのすべてをやる。

 

それがプロとしての仕事だと思ったのです。

 

自分が恐れ多くも今のような立場になってきて、それで良かったっていう話ではなくて、これから先さらに「自分が存在する意味」ってちゃんと追求していきたいです。

 

「読んでくださる方に自分の言葉を届ける」

 

僕の仕事はそれ以上でもそれ以下でもないと思っているので、仕事のバリエーションは変わってもその想いは変わりません。なのでどうか今後ともよろしくお願いいたします。

 

しいたけ