今本をまた書かせて頂いているのですが、そのなかで「ブログ」について思うことがあってここで書きたいと思いました。

 

僕は昔、学生の頃からこのアメーバさんでブログを書いていたのですが、もちろんそれは私的なブログで、そのときは若かったし、頭でっかちだから「自分は〇〇をこう思う」とかそういうことをずっと書いていたのです。

 

ブログはあんまり社交的じゃない僕にとっては親友みたいな存在で、しかも、すごく数が少なくてもそれを読んでいる人がいると知るだけですごく「生きていく」ことへの支えになりました。

 

当時の自分のブログの記事のなかで個人的に一番好きなのが「チーズケーキとモンブランのどちら偉いか」だったのです。ケーキの種類で僕は一番チーズケーキが好きで、僕の後輩がモンブランが一番に好きで3時間ぐらい議論したことがある記録を書いたものだったのです。

 

「チーズケーキはシンプルに「スッ」とこちらに笑みを投げかけてくる、素材で勝負している貴婦人で、モンブランは個性豊かなキャラクターから成り立つ、多層的なオーケストラだ」とか。

 

そういう「くだらないけど真剣な探求」って、人をつかまえて話してもあんまり盛り上がらず、でも、そういうことをブログに書くと「それすごいわかります」って反応があったんですよね。10個中9個の記事が無反応でも、1個の記事ぐらいに「それすごくわかります」って反応があると「よし、もっと追求して良いんだ」ってすごく勇気づけられた記憶が今でもあります。

 

あと、ブログで好きなのが、誰かのブログを読んでいて「ごめんなさい、しばらくお休みします」という宣言なのです。それって、ライフスタイルの重要な変化が起きているときなのです。たとえば学生時代はすごく自信満々だったけど、社会人になってちょっと自分への自信を見失ってしまった。今はブログにあれこれ書いている場合ではなくてとにかく頑張りたいとか。

 

そういう「筆をおく」宣言があって、ブログってまた帰ってきて良い場所だと思うのです。

 

2012年にはたくさん記事があって、2014年には1件の記事もないっていうのもまたブログだと思います。

 

僕がブログを書いてきて良かったと思うのが、もう僕なんかは2009年のブログとか自分で書いたものを読むと「ぶわー」っとそのときの情景がよみがえることなのです。すごいくだらない投稿も、恥ずかしがらずに消さなければ良かったって今では思っています。

 

Twitterやインスタも素晴らしいのですが、僕はその人の温度が込められたブログってすごくくだらないものであっても読むのが好きです。「今日コンサート行ってきました。おわり」だけじゃなくて、そのときにしか考えられなかったことをちょっと頑張ってみて言語化して思い出のアルバムにとっておくって、その思い出の後からの発酵の仕方が違ってくるから。

 

匂いがしてくる記憶や情景が浮かびあがってくれる記憶って、付箋にメモ書きするような「このときは確かにこう感じていたよ」って、書いておくと間違いなく後の人生にとって宝物になっていくから。そのときは辛くても。

 

※ ちなみにこのブログ記事を書いてるときのバックミュージックは星野源さんの「くだらないの中に」で、それ聴くとこういうことがすごくスムーズに書けます。ありがとうございます