vol.31 ハワイの伝統航海カヌー ホクレア号のお話 2024.8/4,11再放送
7/15 海の日
海のことを考えていましたら、大海原に進むヨットの絵が浮かんできました。
ヨットといえば、、、私の頭の中にハワイのホクレア号のことが思い浮かびました。
そしてこれを機に詳しく調べました。
今日はハワイの伝統航海カヌー「ホクレア」号のお話です。
前回、海の日の放送の時は「SDGs目標14.海の豊かさを守ろう」をピックアップして海の特集をしましたね。
未来の地球のためにやらなきゃいけないな、、、どこか自分を責めるような気持ち、、、
その後、このホクレア号のことを調べていたら打って変わって、心がワクワクしてきました。
信じられないと思いますが、今にもこのヨットの乗組員になりたい気持ちになりました。
そして、未来の子どもたちのために、現在も若い世代を育てる、教育プログラム、
トレーニングなど受け継がれているので、まさに私が求めていたものにぴったり!と思いました。
そのメンバーもホクレアに魅せられて世界各国から集まって来た人たち。日本人女性もいましたよ。
まさにダイバーシティ。
海と空、大自然に飛び込んで一体になることで環境への思いは熱く、強く感じられると思います。
正直言って、SDGsのお勉強より現実的‼︎
さぁ、そう感じたらシフトチェンジです
私は長年Hawaii文化に触れていたのでもちろん、ホクレア号とキャプテン ナイノア・トンプソンのことは知っていました。
また、以前メリモナークでもホクレア号の曲が踊られていたので、よく覚えています。
さわやかなホクレアのメロディーが頭を駆け抜けます。
その前の航海、2007年には日本にも来て、最終地点横浜に寄港しました。
色々なイベントが行われ、ニュースにも取り上げられていました。
でも私は表面的に知っている程度でしたね。
では、もう1歩踏み込んでみましょう~
ハワイの伝統航海カヌー「ホークーレッア」←ハワイ語の正しい発音はこうです。
ハワイ語でホークーは星、レッアは喜びという意味です。
「ホークーレッア」はコンパスなどの計器を一切使うことなく、星や太陽の動き、波や風の変化など、
自然が与えてくれるヒントのみを使う伝統航海カヌーです。
カヌーといっても、一般的なものよりかなり大きく、約20mの細長い船体を2つ横に並べ、デッキでつなぎ、
そこに大きなマストを立てた双胴船型の航海カヌーです。
エンジンはなく、動力は風のみ。
2つの帆で受けた風の力を、櫂によって左右に振り分けることで、進行方向をコントロールしていきます。
波が荒ければ船ごと波しぶきをかぶるような大きさです
ホクレア号は1976年にハワイ- タヒチ間の航海に成功し、
ハワイアンの先祖たちがポリネシアから偶然ハワイに漂流したという説を覆し
彼らが航路を理解し、ハワイを目指し自らたどり着いたことを証明しました。
その後、これまで50年近くに渡り世界中の海を航海し続けています。
ハワイから太平洋の島々、日本、そして世界一周航海など、その距離、延べ約30万キロ
地球を約7周するほどの距離を航海してきました。
ホクレアは、ハワイの伝統文化の象徴であり、ハワイの人々の誇りでもあります。
月や太陽、星などのサインを読む星の航海術のことをスターナビゲーションと言います
ハワイに最初の人類が辿り着いたのは、今から約千年以上ほど昔のことだといわれています。
コンパスも海図もない時代に、人々は一体どのようにして広大な海を渡り、新たな島々を見出していったのでしょうか?
古代の人々は、月や太陽、星といった天体の動きや、風の変化、雲の動き、海のうねりのパターン
海鳥の様子など、自然が与えてくるサインを読み取り、水平線の彼方の島を見出していったと言われています。
「星の航海術」とも呼ばれる、そうした伝統航海の手法は、ハワイを含むポリネシア海域では一度失われかけていましたが、1976年、ホクレアの航海をきっかけに現代に蘇りました。
星の羅針盤
象徴的なオリオン座の三ツ星は、いつも真東からのぼって、真西にしずんでいくので、方角を知るサインになります。
星が空高く昇ってしまうと方角のサインにできなくなるので、天空全体の星の配置を学び、次々と昇る星がどこから昇り、
どこへ沈むのかを覚えていきます。身体を計器として使いながら、星の高度を測り、自分たちの緯度を知ることもできます。
星が見えない時は?
星を使ったスターコンパスは、自分たちの進んで行く先を知るのに、とても頼りになる方法ですが、
当然、星が見えない昼間は使うことができません。
そして、夜の間でも、雲がかかっていたり、雨が降っていたりしていれば、使うことができません。
星の見えない夜や日中は、何をヒントに使うことができるでしょうか?
日中、まず頼りになるのは、太陽の動きです。
太陽は、春分、秋分にはほぼ真東から昇り、真西へと沈んで行きます。
春分から夏至に向かって太陽の昇る位置は北側へと動き、秋分から冬至に向けては南側に向かって動きます。
そうした太陽の動きを頭に入れておくことで、日の出や日の入りの際に、方角を知る大きなヒントが得られます。
その他、風の変化、雲の様子、空の色、海鳥の動きなど、ありとあらゆる自然の変化を読み取りながら、
進む方角を見出すヒントにしていきます。
航海術師は、五感すべて、時には第六感も使って、一日に数千をこえる自然現象を観察し、
それらを統合しながら、行く先を見出していきます。
海のうねりの読み方などは、大海原での経験を積んで学ぶしかなく、まさに一生かけて学ぶ術だと言われています。
ITが進んでいる世の中なのに、そんな無理をしないでGPSを使えばいいじゃない?
なんていう声が聞こえてきそうですが
ここに地球と一体になるロマンを感じますね~
人間には冒険心があるものです
フラにも登場
先ほどお話したホクレアの曲を踊ったフラのお話です。
♪Kaulana Ka Inoa ʻO Hōkūleʻa
この曲は、2018年のメリーモナークでカネ総合優勝に輝きました!
Ka Leo O Laka I Ka Hikina O Ka Lā (クムフラ:カレオ・トリニダッド)のハーラウが踊った曲です。
この曲は、2017年6月に世界一周航海から帰還したハワイが誇る航海カヌー、ホクレア号をたたえるメレでした。
カネとは男性フラ
彼らは元気はつらつで、さわやかに風と共に駆け抜けるようなフラで、みごと優勝に輝きました!
このように、航海プロジェクト『Mālama Honua』は各方面に大きな影響を与えました。
マーラマホヌアとは地球を癒すという意味です
新たなホクレア・ソングが生まれ、メリーモナークでフラが踊られ、ドキュメンタリー映画もつくられました。
星と海流と風を頼りに、カヌーで海を渡るとはどんなことなのか。
(モアナを地で行く)若き次世代ハワイアン伝統航海師たちが、ホクレア号を繰って世界の先住民族と繋がっていく様子を追ったドキュメンタリー映画が作られました。
ハワイ国際映画祭2018で上映され話題となりました。
2007年 ホクレア号は日本にも来たことがあるんですよ
ハワイの伝統文化や アイデンティティの確立、異文化交流などを目的に、ミクロネシア経由で日本へ、5カ月かけて航海してきました。
1 月 19 日にビッグ・アイランド(ハワイ島)を出発し、ミクロネシアの島々を経由して、日本 8 都市に寄港。
寄港 地は、ハワイへ多くの移民を送り出した沖縄、熊本、福岡、山口(大島)、広島、広島同様原爆を経験した地へ平和を 祈念する意味で長崎、えひめ丸事故に追悼の意を込めて愛媛(宇和島)、1881 年カラカウア王が明治天皇を公式に 訪ねた際入港した横浜となっています。
ホクレア号が横浜に来た!というニュースは当時聞いていました。
2014年〜2017年、太平洋から西へと航路を取り、マーラマホヌア世界一周航海と2018年の南アメリカ西海岸への航海でした。
世界航海を終えたホクレアは現在、次の航海に向けた準備を進めています。次の航海は、約3年半の歳月を掛けて太平洋を一巡する航海です。
ハワイからアラスカ、西海岸を辿り、南米、タヒチ、ニュージーランド、オーストラリア、さらに北上してアジア諸国、そして日本にも寄港する予定です。
私たちがこれからいかに自然と向き合い、この地球で生きていくのか。
ひとりひとりが自然との関係性を見直し、次世代に向けて何を選択していくのか。
ホクレアは世界の海を巡りながら、問いかけ続けます。
(2024.5月の情報)↓
現在もホクレア号は海に出ています。
ホクレアが12月にハワイに戻ってきて以来、ポリネシア航海協会(PVS)は新たなモアナヌイアケア航海計画に取り組んでいます。
PVSは科学や気象の専門家、航海指導者と協議し、エルニーニョ現象が落ち着く来年まで主にハワイ海域で航海を行うことを決定しました。
太平洋就航は2025年3月に再開し、ホクレアとヒキアナリアはハワイを出発し、はじめにポリネシアの主要な島々を目指します。
キャプテン・ナイノア・トンプソンは「科学の観点からではなく、50年程航海をしてきた経験から言うと、私たちは変化する海にいるため注意を払う必要があります。」と述べています。
地球温暖化の影響ですよね
太平洋就航を続けることが出来る天候に回復するのを待つ間、PVSとクルーはトレーニング、教育ボランティア、そして様々な取り組みに注力していきます。ということです
そして、すばらしい相棒も現れました。
進化発展しているんですね
ポリネシア伝統航海の知恵と現代のテクノロジーを融合させたホクレアのシスターカヌー「ヒキアナリア」です。
ホクレアとの最も異なる点は、なんといってもディーゼルエンジンがあることです。
環境に優しいバイオディーゼル(レストラン等から出た食用オイルの廃油からリサイクル)を使用しており、
ヒキアナリアはホクレアのエスコートカヌーとしての役割も兼ねているため、緊急時にはホクレアを
曳航できるようにエンジンが装備されています。
ホクレア号のことを調べていたら、日本人女性のクルー、たみこさんの記事が出てきました。
タミコ・ファネリアスさん / Tamiko Fernelius
沖縄県出身。1997年〜2005年まで沖縄の海上保安庁に勤めた後、結婚を機に2006年にアメリカ・ミネソタ州に移住。
2009年からPolynesian Voyaging Societyの一員としてホクレアやシスターカヌーのヒキアナリアのドライドック(船底の整備)、クルートレーニングに参加。現在は、ナビゲーター見習いとして活動しています。
「彼女がまだ沖縄にいた2003年に、たまたま立ち寄ったコンビニで雑誌を立ち読みしていた時に、ホクレアの最初の日本人クルー、内野加奈子さんの記事を読んで初めてホクレアのことを知りました。
海が大好きだったたみこさん。
沖縄の海の助けになることをやりたいと思い、海上保安庁に入庁しましたが、その業務内容が思っていたものと違うなと、ちょうど悩んでいた時期にホクレアのことを知りました。
「日本の海の環境を良くしていくためには、カヌーで海と繋がることが良いのではないか。ホクレアが必要なんじゃないか。」とホクレアに興味を持つようになったんです。
それからいろいろあって結婚して旦那さんの故郷、海のないミネソタに引っ越した時に、ホクレアが沖縄に寄港したということを知りすごくショックを受けました。
その時に自分の人生における大切なことってなんだろうってすごく考えたら、「ホクレアに関わりたい、ホクレアのことをもっと日本の皆さんに伝えたい」という想いが強くなって、2009年にハワイに引っ越すことを決めました。とのこと。
今後、2022年から2026年まで太平洋を一周する航海を予定しています。
ハワイから北米アラスカ、アメリカ西海岸、ガラパゴス、イースター島、タヒチ、クックアイランド、サモア、ニュージーランド、オーストラリア、太平洋諸島など、世界46カ国、全345カ所を巡る予定です。
航海の中には沖縄も含まれているんですが、ホクレアが日本に行くのは2007年ぶりなんですよ。とお話されています。
この航海のミッションである、各寄港地で先住民との文化交流をします。
動画もたくさんアップされていますよ。
各地で歓迎のセレモニーの様子がとっても楽しくて。
もちろん歌や踊り。ハワイではオリ、フラ、歓迎のレイ、色とりどりのお花で溢れて。タヒチアン、ニュージーランドのマオリ、ハカ。
先住民の人たちはどのように海を、土地を守ってきたのか。
昨年、世界長老会議に参加しました。
ここで先祖の知恵を色々お話聞くことができましたが、ホクレアも自ら島をまわって交流しているんですね。
ホクレアの歌は、その航海をお花のレイにたとえて
島を花、それをつなぐ船、大きなひとつのレイになるんです。と歌っています
もう、素敵すぎます!
そして、今はとっても便利な世の中で、私たちもSNSでホクレアの最新情報がゲットできるんです。
そして、海に出る勇気がなくても、できることでサポートするといった楽しみがあります。
これを第3のクルーと表現しています
体の弱い子供やお年寄りなんかも、そうやって関わることで海に対する思いが身近になるし、このワクワクはシンプルに楽しい!
私もホクレアのことをもっともっと知りたいと思いました。
キャプテン ナイノア・トンプソンのお話が少なかったのですが、
インタビューでお話していた日系二世のヨシさんとのいいお話も知りました。
またいつか続きを。
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