よく育児本を読むと、

「自己肯定感を育てる」
「非認知能力を育てる」

という言葉がよく出てくる。

 

そして、そのためには

「子どもを否定しない」
「子どもの欲求に応える」
「やりたいことを尊重する」
「受け入れて共感する」
「子どもをコントロールしようとしない」
「失敗を責めない」

 

そんなことが書かれている。

 

もちろん、どれも大切なこと。

 

でも、これを毎日完璧にやろうと思うと、

意外と難しい。

 

忙しい日はついイライラしてしまう。

 

 

時間に追われれば急かしてしまうし、

危ない場面では先回りして口を出してしまう。

 

 

理想は分かっているのに、

現実は思うようにはいかない。

 

 

全部を母親一人でやろうとすると、

息が詰まってしまう。

 

 

そして、理想通りにできない自分を責め、

また子どもにきつく当たってしまう。

 

 

私はずっと、

一人で「完璧な子育て」をしようとしていた。

 

 

休日にママ友から遊びに誘われても、

正直気が重かった。

 

 

生活リズムが崩れるかもしれない。

甘いお菓子をたくさん食べるかもしれない。

 

子どもがわがままを言うかもしれない。

 

自分のこだわりで

相手に迷惑をかけるかもしれない。

 

 

人の子育てに影響されるのも嫌だったし、

自分の子育てを評価されることも苦痛だった。

 

だから、

家族だけで過ごすのが一番楽だと思っていた。

 

私がいろいろな場所へ連れて行き、

いろいろな経験をさせて立派に育てる。

 

それが親としての役目だと思っていた。

そんなとき、

児童精神科医の佐々木正美さんの

『育てにくい子と感じた時に読む本』を読んだ。

 

 

そこには、

「子育てとは、人間関係を育てていくこと」

と書かれていた。

 

さらに、

「子育てが難しい」と感じる人は、

地域やママ友、義両親など周囲との人間関係も

うまくいっていないことが少なくない。

 

 

母親自身が、

他者との関わりの中でリラックスできていない人が多い。

 

そんな内容が書かれていた。

 

読んだ瞬間、「これは私のことだ」と思った。

さらに印象に残ったのは、

 

「他の親子と関わると、

自分や子どもの欠点ばかり気になってしまう。

それは孤独を感じている状態でもある」

という言葉。

 

 

そして、

「家庭の中だけで人間関係が成熟していくことはない」

とも書かれていた。

 

 

子どもの友達を親が選んではいけない。

悪影響しか与えない人もいなければ、

良い影響しか与えない人もいない。

 

 

 

 

 

確かに、

人は傷つくことや失敗することから

学ぶことのほうが多い。

 

温室のような完璧な環境では、

本当の意味での気づきや成長は

生まれないのだと思う。

 

本には、

まずは共感し合える人を見つけ、

「頼り、頼られる関係」を築いていくこと

が大切だと書かれていた。

 

 

そして、自立とは、

「人に迷惑をかけないこと」

 

 

 

ではなく、

「こちらも頼るから、

困ったときはいつでも頼ってほしい」

 

という関係を築けることだという。

 

 

その言葉は、

とにかく人に迷惑をかけないように

生きてきた私には

目から鱗だった。

 

 

私はいつも、

迷惑をかけたらどうしよう。

嫌な思いをさせてしまったらどうしよう。

そんなことばかり考えていた。

 

でも、そんな閉鎖的な環境で、

子どもがのびのび育つわけがない。

 

私がどれだけ家の中で子どもに共感し、

受け入れたとしても、

 

外の世界へ出たら、

大人との関わりに

ビクビクしてしまうかもしれない。

 

それでは、本当の意味で

自己肯定感は育ちにくいのではないかと思った。

 

迷惑はかけてもいい。

その分、自分も誰かが困っているときに

助ければいい。

 

そうやって人とのつながりは育っていく。

私は、その大切なことを見落としていた。

 

これまで私は、人との関わりの中で傷つき、

そのたびに自分を大切にすること

を少しずつ学んできた。

 

あまりにも傷つくことが続いたときは、

「もう誰とも関わらずに生きていきたい」

そう思った時期もあった。

 

でも、いつの間にかまたご縁がつながり、

人の優しさに救われ、

人の温かさに癒やされてきた。

 

やっぱり、

傷つけるのも人だけれど、

その傷を癒やしてくれるのも

人なんだと思う。

 

子どももきっと、

たくさん傷つき、

ときには誰かを傷つけながら、

人との関わりを学び、

成長していく。

 

 

その機会を親が奪ってはいけない。

 

 

大切なのは、

子どもが傷つかないように

守り続けることではない。

 

 

傷ついたときに

安心して帰ってこられる場所になること。

 

どんな気持ちも

受け止められる存在でいること。

 

 

それが親として一番大切なことなんだと、

私は気づくことができた。