【解 説】
株主総会議事録には、【出席役員等の氏名または名称】を、
記載しなければならない。
(※役員等とは、取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人とする。)
【付 記】
出席役員等の氏名または名称を株主総会議事録に、
記載することが定められているが、誰を出席役員として記載すべきかが
議論の的となることがある。
例えば、次のケースは、誰を出席役員として記載すべきか。
定時株主総会において、当該株主総会終結をもって、
任期満了により退任を迎える取締役Aの後任として、
新取締役Bを選任した。
結論としては、
「Aは出席役員となるが、Bは出席役員とはならない。」
なぜなら、取締役Aは、株主総会終結をもって、任期満了となるため
株主総会終結時には、取締役の地位を有しており、役員等である。
しかし、新取締役Bは、Aの後任であるため株主総会終結時には、
未だ取締役としての地位を有しておらず、役員等ではない。
よって、Aは、出席役員となり、Bは、出席役員とならない。
このように株主総会議事録に出席役員と記載すべきか否かの判断基準は、
「株主総会終結時に、役員等であったか否かである。」
つまり、株主総会議事録に出席役員と記載すべきか疑義が生じた時は、
上記基準に照らし、判断を行えば良い。
なお、出席役員として記載を要しない場合であっても、
登記の局面において、問題が生じる可能性がある。
例えば、就任承諾書を添付することなく、株主総会議事録の記載を
就任承諾書として、援用する場合である。
この場合、出席役員として記載を要せずとも、
被選任者または新任役員として、記載をする必要がある。
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- 会社法施行規則第72条
- 法第318条第1項の規定による株主総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。
- 株主総会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。
- 株主総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
- 一 株主総会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が株主総会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)
- 二 株主総会の議事の経過の要領及びその結果
- 三 次に掲げる規定により株主総会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
- イ 法第345条第1項(同条第4項及び第5項において準用する場合を含む。)
- ロ 法第345条第2項(同条第4項及び第5項において準用する場合を含む。)
- ハ 法第377条第1項
- ニ 法第379条第3項
- ホ 法第384条
- ヘ 法第387条第3項
- ト 法第389条第3項
- チ 法第398条第1項
- リ 法第398条第2項
- 四 株主総会に出席した取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人の氏名又は名称
- 五 株主総会の議長が存するときは、議長の氏名
- 六 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
- 次の各号に掲げる場合には、株主総会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。
- 一 法第319条第1項 の規定により株主総会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
- イ 株主総会の決議があったものとみなされた事項の内容
- ロ イの事項の提案をした者の氏名又は名称
- ハ 株主総会の決議があったものとみなされた日
- ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
- 二 法第320条の規定により株主総会への報告があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
- イ 株主総会への報告があったものとみなされた事項の内容
- ロ 株主総会への報告があったものとみなされた日
- ハ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名