「あのとき本当はこう思ってたけど言えなかった」
と、何年もあとになって
バーンと鬱憤を爆発させる人が苦手です。
とてもとても不可解で、共感できないし
生産的な言動とは思えない。
それは、ただ「破滅させるため」
の感情的な発言であることがほとんどで
少なくとも他者への思いやりに基づいたものでは絶対ない。
「私は我慢してあげてたのに！」
「本当は嫌だと思ってたのに！」
というかんじで
まぁ、
「自分が自分が」
しかない。
相手不在の独り相撲である。
そういうモードに入った人とは
もうだいたい爆発してしまってるので
何を言っても何をしても手遅れです。
ただ、「これまでの素敵だと思っていた時間と思い出はなんだったんだろう？」と
悲しむことしかできない。
あえて目的があるとすれば
「過去に自分が我慢したことの全責任を相手になすりつけ、責め立て
自分が溜め込んできたぶんはスッキリして
関係を破綻させて、逃げ出す・終わらせる」
といったところでしょうか。
こちらに選択権はありませんし
発言権もありません。
ので、本当に困ります。
言われてもなんともできない。
できればもういっそ、法律で禁止してほしい。
後出しジャンケン禁止法。
もしかして、上手にご機嫌取りをして
納得のいくようなパフォーマンスで謝罪
みたいなことができればその人の気は済むかもしれませんが
お互いイーブンな仲良しには
そうなった時点で決して戻れない。
もし私だったら
その人には二度と心を開かないように気をつけよう、と思うし
できれば今後関わらないように気をつけよう。
と思うくらいしか手立てがありません。
こういう話をすると
日本では
「まぁここは日本なんだし
言わないことを美徳とする文化が根付いてるから仕方ないんじゃない？」
なんてやや斜め上からアドバイスされることがありますが
「言わないことが美徳」
なのだとしたら
「言わないまんま墓まで持っていく」
までやって
初めて美徳なんじゃなかろうか？
「本当はこう思ってたのに！」
って言った時点で
何年、何十年か言わなかったとしても
結果言ってしまって、関係を破綻させたとしたら
それは「言わなかったうちに入らない」。
美徳のために言わない
のだとしたら、それはだいたい思いやりのためだと思うんです。
それは素敵だと思う。
でも、途中で耐えきれずぶちまける人は
おそらく
「自分が今その時に嫌な思いをしたくなかったから」とか
「自分が相手に今嫌なことをいうことから逃げたかったから」
「言えなかった」はずです。
相手のためでないことを
「美徳」とは呼べない。
別のケースで
「その時にはなんとなくモヤモヤしてたけど
それをなんと表現したらいいのかよくわからなかった、けど、なんかのきっかけでわかって、今言いたい」
ということであれば
それはただの事実として、感情を乗せずに
そのように言えばいいと思う。
もしくは、
「ちょっと気になってたんだけど
言わない方がいいかな、と思って黙っていたのだが、状況が変わって、言った方がいいと思ったので」
というようなことも
もちろんあっていいと思う。
でも、自分が過去、「思ったけど言わなかったこと」の責任を自分で取らずに
自分で選んで溜め込んできたものを
相手に確認や許可なく、あとになってひっくり返すのは、卑怯だと思う。
その時に「何を思うか」「何を感じたか」「何を言いたいか、言うのか」
すべて、自己責任しかないんです。
相手が自分の赤ちゃんとかだったら別だけど
いい大人である以上
人の感情の責任は、取ってあげたくても取れないし、時間も巻き戻せないし、それを今言われて解決できることならいいけど、解決できる算段がないのにぶちまけられても、なんともできないのです。
「察して文化」というのも
日本ではよく聞かれますが
たとえ家族であっても
何も言わずに正確に相手の思ってることを察するなんて、超能力でも持ってない限り、不可能なんです。
逆に、あなたはその「察して」と思っている相手のことを、100%察してあげられているでしょうか？
せめてそれができているなら
「察して」と求める権利がちょっとはあるかもしれませんが、
まぁ、できているとしたら
「察して」という言葉は出てこないでしょう。
「言わなきゃつたわらない」
ことのほうが世の中多いのです。
ましてや、時代は
超グローバル化社会。
2020年にはオリンピックでどんどん外国人が日本に入ってきますし
その関係で外国企業との取引なんかも増えているはずです。
そんな中で
「自分の思いや考えを伝える」
という難しくてめんどくさいことを放棄したり
相手に「察して」と求める姿勢でいたりしたら
どんどん外国の人たちは、自分の考えや主張を
ガンガンしてきて
黙ってうんうん、と主張を我慢している間に
商談終了。
そのあとどれだけ
「あのときは本当はその条件は嫌だと思っていたけど、あなたがすごい勢いで主張してきたので言いにくかった」
と文句を言ったとしても
「え、だってその時に言わなかったじゃん？」
で終わりです。
国家レベルでそんなことになったら・・・
悲惨な未来しか見えませんよね。。
(とりあえず、私がNYで体感してる限りでも、
本当に、その主張の論理がはちゃめちゃだとしても、言ったもの勝ちで、言わなかったもの負け、という感じです。)
↑
アメリカのこれは、日本ではさすがにそこまでしないでいいよと思うし
筋はちゃんと通っていてほしいので
「強ければ勝ち」すぎるのもどうかとは思っている。
別に強くなくてもいいから、正直であってほしいです。
(そういう感じだったら
日本の美しい文化、と呼んでも違和感がないかもね。)
我慢するのも
言わないのも
全部自由意思
だけど、責任は自分で取って。
自分のために我慢して言わないことを選んだんだから
人のせいにはできません。
自分が選んでやったことの、帳尻は自分で合わせておくれ、と切望します。
後になって出したら
何年我慢しても、結局事実は「言った」のですから
「言わなかったのに！」
は、すでに効力を失っています。
なんの説得力もありません。
ただ相手に自分の感情をぶちまけたい、という、暴力的な感情しか感じられません。
ちなみに
傾向としてですが
いわゆる「成功者」と呼ばれるような人たちは
後出しジャンケンをしないように思います。
それには理由があって
なぜなら
彼らは
「今が勝負どきだ」
というタイミングを見逃さないからです。
その瞬間に思ったこと、考えたことを
きちんと伝えたり、解決しないと
チャンスを掴めないという
「今」の価値を理解していて
どうせ巻き戻してやり直すことのできない
「過去」に価値がないこと
を理解しているからです。
あのとき本当はこう思ってた
なんて、少しも未来の役に立たないのだから。
(もし立つならいいですけどね。)
だから、伸びる人は
後出しジャンケンをしないし
それくらい、「今」という時を
しっかり大事にして生きている人は
過去を振り返ってぐちぐち、だなんて時間の無駄とわかっていて、もう次の「今」をどうするか
に取り掛かっているんです。
決して口がうまくない人だっている。
でも、
・うまくいえないのと
・正直な考えを言わない
というのは全く別です。
うまく言えなくても
「何かモヤモヤしてて、うまく言えないんだけど、何か違う気がする。」
とか、
その時のありのままを伝えるだけで
相手に何かが伝わる可能性が高くなります。
そこで、相手が何かを感じ取って
立ち止まって考え、新しい選択をするきっかけをあげられるわけです。
このタイミングしか
「相手にとっては責任が取れない」
逆に、このタイミングなら
責任を取ることも、選択することも可能なのです。
そこには、ちゃんと
「相手への思いやりがある」と思いませんか？
自分が一方的に我慢しました
そんなの
結果的に汚すんだったら
少しも美しくない。
もしそういう状況なら
「うーん、言いたいことはあるんだけど
君がそういうなら我慢するよ。」
とか、許可を取ってくれたら
また、今度は
「え、我慢するの？我慢はしてほしくないから言って欲しいんだけど。」
とか、
やり取りとして妙に見えるかもしれませんが
そんなスタンスでやり取りをきちんとするのが
「正直で誠実でフェアなコミュニケーション」
だと思うわけです。
なんでもかんでも言えってことではなく
何か、引っかかることがあった時こそ大事な時
だから
見逃さずに相手にきちんと伝えた方がお互いのためだよ
ということです。
人生不測の事態の連続で
気分が変わったり、考えが変わることも
もちろんあります。
だからこそ、お互いが
お互いに思いやりを持って
一方通行にならないように
めんどくさいコミュニケーションを
省略しないで、きちんと丁寧に関係を築いていくこと
それを、「愛する」
と最終的に定義しても
いいんじゃないかなと思います。
(「愛のあいま〜a season〜／しほり より)
あいまいな愛のあいま
そのまんまにしたりしないで
簡単にわかりあえないから
永久に求めあいましょう
しほり
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