お風呂に入りながら小説を読むのが好きな私。
ここ数ヶ月は、4巻にも渡る長編小説「蒼穹の昴」(浅田次郎 著)を、今回で何年かぶりの3回目、読んでいます。

中国清朝末期の動乱の中で巻き起こる人々の謀略や、有志を、躍動感巧みに書かれた超大作なのですが、(ネタバレしたくない方は読まないでくださいね!)
今、3巻の終わりまできて


おとといのワンマンライブ追加公演の中で
特集した

「徳貯金のススメ」


とぴったりな、感動的シーンにたどり着き
お風呂でひとり号泣。…>_<…


歴史ものの超大作で、ちょっと説明するには難しいので、ウィキペディアより拝借。。

********


舞台は光緒 12年(1886年 (日本:明治 19年))から光緒25年(1899年 (日本:明治32年))までの清朝末期。貧家の子、李春雲(春児)は糞拾いによって生計を立てていたが、貧しい家族のために自ら浄身し、宦官 となって西太后 の下に出仕する。一方、春児の義兄で同郷の梁文秀(史了)は、光緒12年の科挙 を首席(状元 )で合格し、翰林院九品官人法 の官僚階級を上り始める。

朝の内部では、政治の実権を握っている西太后を戴く后党と、西太后を引退させて皇帝(光緒帝 )の親政を実現しようとする帝党とに分かれ、激しく対立していた。后党と帝党の対立は、祖先からの清朝の伝統を守ろうとする保守派と、衰えた清朝を制度改革によって立て直そうとする革新派(変法派 )の対立でもあった。両者の対立は、やがて西太后と皇帝の関係にも、深い溝を生んでゆく。

春児は西太后の寵を得てその側近として仕え、一方、文秀は皇帝を支える変法派 若手官僚の中心となる。敵味方に分かれてしまった2人は、滅びゆく清朝の中で懸命に生きていく。


******


主人公のひとり、貧しい糞拾いの子、春雲(チュンル)は、本来野垂れ死ぬ運命だったところ、それを不憫に思った老占い師に、「お前は昴の星を持っていて、将来西太后(一番偉い人)につかえるであろう」
と、嘘の予言をされます。


それを信じた春雲は、自ら宦官(男性器を切断し後宮につかえる人)となり、持ち前の根性や心の清らかさをもって、やがてたくさんの人に推されて、なんと、運命を覆しほんとうに西太后につかえるようになります。



出世した春雲は、ありあまる給料で
他の貧しい宦官たちの、質に取られている宝貝(切り取られたお宝が入ったつぼ)を、ひそかに買い戻してあげていました。

でも、自分が買い戻したのだとはいわず
恩赦があり、戻されたのだ、と伝えていました。
ひそかに徳貯金をかさねていたわけです。


男性も女性でもない宦官は、生きてるうちに宝貝を買い戻せないと、死んだ後「雌の騾馬」にうまれかわる、と恐れられているのですが、


ある時、春雲の師匠にあたる宦官が、
自殺に見せかけ、謀殺されてしまいます。



その師匠は、とても意地の悪い人でしたが
優秀で誠実な春雲は、師匠と敬い、いろいろと教えてくれたことをとても感謝していました。


遺体を打ち捨てられそうになったのを
春雲は、とっさに止めて、夜道をかけ
「ご恩に報いるにはこれしかない!!」


と、自分自身の宝貝を取りに行き、
棺の股間におさめようとしました。


謀殺した張本人の偉い宦官たちが
春雲を罰しようとし、
春雲を殺したものには財宝を与える、と宣言しますが


誰ひとりとして
春雲を打とうとするものはいません。


皆、春雲が私財をなげうって宝貝を買い戻してもらっていたことを、ひそかに感謝し敬愛していたので、どんな褒美があっても、春雲を殺すなんてできなかったのです。


やがて、春雲を殺すなら自分を殺せ!!
と、みながかばいだし、
謀殺したえらい奴を糾弾し、春雲をみんなして守る形になります。


「どうぞ打ち殺してください!!」
と願い出ていた春雲は、この時
自らの行いによって、救われたたくさんの宦官たちに命をかけて命を救われるのです。


「なんでおいらのことなんか!!」


と戸惑う春雲ですが
みんな、彼の長年に渡る善行を、ひそかにみており、この窮地に恩に報いようと、命がけで守ったのです。



という、感動的なシーンで3巻が終わります。



長年の春雲の他人を想ってしたよい行いが
最高の形で報われる
感動的なシーンです。


春雲というキャラクターは浅田次郎さんの架空の人物ではありますが
とても魅力的にドラマティックに描かれており


糞広いの子供時代から
みるみる出世しての
長編4巻中3巻のラスト

最高に感情移入していて、思わず春雲と一緒に号泣させられてしまいます。



過酷な運命にまっすぐ立ち向かい、
優しく清い心で、志をまっとうしていく
ひたむきな姿に、ものすごく励まされます。


何年かぶり読んでるけど
やっぱりこのシーンは泣けて泣けてしょうがないです。


つい深夜なのに感動しすぎて
想いをつづってしまいました(笑)


めっちゃ長い小説ですけど
もし機会があれば、よんでみてください!


昔歴史の教科書で習ったようなことも
リアルに描かれていて面白いです。


ああ、、もし高校生の時にこの小説を読んでいたら
歴史の授業ももっと楽しく受けられたろうなぁ!!


と思います。


学生さんとかぜひ!!!
読んでみてください!!



ではでは、明日あさっての名古屋ライブに備えて
やっと寝ます(笑)



おやすみなさいまし!


しほり

{8345AC1E-3C51-4B58-B8B0-8E90D6974389:01}