2015年3月某日


私の体内カレンダーはとても精密にできていて、きっかり28日あるいは29日目には、妊娠していないことをお知らせしてくれるのが毎月の行事であった。それがこないとなって、少々心配していた。私は私のカレンダーを相当信頼していたけれど、30日目やそこそこで検査してみようというほど、計画的に妊娠しようと奮闘していたのではなく、かといって妊娠してしまっては困ってしまうような女子高生の時分ではなかった。赤ちゃんについては、結婚してもう2年たつということで、いつでもいいぞ、という気持ちもあったけど、少々勉強が片付いていないこともあって、あと1年くらい後のイメージをもっていたわけである。


そこで、本当に本当に生理が5日も6日もこなくなるまで待っていた。5日も6日も7日たってもこないので、ちょっとわくわくしてきた。どんなストレスがあったって、私にそんな前例はない。フライングで妊娠検査薬を使ってしまえば、無駄な一本となり、もったいないことになるという経験則が働いて、何日ものんきに待っていたというのもある。


で、妊娠が判明した日は、喜びでいっぱいだった。いよいよ思い立って一直線に薬局へ検査薬を買いに行って(念のため二本入りを買った)、一直線に帰宅して、赤ちゃんを授かっていることを知った。くっきりとした濃い陽性反応だった。


喜びは相当のもので、え、このお腹に赤ちゃんがいるのかぃ、と平たいお腹を自然と撫でながら、にやにやが止まらない。


平たいお腹に手を当てながら、そっと踏み出す。よちよち歩きで、にやにや。何もかも楽しみだ。赤ちゃんがついにくる。つわりすら楽しみだ。


旦那にメールを打とう。検査薬は、とりあえず捨てないでおこう(え、笑)。


早速、初めてのたまごクラブを購入しに行き(略して初たま)、ロイヤルホストでむさぼり読んだ。


まず、熱すぎるのがよろしくないとされるホットヨガのマンスリー会員をあっさり解約した。

正月から始めたばかりであったが、早速の解約となった。解約理由のところでどうしても妊娠、にマルとしなくてはならず、おめでとうございますとスタッフさんに言われなんだか恥ずかしい。


そして、妊娠初期に大切とされる葉酸サプリなるものを求めた(私は葉酸を知らなかった。多くの妊娠しようとしている女性は知っていて妊娠前から飲んでいる人もおられる模様)。妊娠期間をどのように過ごすべきなのか、知識ゼロベースの私は大急ぎで情報収集した。


とにかく、数え方がよくわからなかったが、秋にはお母さんになるんだと知った。年始の計画にあった、ホットヨガを取り下げた。赤ちゃんがくるっていうことは想像以上に私を興奮させた。