格

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人間の格
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本物の人間になるためには、人格について考えなければいけません。
人格とは理性ではありません。
頭の良い人間が、人格者とは限らないからです。
「人間の格」とは、「人間であるために必要な要件」です。
「人間の格」には、「性格」と「人格」の2つの「格」があります。

「性格」は生まれつきのもので、変える必要はありません。
相手によって、いい性格と言われたり、いやな性格と感じられたり、

相対的なものです。
不自然に変えようとするとストレスになり、うつなどの原因にもなってしまいます。
「長所を伸ばせば、短所は味に変わる」、

「短所をなくそうとせず、長所を伸ばす」、
「不完全な人間なのだから、短所があるのは当たり前。

短所があるのは人間の証拠」。
短所があることを自覚し、

できるだけ出てこないように努力することが大切です。

どんな性格でも能力と人格を磨くことで、個性として魅力を持ち始めます。

「人格」には、3つの視点があります。


「人格の高さ」・「人格の深さ」・「人格の大きさ(広さ)」

という、この3つです。

人格は、赤ちゃんや子どもには備わっていません。
「この赤ちゃんは、人格が高い」とか「深いですね」とは言いません。
生まれた後に、努力して育てていくもの、磨き上げていくものです。

「人格の高さ」は、知識や技術や教養の量があると同時に謙虚さが必要です。
プロとしての自信や志があることも、人格の高さを作るポイントです。
どんなに素晴しい技術を持っていても傲慢な人には、

人格の高さは感じることがありません。

「人格の深さ」は、考え方や内面的なもので、

量ではなく質的なもので、意味や価値を感じる厚みです。
乗り越えてきた問題や苦労や悩みが深さを作ります。

「人格の大きさ」は、器・度量・包容力という言葉で考えます。
器の大きな人とはどんな人か、

度量の大きな人とは、

包容力の大きさとはなにか。

人格は、どのようにして育て、鍛え、磨けばいいのでしょうか。
「自らに問い、対立を乗り越えていく」「問題を乗り越えていく」こと。
自らに何を問うか。「人格を育て、鍛え、磨く問い」は、

「哲学の問い」と言われる
4つの問い、

「現実への問い」「全体への問い」「本質への問い」「理念への問い」

です。

日々の生活や仕事そのものが現実です。

現実の中で、いろいろな問題が次々と出てきたとき、
「どうして、こうなるのか?」と思うことがあります。

これが「現実への問い」なのです。

この現実への問いをキッカケとして、

「こんなことは私だけ?他の人はどうなんだろう?」
とより広く考える「全体への問い」に発展します。

さらに「そもそも、これはどういうことなのか?」というような問いがでてきます。
これが「本質への問い」です。


「これは、どうあるべきなのか?」「どうならなければいけないか」となったとき、「理念への問い」となります。

次に、「対立」を乗り越えること。

特に「感情的対立」を乗り越えていくことがポイントです。
相手を「誤解なく正しく理解するように聴くこと、接すること」、
自分のことを「誤解されることなく正しく理解してもらえるように伝えること。
「対立とは、学ぶべき何かを持っている人を教えてくれている状態」です。
自らの成長を手伝ってくれる人として、相手に対して気づかい・心づかいで接することです。
対立する相手の意見のいいところを学び、取り入れ、

自分の意見を成長させる。
ここに、器の大きさや包容力の大きさがでてきます。

こうして、「人格」を育て、鍛え、磨いていくことで

、「人格」は「高く・深く・大きく」なっていきます。



『芳村思風 風のことば集』より


やさしい笑顔と光がすべての方に届きますように・・・