第016話 おいしくて

       まち姉の料理ショー話。

       冒頭、朝ごはんだと呼びに行ったがまち姉は部屋にいなかったので戻ってみると、その間に

       あやねの分まで全て食べ干していた。「食いしん坊なんだから」と言うあやねに、「だって育ちざ

       かりだしドキドキ」と恥じらいを決めるまち姉。「ンなもんとっくにすぎてんでしょが」と突っ込むが、まち

       姉式神・てるてるまっちょ(特技:華道)を出してたじろがせる。ちづるさんは、まち姉に食事当

       番を言いつける。女にとって大切な修行、花ヨメ修行とも言って。言うには、料理上手なヨメの家

       は家庭円満ともいわれているらしい。だが、「そっかーだからウチは…」「なるほど…………」と

       いかにもウチの家庭はと言わんばかりの返しをあやねまち姉がしたために、母・ちづるさんか

       ら式神・源氏がに(特技:じゃんけん)が繰り出されるという……あせる

       また、「家庭的なトコ見せとけば男なんてイチコロ」なんてお母様の教えが、あやねから見ても

       腹黒いモノとか。そしてあやねは、行人様がりんちかげすずの料理に感心してたことをまち

       姉に告げ、「お姉さまに押し付けられてたからその分家事も上達してるし、ゆきのだって掃除好

       きだし料理も手伝ってる」のを話すことで攻撃を加え、「家事の一つもできないのはお姉さまだけ

       じゃない?」ととどめを刺したつもりが…逆にまち姉に火をつけ、花ヨメ修業のやる気にさせて

       しまっていた。…その時、あやねてるてるまっちょに頭グリグリとやられていたが…。

       まち姉は、島一番料理がうまいりんのとこに修行に行った。だが、何をトチ狂ったか重箱作りの

       修行になっていた上に、りんのお手本より上手く作ってしまう。しかも、とげ太に「まちっちの方が

       みこみあるな」と褒められりんの鍛冶としてのプライドをずたずたにしてしまうという。

       再び訪れたまち姉に対し、昼飯作っからあたいの指示通りにやってくれという話になったが、そ

       れはもう末恐ろしいものだった。りんの「包丁使えるかい?」に対し「刃物ならまかしてドキドキ」と言っ

       たり、「刃物を持つと自然に笑っちゃうのドキドキ」発言、果てには包丁を入れる魚の代弁を腹話術し

       たり…。そして…。すずあやねと会話している行人の頭上に、突然矢文がドスッと刺さる。

       まち姉からの招待状だ。だが、りんもズタボロ状態で木杖をヨロヨロと突きながら現れ「あねごに

       料理させないほうがいい……」と言い残し、とげ太に連れ攫われていくのだった…。

       そして夜、神社のあやねたちの家。まち姉の本領発揮らしく「調理に入りますのでしばしごゆる

       りと」と同時に、「決して調理場をのぞかぬよう…うふふふふふ」と付け加えていく。「マズいと言

       ったって限度はあるだろうけど」とは行人は言うが「お姉さまのことだから、下手すれば死よ!」

       とあやねが言い切ると同時、ちづるさんと紋次郎が素早く逃げ出し消えている。

       と、その瞬間うふふふふふ…とまち姉の怪しい笑い声が聞こえ、直後に異様な雰囲気が漂うと

       ざしゅっと裂くような音が聞こえ、ぐげえぇぇぇぇと断末魔のような叫び声が上がる。

       何が起こっているのかと妄想するあやね行人すずの3人だが、とんかつはモザイク…一体

       どんなものを妄想しているんだろう(;^_^A)

       それに、ビクビクするすずに対し、あやね行人は一応はふすまを開けてはみるけど…

       突然まち姉の式神たちが襲ってくるし、これはたまらないであろう。

       ようやく料理が出て来ると、やはり不安げで不気味なものだった。「どうぞさめないうちに…」「だ

       から意味あり気に笑うなって」というまち姉行人のやりとりがあるコマは別の意味で怖い。

       「まずはさしみなんかを…」「さしみはさめんだろ…」のところのさしみとさめのとこで、海の主の

       方を想像しちまったし汗

       それでも、真面目に作ったはずの、おどろおどろしい背景もないようなまち姉に、じぃっと見つめ

       られては食べざるを得ずに、ついに口にした行人は「うまいドキドキ」の一言。「思わずうそぉ!?」と

       叫ぶあやねすずは、かわいいように見える式神にカリカリと頭をかじられていた…。「もうまち

       さんに失礼よ。あなた達も食べてみなさい」といつの間にやら現れて食べているちづるさんと

       紋次郎との同じコマの中で…。あんたらねえ…。

       実際にあやねすずも食べてみるとおいしかったのだが、オチは予想外であった。あやね

       悲鳴で駆け付けた行人すずが見たのは、調理場の惨状。りんの言い残していった酷い目とは

       片づけのことだったのだ。そしてしばらくの間は、まち姉が料理を頑張ることになったとかで、

       「お願いだからサボってお姉ぇ様~~!」とあやねは懇願するのだった。

 

       鼻血回数  00回

       01巻目累計 11回

       02巻目累計 11回

       03巻目累計 02回

 

    

番外編 いやしくて

       1~2ページごとの短編

       冒頭

             山のようにある豆大福が、全部とんかつになって驚いた。と思ったら夢で、「変な夢見

             ちゃったと行人に話してみたら、行人とんかつに噛んだ跡があって「豆大福を食べた

             夢かい?」とピクピク体を震わせていた。それでもすずは気が付いていない…

       Sandwich(サンドイッチ)

             冒頭の続き。ちかげさんの夢見る食べ物はさんどうぃっち。ゾウのぱな子さんの得意

             料理でもあるそうだ。本を読みながら片手でも食べられるからだけど、夢中になるあま

             りにうっかり本を食べてしまうって…ヤギじゃあるまいし…

       江戸っ子だし

             りんの家庭は大所帯だが、家族はみそ汁と白飯しか出来ないのでりんが食事を作っ

             ている。だが、家族は誰一人味わって食わずに早飯なんだそうだ。

       欲望のままに

             まちに食べ物の好き嫌いはない。だが、あやねの話だとお腹がすくと生魚を丸かじり

             したり、お供え物を食べたりと手当たり次第に食べてしまうとか。そこへ丁度、羊を飼っ

             てる村人の一人かおりから、ポン丸という羊が一人見つからなくなったけど見てない

             かと聞かれたが…これは次巻のフラグですか?

       せくしぃーの為なら

             牛乳、納豆、オクラ、たくあん、きゅうりと食べ物の好き嫌いが多かったゆきのちかげ

             のイタズラで背や胸を大きくする方法とか言って食べるようにはなったが、幾ら何でも

             くまくまのジャイアントスイングで大きくはなれんだろうに…酷いイタズラだ…

       いやしんぼ万歳

             あやねの好物は辛い物だが、「たかだか好物の話で目の色かえちゃって」とか「上品

             な私はあなたたちみたいにがっついてないし」と言う。そこで、それらの台詞を逆手に

             取ったちかげさん。すずは「上品なあやねが食べ物につられてお呼ばれするわけな

             い」、行人は「あやねの分はいやしいボクが食べるよ」と弄ぶのだった…

 

       鼻血回数  00回

       01巻目累計 11回

       02巻目累計 11回

       03巻目累計 02回