ご報告をさせて下さい
2020年4月21日吉日に一般社団法人アンサンブルを設立するに至りました。
●事業内容
1 居宅介護事業
2 障がい者の日常生活及び社会生活を総合的にサポートする事業
3 障がい者の理解啓発の勉強会や講演会の運営、企画
4 障がい者の芸術文化活動の支援事業
この4つの事業を柱にして
重度の障がいや病気があっても、施設や家族に頼らず、地域で暮らし、仲間と共に過ごし、可能な範囲で働き、好きな活動をやって、人生を楽しむ。そんな当たり前の生活を実現すること。
障がいがある人もない人もみんなが幸せに暮らすことができるコミュニティの基盤を作り、そのコミュニティの輪が社会全体につながるような活動を展開していきたいと思っています。
団体を設立した経緯をお話ししますと、
息子の困り事を解決するために、昨年から色々な勉強会や講演会に出かけて、たくさんの人に会い、話をさせてもらい、アドバイスやアイデアをいただき、色々学ばせて頂きました。
息子の困り事は、すべての重度障がい者の困り事であります。
重度の知的障害や自閉症による特性のゆえの行動障害、脳性麻痺などによる重い身体障害、交通事故や病気での重い後遺障害
これらの問題を抱える人たちは、家庭に頼らなければ、地域で生活する場所がありません。
家庭に限界がきたら、人里離れた入所施設、そこも断られてしまったら病院しかいくところがありません。
1960年代以降、デンマークやスウェーデンなど福祉先進国では「障害がある人もない人も同じように地域で暮らす」というノーマライゼーションの考え方が急速に広まりました。
日本でも、ノーマライゼーションの考え方が広まり、
厚生労働省は、2002年に「新・障害者基本計画」で入所施設の新・増設を抑制する方針を打ち出し、2004年からは原則として国の補助を出さない、という方針を決めました。
その後、地域で生活する為の支援態勢を充実させてゆくために、入所施設に充てる分だった補助額を、デイサービスや通所施設の整備、グループホームを利用できる受け皿作りに力を入れるようになりました。
人里離れた入所施設から地域で生活するグループホームへ、という流れにはなりましたが、
現在のグループホームでは、重度障がい者が入居できる環境がまだ整っていません。
それに加えて慢性的な人手不足で絶えず見守りが必要な重度障がい者は、入居を断られてしまいます。
そして、当事者である障がい者は、自分の将来の生活の場を自分で選択できる余地がないのです。
施設には入りたくない、グループホームは厳しい。
でもいつまでも親に迷惑をかけたくない、、
大多数の障がい者はこのような思いでいます。
そこで、
入所施設、グループホーム以外の第3の選択肢として、
ヘルパーを利用したひとり暮らし、もしくはシェアハウスで地域生活を実現したい、と考えるようになりました。誰もがここに住みたい!と思えるような居場所を作りたい。
しかし、実現のためには多くの問題があります
1 ヘルパーの不足
2ヘルパーを利用できる時間数の不足
3 住居を借りて生活するための資金不足
4 近隣の人たちの理解
手探りの日々の中、色々考えましたが、息子とのサテライト生活を続けていく中で、1番必要なのは生活を支えてくれるヘルパーで、なんとかヘルパーを集めて育成しないと障がい者の地域生活は実現しない。と悟りまし た。
福祉の核は人。
問題は山積みだけど、まず最初にヘルパーの組織を作りたい、そう思うようになりました。
そして居宅介護事業所を立ち上げることになるに至りました。
今後は、
ヘルパーの組織を作りつつ、時間数や住居や資金の問題、地域住民の理解の問題を考えていこうと思います
出生時に脳性麻痺の診断を受けたありかさんが、アンサンブルをイメージして描いてくれた、おかえりにゃんこです