去年の9月頃のお話です。
の続きです。
『ヒロは学習障害の他に記憶障害もあって…。
少し前の記憶があやふやになってしまうんです』
彼女いわく、
一週間という期間は
ヒロくんの記憶が曖昧になるには
十分な期間なんだそうです。
呼び出されて急いで学校に向かうと、
先生から事情を聴かれてるヒロくんが
いたそうですが、
先生からこんな事を言われたそうです。
『コウをはめたことは認めています。
ただ、記憶が曖昧ではっきりとは分からない』
ヒロくんのお母さんは、
コウがどんな特性なのかは
よく知りません。
でもそこで、コウの担任の伊藤先生が
こう言ったそうです。
『自分はコウをずっと見てきている。
あの子は足りないところも多々あるけど、ああいう場面で嘘をつくタイプじゃない。
申し訳ないがヒロが覚えていなくても、おそらくコウの言う事が本当だと思う』
伊藤先生…。
まっすぐすぎて、
この先生大丈夫か?!
と思う事もありますが、
伊藤先生のコウを信じる思いに
胸を打たれました。
ヒロくんのお母さんは、
伊藤先生がそういうならそうなんだろう、
と思ったそうで、
全面的にヒロくんの非を認めて
『謝罪したいので、谷さんの電話番号を聞いたんです』
………え?
『でも…個人情報は教えられないと言われてしまって』
………えぇ?!
私は確かに、
『個人情報でも私が許可するから教えて構わない』
と伝えていました。
どうして学校側は私の携帯を
ヒロくんのお母さんに教えなかったんだろう?
『あの…私は教えていいって言ってたんです。
誰がそんな事を言ったんですか?』
『主任の岩本先生です』
どうして…?
岩本先生が教えていれば、
あの時にヒロくんのお母さんが電話をくれれば、
私はここまで引きずらずに済んだし、
ヒロくんのお母さんも
今日まで抱え込まずに済んだのに。
なんだか先生が信用できなくなってきました。
『私は谷さんが連絡もほしくない、顔も見たくないってことなのかなと…』
ヒロくんのお母さんはこの件の数日後、
私と仲の良いゆうくんのお母さんと話し、
私が携帯を教えていいと学校に
言っていたことを知ることになります。
そこから彼女は、
“先生はもしかして、当事者の親同士をぶつからせてはいけないと思ってるのか?”
と思ってきたそうです。
なんだか…
先生がよけいに引っ掻き回してる気が。
『…とりあえず…
ここで立ち話も何なんで、歩きますか』
2人で話しながら駐車場へ向かうと、
そこには私達を待つかのように
ゆうくんのお母さんが1人で立っていました。
そしてそこでまた、
新たな疑惑が浮上することに。
…続きます。
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