一昨年の5月頃のお話です。
の続きです。
※あまり食事中に見ないほうがいい表現があります。
申し訳ありません、ご了承ください。
コウが中学生になった頃から、
私達はコウに生活力をつけようと、
いろんな家事を教え込みました。
お風呂掃除、洗濯、干す…。
そして夫が教えたのは、ゴミ出しです。
何曜日に何のごみを捨てるのか、
しっかり教え込みました。
曜日を覚えるまで時間がかかりましたが、
嫌がらずにむしろ朝起きると進んで
『ごみ捨ててくるね』
と言ってごみステーションまで
持って行ってくれます。
これは本当に今も大助かり
そして1ヶ月ほど経った、
5月のある日曜日のこと。
ごみステーションの掃除当番
が東野さんから回ってきました。
ほうきとちりとりを持ってきた東野さん。
『なんか…カラスに食われる以前の問題で』
どういうこと?!
『何曜日でも常にごみがあるから、ちゃんと掃除できなくて。
しかも燃えるごみに缶とかビンとか混じってるのが、袋から透けて見えてて…』
『え、やばいですね…。それって…』
『証拠があるわけじゃないから何とも言えないけど…ねぇ』
含みのある言い方をした東野さん。
でも言わんとしていることは分かりました。
その日の夜、夫が玄関先に置いていた
掃除当番のほうきとちりとりを見て、
『コウにごみステーションの掃除を教えるか』
と言い出しました。
『うーん…まだ早いんじゃない?とりあえずごみ出しができただけでも進歩だし』
『関連づけて教えたほうがいいよ。
雑に捨てると後で掃除が大変なんだってことを、目で見て知ったほうがいい』
そんなに言うならあんたが教えて
と夫に任せると、
翌日の月曜日の夕方、さっそく動きました。
月曜は燃えるごみの日。
収集後の夕方なら、本来ならごみは無いはず。
火曜が資源ごみの日なので、
もしかしたらペットボトルやダンボールが
出てるかもしれないけど、
触ってもそれほど汚れるものじゃないし…
と思ったようで、夫がほうきとちりとりを持って
コウを連れてごみステーションに向かいました。
私は家に残って夕飯の準備。
すると3分もしないうちに…
『兄ちゃん早っもうもどってきたよ!』
『えっ?!』
さっき行ったばかりのコウが
夫を置いて一人で戻ってきました。
『コウ何やってんの?!パパは?
勝手に戻ってこないで手伝いなさいよ!』
『ちがう、パパが戻れって言ったの』
なんのこっちゃ分からず、
とりあえず私だけでごみステーションに向かうと、
そこには一人で黙々掃除をする夫の姿が。
『ねぇ、なんでコウに戻れって言ったの?
掃除教えるんじゃ…
うげっ』
カラスにつつかれたんだと思います。
やぶれたごみ袋から、ごみが散乱していました。
それだけならまだいつもと変わらないんですが…。
血のついた生理用品が、
開いた状態で落ちていました。
『…こんなのコウに見せられるかよ』
絶句でした。
確かに夫の言う通りです。
コウをすぐに家に帰したのは、
正解だったと思います。
『…俺は男だから分からないけどさ、少なくともお前のこういう状態のは見たことないけど』
『まぁ…くるんでテープで止めて捨ててますので…』
『そういうの常識じゃないの?それともそんなにくるんでテープで止めるのめんどくさいもんなの?』
当たり前ですが、
ナプキンは新品のを開けたときに
その包装材で使ったものをくるんで
包めるようにできています。
テープもついてるし、何も面倒ではありません。
もしかしたらこれをごみに出した女性は、
ちゃんとくるんだのかもしれません。
途中でテープが外れて、
ナプキンが開いてしまった可能性もあります。
うーん……。
前から夫は西野さんを良く思ってないので、
たぶん端から西野さんのごみだと
決めつけてるのだと思いました。
『でもまぁ…西野さんが出したごみだとは限らないし…』
すると夫は顎をしゃくって言いました。
『100%あの家族だよ。ほら、そこ』
見るとやぶれたごみ袋の中に、
あて名が書かれた郵便物の封筒も入っていました。
思いっきりその宛名には西野〇〇様と
奥さんの名前が書いてありました…。
続きます。
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