今年の7月頃のお話です。
の続きです。
職業体験を終え、
私の中でもコウが大人になった姿の輪郭が
少しくっきりしてきたのですが、
コウの中でも考えるものがあったようです。
『おれ、若草に行きたい!』
と言い出しました。
若草というのは、
市内にある県立の高校のみの支援学校。
軽度の知的障害児を対象とし、
将来的に一般企業の障害者枠で働くことを
目的として作られた学校です。
どうやら先生方に職業体験で、
『若草に進学した〇〇先輩みたいで、すごく良かったよ!』
と言われ、その気になったみたいです。
でもはっきり言ってコウには…
難しいと思うんです
若草の合格ラインは主に、
小4程度の学力を要すると言われています。
コウは現在、小1~2止まり。
ペラペラよく喋るし、
美術や音楽などの芸術面ではよく
力を発揮できるのですが、
学力となるとガタっと落ちるんです
そしてコウはこれまたペラペラと、
放デイのスタッフさんにも
自分の夢を披露していたらしく、
スタッフさんから送迎の際に
こんな話をもらいました。
『コウくん…公文とかどうですか?』
え…クモン?苦悶?
縁が無さすぎてすぐ漢字が出てきませんでした。
『クモンって…あの公文ですか?
………無理でしょう!』
あの公文でしょ?
あの上白石どっちかがCMやってる、
ぐんぐん伸びるって言ってるやつでしょ?
私がふざけて笑っても、
スタッフさんはいたって真面目な表情。
『いやいやいや
実はね、○○君もやってるんですよ』
その子はコウより障害の程度が重く、
誰とも会話することがほとんどない
コウの2個下の男の子。
小学校が一緒でした。
放デイの後に公文に行く日が週2日あり、
宿題をデイでやってたりするそうです。
『あの子も知的遅れがあるので、学年通りの宿題はやってないですよ。
公文ってほぼ個人経営みたいなもんだから、全部の教室が知的障害児を受け入れてるわけではないとは思いますけど…
少なくともあの子が通ってる公文は、受け入れてくれてるってことですよ』
言い方は悪いけど、
スタッフさんの話し方からは
〇〇君が通ってるならコウも行けるよ
と言われてるようでした。
その後、一応個人情報だからと
その子の親に許可を取り、
どこの公文の教室なのか教えてもらいました。
その子は我が家とかなり離れた地域に
住んでいるのに、
意外にも公文は我が家に近い教室でした。
きっとその子の親も、
受け入れてくれる所を探して探して、
ここにたどり着いたんだろうか…?
そう考えたら、
一度見学してみるのもアリか
と思えてきました。
さっそくHPから見学予約。
備考欄に今のコウの状態を細かく書きました。
これを読んだうえで、
受け入れ無理ならこのまま
WEBか電話で断ってほしい。
いくらその子の前例があるとはいえ、
健常の子が利用する施設を
断られるということが、
今まで何度も経験してきただけに
怖くて仕方ありませんでした。
数時間後、一通のメールが。
公文の教室からの返事でした。
…続きます。
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