今年の4月頃のお話です。
の続きです。
授業参観が終わり、
次は支援級の保護者懇談会。
懇談会が始まるまでの間、
廊下で待っていると、
ゆうくんのお母さんが話しかけてきました。
『中学校の授業参観、やっぱり小学校とは違いますね!
なんか、クールって感じ』
うーん…あれをクールと言うのか…?
どっちかというと怖かったけど…。
彼女には私の正直な感想は
もちろん言わずにいました。
『あ、そうそう!』
ゆうくんのお母さんが思い出したように
語り始めたのは、
ゆうくんの入学前の面談の事でした。
『面談の担当、伊藤先生だったんです』
『あ、そうなんですか!
今年もですけど、去年からコウの担任なんですよ』
『伊藤先生も言ってました!
しかしまぁ伊藤先生って…』
伊藤先生って??
『コウくんの事、大好きじゃないですか?!』
思わず吹き出しました。
『いや、大好きかどうかは分かりませんけど…とても熱心な先生ですね』
『いやいやいや!
面談で何度コウくんの名前が出てきたか…。
あれはもう伊藤先生の愛を感じました』
ゆうくんのお母さん曰く伊藤先生は、
コウがよくゆうくんが入学してくるのを
楽しみにしていることや、
コウがこの1年でどれだけ成長したかを
なぜかゆうくんの面談で熱く語ったそうです
そして近くで話を聞いていた
他の子のお母さんも、
『私も面談伊藤先生でしたけど、こうくんについて熱く語ってましたよ』
と会話へ加入。
『伊藤先生とコウくんって、本当に良いペアですよね』
そう言われ、
少し恥ずかしくもありましたが…
実際、事実。
伊藤先生のコウへの愛情は、
(変な意味じゃなく)
親の私から見ても感じていました。
ただ、厳しくするときはちゃんと
叱ってくれるし、
どんなに私が呆れたくなるような
コウの特性も、
『コウらしいですね。
お母さんは毎日一緒にいるから大変だと思いますけど、僕はめちゃくちゃ面白いです』
と言ってくれます。
その明るさというか真っすぐさに、
私も何度も救われてきました。
最初はこんな若い先生で大丈夫か?
と思ったけど、
それだけ伊藤先生はコウへ本気なんです。
なので、
他の子の前でも伊藤先生がコウの話を
していると知り、
ちょっと嬉しくもあり、誇らしくもあり
ですが今思えば、
これもまた事件の元だったのかもしれません。
…続きます。
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