の続きです。
シュウと2人ドキドキしながら
スイミングスクールの体験
に訪れました。
中に入るとすぐ受付があり、
そこには女性が立っていました。
『あのー…お電話した谷です』
『あ、はいはい!体験の方ですよね』
声から、電話で話した女性だと気づきました。
イメージしてた通りの
3時のヒロインの福田さんみたいな人でした。
この福田さん(とします)、結論から言うと
めちゃくちゃ良い人
です
福田さんは、
『ではこれをご記入いただけますか?』
と言って、受付票を挟んだ
バインダーを私へ手渡しました。
名前、住所、生年月日…と書き進めていくと
“スイミングを習わせようと思った理由は何ですか?”
という問いがあったので、
私は迷わずこう書きました。
学校の水泳の授業で
溺れてしまったので、
恐怖心をなくしてやりたい
書き終えて返すと、
福田さんはチェックをするように
バインダーに目を通し始めました。
そして、固まりました
『………え?学校で溺れたんですか?!』
『…はい』
『えっと…先生は何してたんですか?!』
『………何してたんでしょうねぇ?』
初回の授業で溺れ、
それから一度も入らずに
今年度の水泳授業を終えたこと、
家のプールは喜んで入ること、
お風呂でもだいぶ前から
シャンプーハット無しで洗えること。
それらを伝えると、
受付の後ろのスタッフルームから
インストラクターの中年の男性も
一緒に話を聞き始めました。
『じゃ、水そのものに恐怖があるわけではなさそうですね!
それなら大丈夫だと思いますね?』
『おう!シュウくん、ここのコーチはみんな面白いぞー?!』
『うふふふ…うん!』
2人でシュウの気持ちを盛り上げてくれ、
これからの流れを説明してくれた福田さん。
更衣室まで笑顔で送り出してくれました。
『いってらっしゃい!楽しんできてね』
シュウの緊張をほぐしてくれて、
本当にありがたかったのですが、
いざ水着に着替えるとシュウはガチガチ
顔も無表情のまま固まりました
『さ、プールに行こう?コーチが待っててくれてるって』
『………う、うん………』
このかかしのように固まったシュウは、
本当にプールに入れるのか…?
続きます。