『あっ、でも旦那が発達障害ってことは誰にも言ってないの!
内緒にしててね!』
彼女は人差し指を立てて
お願いしてきましたが、
私はちょっと引きました。
ご主人が発達障害ってことにではなくて。
そんなにみんなに根掘り葉掘り聞くのに、
自分の家庭の事情は言わなかったのか、
ということ。
聞きたいなら自分の事もさらけ出すべきだし、
言いたくないなら周りにも
聞かなきゃいいのに。
なんか、飲んだら乗るな、乗るなら飲むな、
みたいですけど。
そしてもう一つ引いたのは、
隠したいんだ、ということ。
家族の発達障害を隠したいかそうでないかは
正解はないと思います。
ただ彼女の場合は、
発達障害を持つご主人を
『犯人はあいつなの!』
と、犯罪者のように言っていました。
…なんだかなぁ

そこから彼女は急にアドバイスのように
私に話し始めました。
『療育手帳はもらっちゃダメよ!
その時点で普通の就職が厳しくなるから!』
『もらっても更新しちゃだめよっ!』
『診断はつけてもらっちゃダメよ!
その時点で“障害者の人生”の始まりなんだからっ!』
えーと…

療育手帳→取得済み
なんなら先日更新済み
診断だってばっちりもらってますが?
こんな私にアドバイスしたところで
どうにもなりませんし

私は良いと思ってやってるんですが?
でもなんだか彼女の話を聞いていて、
違和感がありました。
この人は正にグレーゾーンの娘を、
(というか理々華ちゃんは白にしか見えないです)
支援級に入れるという決断をしたのに、
どうしてそんなに療育手帳を拒んだり
診断をつけてもらいたがらないんだろう?
『うちの子が障害児なわけない!
支援級なんて絶対嫌!』
って人が言うなら分かるけど、
なんか矛盾してる気がする…。
私はどんな答えが返ってくるか、
また何分で終わるか不安でしたが、
彼女に聞き返してみましたけど
『それならどうして理々華ちゃんは、支援級を選んだの?
理々華ちゃんほど勉強も自立もできる子なのに、支援級の判定がどうしておりるの?』
彼女はニヤッと笑いました。
私はどうやら、彼女が言ってほしかった言葉を
言ってしまったようでした。