やばい女
コウが中1のときのお話です。
の続きです。
最初からはこちら。
【登場人物】
●吉田先生:小学校支援級の主任の女性教師。厳しくも愛がある先生。
●翔くん:コウの4才下。うまく喋れないタイプの男の子。
●翔子さん:翔くんの母。
●ユウくん:コウの1才下。コウとよく似たタイプの自閉の子。
●優子さん:ユウくんのお母さん。話しやすくて気が合う人。
第2章【第11話】
既読スルーから数日すると、
若干翔子さんの態度が軟化。
〇日で私が都合つけるから、夜ご飯行こうよー
なんか上からに見えなくもない![]()
でも、“有休取れば”発言からしたら
だいぶ優しく見えたので、
私もここで“行ってもいいか”と
思ってしまったんですね…。
ですがやっぱり直前になり。
ごめんやっぱ〇日厳しいわ
●日でどう?
●日なら大丈夫なんだけど。
幸い、私はその日も
なんとか行けそうでした。
●日でもいいよ
と返事をしましたが、
また直前になって
□日にしてもいーい?
自己中にも程がある![]()
別に夜じゃなくて良くない?
コロコロ変更されると
仕事に支障が出るから、
昼のほうがありがたい。
結構強めのつもりで送りました。
これで翔子さんが怒るなら、
それでもいいと思いました。
翔子さんの返事は。
じゃいいよ、〇日で
は?
結局一番最初の日程で決定。
行けんじゃねーか。
あの日がいいだのこの日が無理だの
言ってたのは何だったんだよ![]()
そして夜ごはん当日、
その約束の時間にも30分ほど
遅れてきた翔子さん。
『ごめんねー遅くなってー!
うちさー、お姉ちゃんが優秀すぎて大変なのー
』
席に着くなり
ぺらぺら語りだしたのは、
今まで話題にも出ず顔を見たこともない
翔くんの2個上の娘さんの事。
翔子さん曰く、
お姉ちゃんは勉強もできて運動神経も良く、
女子サッカーのジュニアチームに
入ってるんだそう。
その練習が土日にあるので、
送迎の時間が読めず大変なんだ…
との事でした。
じゃあ尚更、
夜集まんなくてよかったじゃん![]()
でもやっぱり優子さんに
張り合いたいんだろうな…と思いました。
そこからはずっと娘さんの話。
『中学、私立に通わせようかと思ってるのー
』
『リレーとかいっつも選ばれるのー
』
翔くんの話は全然出てきませんでした。
そこで気づきました。
翔くんが荒れている今、
翔子さんにとってお姉ちゃんだけが
誇れるものなんだろうな。
そしてそれをとにかく私達に
ひけらかしたかった。
だから何度リスケしてでも、
私に夜はやめようと言われても
会いたかった理由なんだな![]()
だんだん話を聞くのも苦痛になってきて、
もう帰りたいなぁと思っていた頃。
顔に出てしまってたのか、
翔子さんが
『そうそう、そういえばねー』
と話題を変えました。
『秋休みに学校に行ったのー。
そこでコウの話を吉田先生としたんだー
』
嬉々として話す顔が
憎たらしく見えて、
嫌な予感しかしませんでした。
…続きます。






