環境音楽というジャンルを作り上げたあの、ブライアンイーノさんとのまさかの出会いを書きますね。まだ京都に住んでいる頃の話です。奈良の大峰山での修行の一行にくっついてある旅館に泊まっていました。夜、居間のようなところにいると、女将さんが「今日、イギリスのシンセサイザーの大御所の方が泊まっているんよ。」と話してくれました。「え?それってまさかブライアンイーノさんでは?」
と聞くと「さー!名前はわからないけど。。」そして、待つこと2時間。何と!ブライアンイーノさんご一行が帰って来ました。
「わーーーーーー!」と興奮の私。「旅館の仲居さんに化けてでも部屋に入りたい!」と冗談を言うと「わしやったらやるけどな!」と隣にいた男性が言うのです。「えーーー?でもやってみようかな。」
挑戦されてここで引いたら女がすたる!
と女将さんに直訴。「あのーーー!あの方にお会いしたいんで、部屋の担当にして貰えませんか?」「いいですよ。」とあっさりOK
エプロンも付けずに恐る恐る部屋へ。。。。ブライアンさんと何人かのミュージシャンが和やかに談笑。私がにわか仲居さんでビールをついで回る間も英語が飛び交っています。私の頭の中は「どこで話しかけようか?」ということばかり。お酌もうわの空。しかし、旅館が忙しかったとは言え、素人にこの部屋全部任せている女将も大したものです。
「たばこ」と言われれば「はーい!」と愛想笑いをして取りに行ったり。。。と卒なくこなして、さていよいよ!ブライアンさんにビールをつぎながら「エクスキューズミー!」と切り出し、私はブライアンさんを尊敬していて、同じシンセサイザーを演奏していること、今日は仲居さんに化けてあなたに会いに来たこと。。。。とまくし立てました。ブライアンさんは「おー!
それはあなたは、クレバーだ!」と大笑い。頼みもしないのに色紙に紫帆へ。。。とサインまでしてくれました。
「こんど天川で演奏するから来たら?」と誘われて
「行きます!!!」と約束。ブライアンさんが寝た後もミュージシャンのピーターさんが「あなたはラッキーだね!普通、マネージャーがいるから話しかけも出来ないよ。本当にあなたは面白い人だね!と皆で大笑い。続く