次男が本退院して、少し落ち着いた頃、実家に連れていった。
父に報告するためだった。
ふと、次男がこんな風に言ったのがきっかけだった。
「ママ、ぼくじーじにさ、さよなら言ってないよ?元気になったって言ってないよ?」
入院中に亡くなった父。
次男には何となく伝えたけれど、何だかそのことにはふれられずにいた。
そしたら、急にこのセリフ。
びっくりした。
仏壇の前に座って、涙が溢れて溢れて、止まらなかった
お父さん、ひろ、元気になったよ。
間に合わなくてごめんね…
ごめんね…
次男はだまって私の横に座っていた。
じーじ、さよなら言えなくてごめんね
そうつぶやいていた。
お父さん
元気になったひろにあわせられなくてごめんね。
間に合わなくて、ごめんね。