T細胞性芽球性リンパ腫のプロトコールは、白血病の治療とほぼ同じ流れで進んでいく。

先行治療でプレドニンというステロイドの投与がはじまった。

体調の変化はなく、身体中管だらけの、酸素吸引という派手な見た目とは裏腹に、本人はのんきにDVDをみて笑う余裕すらあった。

初日、次の日は普通にバイバイしていたのに、3日目からは、主治医の先生がくるたび、

ぼく、もう元気だよ!どこもくるしくないよ、だからもうおうちに帰りたい!いいでしょ?ね!ね?

と、いい。帰り際は、

僕も一緒に帰る!

と、泣きじゃくっていた。
集中治療室からは、まだ出られない、と、医師に言われる。

この頃、自分がどうしていたのか、全然記憶がない。

いつご飯食べたのか
眠っていたのか

ただ、病院に向かう車の中、勝手にいつも涙が出ていて、本当はすごく次男に会いたいのに、集中治療室に入る前に嘔吐を繰り返していた。

でも、彼に絶対涙を見せることはしないと決めていたので、入り口では違う顔に切り替えをしていた。

ごめんね
ごめんね
ママがもっと早く気づいてあげればよかったのに。

いつも、そう思っては涙が出た