(後から思い出した事を追記しています)



忘れないうちに


思い出せるうちに


書いておこうと思います



キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ



親友さんが来てくれた


旦那にとって友達の枠を越えた


家族の様な人



18時まで数時間


旦那の右手を私が握り


左手を親友さんが握り


そうして数時間いてくれた



一瞬目を開けた時に


居るのは分かったはず



旦那、嬉しかったと思う


キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ


暖かいおしぼりで


顔をふいてあげた



長男は足を拭いてくれた



旦那の反応は無かったけど



何かやれることを探していた



眠るお薬を始めてからは


ほとんどずっと眠っていたので



この頃までは


私も長男も落ち着いて


旦那の様子を見守っていた



が、この後から


急激に苦しそうになってきた



それは、喉に唾液がたまりはじめ


呼吸をする度に


ゼロゼロと音をたてて


呼吸の邪魔をし始めてからだった



吸引してほしいと頼んだけれど


今の旦那の状態では


それをすると体に負担がかかり


逆に危ないと…



痛み苦しみを除くために


眠るお薬をはじめたけど


まだこんなに苦しむの?



もっと劇的に楽になると思っていたのに



皮下注射なので


効いてくるのに時間がかかる


と説明を受けた



しっかり効いてくれば


この苦しみも感じなくなると言うけれど…



時々目を覚まして


胸をかきむしる様に


服を掴み



眉間にシワを寄せ


苦しそうな顔



動かせないはずの体を


左右に揺らし



掠れて小さな声で


「あぁ…… …もうダメだ」と言う



早く!早く!


薬効いて!



「うん、苦しいね、苦しいね」


顔を近づけて


そんな事を言うしかできない



何も出来ない



見ていられなくて


何度もナースコールを押してしまう



来てくれるけど


時間的に薬も入れれず


やれることがない時もある



分かっていてもたまらず呼んでしまってごめんなさい


と泣きながら謝る私に


看護師さんは優しく対応してくれた



いつ薬が効いてくるのか


あとどのくらい?


聞くと


あと4時間はかかりそうだった



混乱していて


もしかしたら間違っているかも


でも


「まだ、そんなに?!」


愕然とした



唾が喉でゼロゼロと呼吸を遮ぎり


苦しくて唾を吐き出そうと


体を起こそうとする



背中を支える


ビニールを口元に添える



必死に咳き込むけど


唾も痰も出てこない



「もう、ダメだ……」


泣きそうに顔を歪め


苦しそうに旦那が言う



「もうすぐ薬が効いてくるからね


そしたら楽になるからね」


背中をさすりながら私は嘘を言う



もうすぐじゃない


まだ数時間もかかる



そんな家族としては


とても見ていられない情況を



長男は目の当たりにし


辛かったと思う



なんとか痰を出そうと


僅かな余力を出しきり


旦那は頑張って大きな咳をした



「あぁ…


オシッコが出ちゃった」



何故かオムツは


軽く上に乗せているだけで


役目を果たしていなかった…



手で押さえようと


慌てる旦那



こんなに苦しい時に


そんな事を


心配する旦那に


胸が締め付けられた



私は


側にあったバスタオルを


旦那のお腹の辺りにかけ



「良いよ


出して


全部出せば良いよ


オシッコ出て良かったね」


そう言った



どのタイミングだったか…


今思い返すと


咳をした時に


1度、臭いの強い


茶色の嘔吐物を吐いた



その一度きりで


その後は


どんなに頑張って咳き込んでも


痰も唾も出てこなかった



20時頃


次男より先に


お義父さんと弟さんが到着



オムツ替え中だったので


廊下でしばらく待ってもらった



この苦しい体調で


この弱った体で


オムツ交換…



正直、


もうオムツなんてどうでも良い


そう思った



その後少しして


次男が到着



1番苦しい時の姿を


息子達2人は


見守ってくれた



辛かったと思う



父親のこんな苦しむ姿を見せる事になるなんて


と、可哀想で


ごめんねと謝ったけれど


今となっては良かったと思う



苦し過ぎて


唾を出したくてもがく旦那



またリクライニングをあげ


体を起こした



「うん


苦しいね


苦しいね」



何もできず


泣きながら


ただただ


旦那の背中を擦る



何とか唾を出そうともがく旦那



旦那、突然


閉じていた目を


カッと見開き



歯を食い縛り


ガチガチとさせた



出したくてもどうしても出てこなかった


ゼロゼロと言っていた唾液が


口からタラリと出てきた



目を大きく見開いたまま


瞬きをしない旦那



「どうした?旦那


大丈夫?


大丈夫?」


私は必至で声をかけ続けた



隣に居た看護師さんは


ただ黙って


静かに


私と旦那の


その様子を見ていた



「これは…


…どういう情況ですか?」



側にいた看護師さんに


奮える声で聞いた



「ドクターを呼んできますね」


看護師さんは走っていった



2024年4月18日


午後9時16分


旦那は旅立ちました



長男

次男

お義父さん

弟さん



皆が揃って1時間たっていたでしょうか?


まるでタイミングを見計らう様に


逝ってしまいました



こんなことを言うと


不謹慎ですが



私は


旦那が逝って


とにかく


もう苦しくないんだ


痛くないんだ



苦しいの今度こそ終ったよ


もう本当に終ったよ



そう思うと


ホッとして



清々しささえあり



「良かったね


もう苦しくないね


良かったね」



と、泣きながらも


笑顔になってしまいました



その時は


本当に本当に良かったと思ってしまいました