囁く様にしか声が出せず


口元に耳を寄せないと


聞こえなくなった


話しても


上手く口が回らず


伝わらなくなり


筆談するようになった


頑張って書いてくれた文字を


何とか読み取る


『まくらをかって』


と書いたけど


まくらの高さ変えて


の意味だった



「nicoさん、ここどこ?」


「病室だよ」


「◯◯病院?」


「そうだよ」



よく聞く『夢と現実の間』というやつかな…?



「炊飯器買った?」


と急に聞いてきたりもした


「買ってないよおねがい


「そうか」



今日はオシッコが


1度も出なかった…



血圧は上が80


下は浮腫のせいで不明


酸素は96


飲み物を飲んだ後


茶色い痰が出た



「nicoさん…」


旦那が私に手を伸ばした


急いでその手を取り、握った


か細い、絞り出す様なかすれた声


一言一言息を整えながら


話してくれました


「たぶん…


たぶん……


これが


最後になると思う……


どうやら


良い死に方


出来そうだよ


こんなことになって


辛い思いさせて


ごめん


僕も


こんな事に


なるなんて


思ってなかったよ


本当に


ごめん


今まで


本当に


ありがとう


お世話になりました」



旦那の「お世話になりました」


が、なんだか可笑しくて


私は泣き笑いしながら


「こちらこそありがとうございました泣くうさぎ(笑)


もっと一緒にいたかったよぉ泣くうさぎ


まだもっと一緒に居られると思ってたよぉ泣くうさぎ


でも、旦那


すごい頑張ってくれてありがとう泣くうさぎ


とか言いながら


私、まだ復活するかもと


思ってるからね泣くうさぎ笑」


旦那が少し笑いました



忘れないうちにと


思い出しながらここに。


でも、他にも言ってくれた気がする


もう忘れちゃったかな私のショボい脳ミソ汗


こうして日記に残していかないと


あっという間に忘れちゃうな…泣くうさぎ