膵臓癌と闘うおはぎときなこのブログ  絶対3%に入ってやる! -31ページ目

膵臓癌と闘うおはぎときなこのブログ  絶対3%に入ってやる!

39歳で膵臓癌と告知されたおはぎとその親友きなこのブログです。
2人とも看護師ですが、おはぎは患者さんの立場になり、きなこはその家族のような立場になりたくさんのことを学びながら日々格闘しております。
きまぐれ闘病記ですがお気軽にご覧下さい。

はじめて訪問してくれた方へ

 

私たちの紹介や病気の経過は「プロフィール」にまとめてあるのでごらんください

 

 

 

 

こんにちは、おはぎです。

 

前回はがんの3大治療について簡単にまとめ、抗がん剤の副作用についてふれたところで終わってしまったので、続きを書きますね。

 

ほとんどの抗がん剤につきものの副作用。

 

どうしておこるのか?

 

これは抗がん剤という薬について説明しないとつながらないので私なりの表現で説明しますね。

 

 

 

抗がん剤はガン細胞をやっつける、というイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、残念ながらちょっと違って…。

 

簡単に言うと、抗がん剤は細胞分裂が活発な細胞に対して増殖を防ぐ作用があります。

 

 

抗がん剤は内服(飲み薬)や点滴で全身にいきわたるため、がん細胞だけでなく健康な細胞も含め全身の細胞分裂が活発な細胞の増殖を防いでしまうのです。

 

これは、がん細胞が細胞分裂が活発で異常に増殖し続けるという特徴があるためこのような作用がある薬を使っているのですが、その代償として同じように増殖が(細胞分裂)が活発な正常な細胞にまで同じように効いてしまうのです。

 

 

正常な細胞で細胞周期が早い(寿命が短い)ものほど新しい細胞が生まれ変わるので活発な細胞と言えます。

 

 

 

そもそも人間は約60兆個の細胞からできていると言われており、種類で言うと約260種類ぐらいの細胞に仕分けられます。


それぞれの細胞には寿命があり死んでいきます。自然に寿命が来て死んだ細胞はその数だけ増殖して補われます。

 

なかには、心臓を動かす心筋と脳の神経細胞のように生まれてから1度も細胞分裂しない細胞もあります。

 

*このように細胞分裂しない心臓はほぼがんになる人はいません。

 

 

 

 

では、代表的な副作用を起こす細胞にについて説明していきます。

 

 

骨髄抑制【こつずいよくせい】(主に白血球減少)

 

白血球の寿命は7〜12時間(白血球の中にある好中球)

 

血小板の寿命は7〜8日

 

赤血球の寿命は90〜120日

 

↑この時間を比べていただけるとおわかりかと思いますが、白血球は非常に寿命が短く次々と新しい細胞が作られ活発な細胞なので、抗がん剤が作用してしまう。

 

血小板も寿命が短く同様。

 

赤血球にいたっては寿命が長いので影響をうけにくい。(厳密に言うと数ヶ月単位で徐々に下がることはあります)

 

結果、抗がん剤治療をうけると白血球や血小板が減ってしまうということになります。

 

 

吐き気、下痢、便秘

 

胃や腸の表面を覆っている上皮細胞の寿命は24時間と短く、生まれ変わりが活発なため吐き気や下痢・便秘といった症状が出ます。

 

*教科書的に言うと、吐き気は脳の神経脂肪が刺激されて…、という作用があるようです。

 

 

口内炎

 

口腔粘膜【こうくうねんまく】(口の中の粘膜)の細胞周期は7〜10日と活発なため、結果口内炎という症状が現れます。(口の中が荒れてしまう)

 

 

味覚障害

 

味を感じる味細胞の寿命はは5〜20日と細胞の生まれ変わりが活発なため、味覚障害という症状が現れます。

 

 

脱毛(頭髪、まゆげ、まつげ、陰毛など全身です)

 

体毛は、毛の根っこにある毛母【もうぼ】細胞(細胞)という毛を作るもとになる細胞の分裂が活発なので結果脱毛が起こります。 

 

*厳密に言うと毛母細胞自体の寿命は長いのですが、細胞の分裂が活発だからなのだと思われます

 


皮膚や爪の障害

 

抗がん剤治療をすると顔や指など全体的に皮膚が黒ずんだり、乾燥気味になったり、爪が割れやすかったり、爪の伸びが遅かったりすることがあると思います。

 

これは皮膚の細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)が約28日、爪は1日で0.1mm伸びると言われていることから、細胞分裂がある程度活発であるためだと思われます。

 

 

 

と、代表的な副作用について説明してみましたが、教科書的に言う詳しい作用は、迷走神経や交感神経・副交感神経がどうとかこうとか、抗体が関係してるとかいろいろありますが、今回は自分なりに勝手に(苦笑)わかりやすくまとめてみました。

 

 

 

 

一般的に副作用といってもあそことあそこがとバラバラな症状をイメージすると思いますが、活発な細胞という共通点があるのです。

 

*抗がん剤の種類によって副作用の出現率や頻度、強さなどは様々です。

 

*実は副作用のしくみは完全には解明されていないと言われていることもあるみたいです。

 

 

 

 

 

 

ここからはがんの治療をしている人にとっては大変きびしいお話になってしまいますが…

 
 
抗がん剤の効果というのも実はそれほど高いものでもないようです。
 
 
では、抗がん剤の効果というのはどのように判断されるのか?
 
CTなどの画像検査でがんの大きさを計測し、次のように判断されます。(血液のがんのように大きさが計れないものは除きます)
 

・完全寛解(CR=コンプリート・レスポンス)

  腫瘍がすべて消失し、その状態が4週間以上続いている場合。 

・部分寛解(PR=パーシャル・レスポンス)

  腫瘍の縮小率が50%以上で、新しい病変の出現が4週間以上ない場合。  

不変(SD=ステイブル・ディジィーズ)

  腫瘍の大きさがほとんど変わらない場合(正確には、50%以上小さくもならず、25%以上大きくもならない場合)。

 

・進行(PD=プログレッシブ・ディジィーズ)

 

  腫瘍が25%以上大きくなった場合、もしくは別の場所に新たな腫瘍ができた場合。 

 

 

という4段階で判定し、上3つの完全寛解、部分寛解、不変だった場合には、その治療の効果があったと評価されるのです。

 

一般的に「効果があった」と聞いて「がんが治った」とイメージしてしまいがちですが、効果があったと判断されるのは3番目の「不変」までを言うのでがんが少し大きくなっても(24%まで)効果があったと判断されます。

 

がん細胞というものはものすごいスピードで細胞分裂し、増殖していくものなので「不変」であることは増殖を抑えられているので効いていると判断されるものなのだと思われます。
 
 
前回の記事でも少し触れましたが、今話題のノーベル医学・生理学賞を受賞された京都大学の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授が開発した、第4の治療と言われる免疫療法の新薬オプジーボ(ニボルマブ)がありますね。
 
すでに保険適応になっているのは、悪性黒色腫(メラノーマ、皮膚がんの一種)、肺がん(非小細胞、二次治療からのみ使用可能)、頭頸部がん(舌がん、咽頭がんなど)、胃がん(切除不能なものに限る)などで
 
膵臓癌や卵巣癌でも治験をやっているようですね。
 
 
このオプジーボ(ニボルマブ)、テレビなのどのニュースを聞いていると一見すごい効果の薬ができたんだ!と勘違いしてしまいがちですが…
 
その効果は、まだ2割程度なんだそうです。(さらに研究努力はされているそうです)
 
もちろん上で説明した効果であって、治った人の割合ではありません。
 
本庶佑(ほんじょたすく)特別教授は、長い年月をかけてものすごい努力をされてすばらしい成果があったことは事実で、本当にすばらしいことだと私は思っています。
 
ニュースの表現の問題もあるかとは思いますが、イメージが先行して勘違いをしなように自分なりに確認することも大切だと思います。
 
 
 
ここまでお話しさせてもらっておわかりになるように、そもそも今の時代、残念ながらがんの特効薬というものはありません。
 
 
でも、私が本当に言いたいことはこのような厳しい数字や効果ではありません!
 
 
抗がん剤治療を受ける方は、治癒が難しいため手術などが受けられず始める方が多いと思うので(術前術後の補助療法などを除いて)スタートの時点で大変厳しい状況にあると思います。
 
治療の目的も(私も言われたように)「治癒」(治ること)ではなく、「延命」「がんとの共存」ということが多いと思います。
 
 
ノーベル医学・生理学賞を受賞された京都大学の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授が何度もおっしゃっていました。
 
「教科書を信じるな」
 
これは今正しいと言われていることも疑ってかかれということなどだと思いますが…
 
 
例えば私は病気がわかった当初は膵臓癌の末期といわれる状態であちこちに転移していました。
 
わかっている統計上の数字では5年生存率1.4%というデータもあるようです。
 
看護師をしていた経験上からも、当時はもう長くは生きられない、と決めつけていました。
 
 
が…
 
 
でも今でも生きているんです!(もうすぐ6年になります)
 
 
統計学上ではかなりかなり確率が低いことであるはずなのですが、本当にありがたいことに生きています。
 
 
 
治療に関しては…
 
私の場合はずっと標準治療にそって治療をしてきました。
 
抗がん剤は症状などに合わせて、薬を一部減らしたり、量を減らしたりなどの調整はされてきました。(休薬などもありました)
 
主治医は、「細く長くでいいから(治療を)続けて、時間稼ぎをしながら(新しい薬)待ちましょう」と言ってくれます。
 
治療をする上で、主治医の知識や経験からうまく抗がん剤の量を調整してくれたり、症状や想いを尊重してくれたり、時には休薬することも認めてくれたりしてくれて今があります。
 
(もちろん家族や周りの人の協力や想いがあってここまで生きてこれたことも忘れてはなりません)
 
 
これは決して「みなさん絶対に標準治療をしましょう!」と言いたいわけではありません。
 
 
人それぞれ違う考え方があって当然です。
 
 
抗がん剤治療は受けない、というのも1つ
 
抗がん剤治療を受けるというのも1つ
 
まだ保険適応ではない高額な治療をするのも1つ
 
民間療法をとり入れたいと考えるのならそれも1つ
 
人が聞いたらバカにされるようなことだって、自分がいいと思ったらやってみるのも1つ
 
どれが正しくて、どれが正しくないなんてないと思うんです。
 
 
 
前回の記事「がんの治療」をリブログしてくださった「勇者なのだ」さんも書いてくださっていますが
 
ただ1つ私が願っていることも
 
 
どんな治療でも治ればいい(保険適応で)
 
 
これにつきますね。
 
 
 
風邪をひいて病院に行ったときのように、「あぁ、これはがんですね〜。お薬出しておきますねぇ〜。」
 
なぁんて言われて帰って薬を飲むだけで治っちゃう…。みたいな。
 
そんな時代が来てくれるといいですね!
 
 
 
まぁ、その頃にはまた別の命をおびやかすような病気がでてくるとは思いますが…。
 
 
 
 
 
 
では、最後に恒例の内容とは関係のない写真を。

 

一昨日10月7日にAさんと、Sさんとその子ども3人、きなこと私の7人で、愛知県の知多半島にある野間(のま)に行ってきました。

 

野間には海岸沿いにある野間灯台が有名だと思うのですが

 

 

 

 

 

 

 

それより少し内陸側に入ったところに鶴林山大御堂寺(かくりんざんおおみどうじ)通称:野間大坊(のまだいぼう)というお寺があります。

 
 
 

そこで行われている「大坊の楽市」に行ってきました。

 

楽市を楽しむ目的で行ったのですが、きなこが事前に調べたところ「特別御朱印があるってぇ!」と

 

普段はこういった御朱印がいただけるのですが(以前に行ったときのもの)

 

 

この日は特別御朱印がいただけるとのことで、御朱印集めが趣味になった私たちはちゃっかり御朱印帳を持参し、いただいてきました。

 

その特別御朱印がこちら

 

 

 

楽市の写真は撮り忘れてしまったので(苦笑)雰囲気を知りたい方はこちらのサイトをご覧ください

「大坊の楽市」

 

 

 

 

そのあとはSさんの子ども(真ん中の男の子)のリクエストで公園でキャッチボールをしたり(体力的にきびしい、苦笑)知多半島の美味しいお魚を食べたり、キラキラした海を眺めることもできて、楽しくて癒された時間を過ごすことができました。

 

 

 

 
 

日本ブログ村のランキングに参加しています。

膵臓癌の方のブログなども見ることができます。

興味がある方は是非どうぞ。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村