入院中に出会ったKさん | 膵臓癌と闘うおはぎときなこのブログ  絶対3%に入ってやる!

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39歳で膵臓癌と告知されたおはぎとその親友きなこのブログです。
2人とも看護師ですが、おはぎは患者さんの立場になり、きなこはその家族のような立場になりたくさんのことを学びながら日々格闘しております。
きまぐれ闘病記ですがお気軽にご覧下さい。

こんばんは、おはぎです。

なんだか何をするにも時間がかかります。

痛みが出るか出ないかのギリギリのところに常にいる感じで、少し動くだけですぐに痛みが出てきます。

お腹も張っていて苦しいです。


今日は、入院中に出会った方のお話をしたいと思います。

輸血をし、翌日から抗がん剤治療が始まり、締め切ったカーテンの中でただただ苦しみに耐える時間だったので、細かい記憶というか、周りのことに気がまわらなかったので、細かいことは覚えていないのですが…。

私が治療を始めて、(何日めだったのか記憶がありませんが)私は廊下側のベッドだったのですが、隣の窓側の方が退院されたんです。

あぁ、もしかしたらこれで窓側にいけるかも、なんて思っていたのですが、私の足元側の同じく廊下側にいた方が先に入院していたということで、優先順位が先で、その方が窓側に変わられました。

まぁ、仕方がないなとあきらめました。

その、空いた廊下側のベッドにすぐ新しい方が入ってくるのがわかりました。

入院というよりは、どこか違う病棟か違う部屋から移ってきた感じでした。

(全てカーテン越しの音と会話などから想像ができました)

そして、これも音からの想像でしたがあまり動けない方だなぁと勝手に想像していました。

カーテンが開く音が、あまりしなかったので。(医療者が来る時以外)

って、書きながら辛くても結構こういうことって気にはなってるもんだなぁと、今になって思います。

私もトイレに行くために起きることが精一杯だったのですが、数日が経ち、何かたまたま私がベッドから離れるかのタイミングで、その足元側の方の姿が見えたことがあったんです。

医療者である私は、大体いろんなことが想像がついてしまうところがあるので、その方を見たとき、黄疸があって、腹水が溜まっているなぁと、わかってしまいました。

そうこうしていると、もう一つの窓側の方が急に退院が決まって、夕方18時くらいに退院されたんです。

今度こそは私が窓側にいけるかも?と思って看護師に聞いてみると、明日移れますよ。との返答でした。

そして翌日、朝食を食べ終えるか終えないかという頃、足元側のベッドの方から、チャリチャリチャリーン(音の表現がおかしい)と、箸が床に落ちる音がしたんです。

あ、これは箸を落として困っているのでは?と思いました。

もちろんカーテンが閉まっているので、開けて入っていいものかすごく迷いました。

でも、きっと困っているはず!と思い、勇気を出してカーテンを開けてその方のそころに入っていきました。

「もしかしてお箸落としましたか?』と。

すると、案の定お箸が2本とも床に落ちてしまっていました。

私は、すぐにお箸をひろい、洗って渡しました。(でも、よくよく見ると食べ終わっている感じでした)

実は、この方、数日前に携帯電話か何かを落としてしまって拾えず、看護師が検温に回ってくるまでナースコールは押さずに、待っていて、看護師が来たときに拾って下さい、と言っていたんです。

そうなんです、患者は忙しい看護師に世話をかけてはいけないと、呼ぶことをためらうっていうことが往々にしてあるんです。

さいわいなことに、落とし物を拾うことでナースコールを押したとしても、この病棟は嫌な対応をするような看護師はいないと思っていました。

でも、やっぱり患者は遠慮してるんですよね。

なんか、そういうところも見ていたので私はすぐに箸を拾いにいけたんだと思います。(カーテンが閉まっていても)

そして、わたしはその後、窓側のベッドに移ることができました。

そうです、その箸を落とした方の隣になったんです。

私は抗がん剤治療を終え、数日経ち、食べたり飲んだりできないので点滴をしていたのですが、それも抜けて、やっと食欲が戻りつつある時期でした。

丁度その日はきなこが夜勤明けであったので、病院に来てもらうのもかわいそうだなぁと思っていたら、「外出しちゃう?」「一緒にお昼ねしよう!」と言われて、おっ、それいいねー、と思いすぐに外出許可をとって外出しました。

私は、またまた思い切って、外出するときに廊下側と窓側のベッドの間にあるカーテンを開けて、「私、今から外出するんで、暗いと思うのでここ開けていきますね?」と、カーテンを開けて外出しました。

その隣のベッドの方はKさんというのですが、嬉しそうな顔をしてくれました。

私も今まで廊下側で過ごしてきて、天気がいいのか悪いのか、雨が降っているのかさえわからない生活をしてきたので、やっぱり窓が見える生活の方がいいと思ったので、そこはもう勇気もいらず言えました。行動してました。

そして、夜勤を終えてそのまま病院にきなこが迎えにきてくれたので、外出しました。

と、いっても家に帰っただけなんですけどね。

この日は、きなこの旦那さんが仕事で夜いなかったので、子供達の塾の送り迎えなどがあり、早めに夕飯を食べ、病院に戻りました。

病院に戻るとKさんは、笑顔で迎えてくれました。

そしていろいろ話しかけてくれました。

病気のことも教えてくれて私と同じ膵臓癌であることがわかりました。

Kさんは去年の12月に病気がわかり、多分私と同じステージでⅣb。

最初は抗がん剤治療をしていたそうですが、肺炎などになってしまい、抗がん剤治療ができなくなってしまい、今はお腹にたまる腹水を抜くのが主な治療になっているようです。

やはり腹水がたまることが辛く、2日に1回ぐらいのペースで抜いています。

2回ぐらい抜いてもらうと、やっと少し楽になるとおっしゃっていました。

食事は1人前の3割ぐらい食べるのがやっとで、ベッドから離れるのも必要最低限の洗面とトイレが精一杯といった感じです。

直接お年は伺っていませんが、60代前半から半ばぐらいのようです。

いろいろお話をして、同じ病気の苦しみを分かち合いました。

私の医療者との会話から、看護師だったことをご存知だったそうで、いろいろ質問にもお答えしました。(もちろん私がわかる範囲内ですが)

漢方薬などの治療もしてみたいと主治医に言ったこともあるそうですが、反対されたそうです。

私は、どうして医師が反対したのか想像ではありますが、わかる範囲でお答えしました。

介護認定も受けていないとのことだったので、ベッドも月に1000円ぐらいで借りれることや、いろいろお話しました。

早速旦那様にお話してくださったようで、手続きを進めるそうです。

Kさんといろいろお話をするようになって、私は動けるんだから少しでも何かしてあげたくて、常にカーテンは開けて過ごすようになっていました。

私はいつも入院は最小限にとどめているので、同じ病室の人とここまでお話をすることはありませんでした。

もちろんKさんが、体がつらいのであまり負担にならないようにと思い、私からあまり積極的に話すようなことはしないでおこうと思いつつも、なんだかんだとよくお話しました。

消灯時間だけは、ゆっくり眠っていただこうと思い、カーテンは閉めました。

「夜中でも何かあったら声かけてくださいね」と、言いながら看護師を呼ぶのをためらうことがあれば、声をかけてくれればいいなぁと思い私も眠りについていました。

昼間でも、カーテンが開いていてもお互いウトウト寝ている時間もあったし、なんだか心配だったので、カーテンを開けたまま寝てもいいというぐらいの思いでいましたが、やっぱり眠るときぐらいは…。と思い閉めて寝ました。

いろいろ話を聞いていると、やはり病気に関しても、治療に関しても不安はある様子でした。

Kさんは、同じ愛知県内に住んではいるのですが、病院が少し遠いため近くの病院に転院する手続きをすすめていました。

でも、家に帰りたい…。とおっしゃっていました。

あれから、どうしているのか心配でたまりません。

無事に転院することができたのでしょうか…。

外出でも外泊でもいいので、少しでも家での時間を過ごせるといいなぁと願っています。

一応、往診でも腹水を抜いてもらえることもあるとアドバイスはさせていただきました。



実は、入院するときに「多分同じ病院に母がいます」とコメントを下さった「ぐーさん」が、このKさんの息子さんだったのです!

まさか同じ病室で、しかもベッドがお隣になっていたなんて全く知らず…。

私が退院する前日(だったかな?)夜に息子さんがお見舞いに来られたときに、初めてお会いし、少しお話させていただき、最後に「おはぎさんですよね?』って言われて、びっくりしました。

あまりにも突然のことで、私わけがわからない反応をしてたと思います。(汗)

なんだか今更なんですけど、いろいろありがとうございます。

お母様が少しでも楽な時間が過ごせる様、私は祈っています。

(許可もなく勝手に個人的なことを書いてしまって申し訳ありません)




実は、今日私ひとりぼっちなんです。

きなこが夜勤なんです。

きなこは病院を変わって、慣れてきて夜勤に入るようになってきたのですが、病気をしてからきなこが仕事でいない夜が初めてなんです。

厳密に言えば、きなこの子供達も旦那さんもいるんですけどね…。

でも、寂しいです。

ちょっぴり不安です。

こんな時は、楽しみにしていた梅ジュース。
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みんなも飲んでるもんね?

なんだか心強いです。


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