りょうかさんのご質問にお答えします(腫瘍マーカーについて) | 膵臓癌と闘うおはぎときなこのブログ  絶対3%に入ってやる!

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39歳で膵臓癌と告知されたおはぎとその親友きなこのブログです。
2人とも看護師ですが、おはぎは患者さんの立場になり、きなこはその家族のような立場になりたくさんのことを学びながら日々格闘しております。
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昨日、りょうかさんからのコメントで以下のような質問がありました。(一部抜粋)


ところで、よければ教えてもらいたいことがあります。
叔母の腫瘍マーカーは基準内(それも低め)でした。このタイプの癌は、大きくなったとしても、その値には表れないのでしょうか?
造影CTでは膵体部に2~3センチで転移はリンパまでです。
個人差はあるでしょうが、おはぎさんはどう思われますか?
よろしくお願いします。


と、いうことで腫瘍マーカーについて少しお話してみようと思います。


すでにご存知の方が多いと思いますが、腫瘍マーカーは、健康な時にはほとんどみられない特殊な物質が腫瘍により大量につくられ血液中に出現します。この物質を腫瘍マーカーといいます。

腫瘍マーカーの検査は、癌の可能性があるかないかの確認のために行われますが、陽性(異常値)だからといって必ず癌があるわけではなく、また逆に陰性(基準値内)だからといって必ず癌が否定できるものでもありません。

また、早期の癌では陰性(基準値内)であることもあるため、早期発見のためというよりも、癌を診断するための補助的な検査、あるいは治療をしていくうえでの経過観察(癌が大きくなっていないか、転移をしていないかなど)としての意味合いが強いようです。

膵臓癌の腫瘍マーカーで代表的なものは、

CA19-9
CEA
Span-1
Dupan-2
エラスターゼ1(膵酵素)
SLX
STN

などがあります。

CA19-9に関しては、2cm以下の膵臓癌で陽性率(異常値)は52%とも言われているそうなので、りょうかさんの伯母さまの場合は2-3㎝ということで微妙なラインなのかもしれません。(しかしリンパ節転移もあるそうなので陽性になってもおかしくないような気もします)

またCA19-9は、膵臓癌患者の70-80%が陽性であるとも言われてす。

CEAは、30-60%が陽性

Span-1は、70-80%が陽性

Dupan-2は、50-60%が陽性


CEAに関しては、長期喫煙者や加齢によっても上昇する傾向にあると言われています。

また、膵癌切除後の再発の診断や、抗癌剤治療の効果判定にはCA19-9とCEAの2つの検査結果が一般的には用いられます。

もちろんあくまでも判断材料の1つであって、他の検査(CTなど)や症状など、総合的にみて判断されます。


りょうかさんの伯母さまの場合、もう1つ考えられるのは…

血液型です。

血液型で有名なのは、ABO式血液型とRh式血液型だと思いますが、実は血液型は100種類ぐらいあるらしく、その中でもルイス式血液型という血液型があります。

このルイス式血液型が陰性の人は、CA19-9が上がらないのです。(膵臓癌になったとしても)

ルイス式血液型が陰性の人は、日本人で5-10%いるそうです。

(このルイス式血液型についての説明はちょっと難しくなってしまうので省略させてください)

そのため、ルイス式血液型が陰性の人の場合は、CA19-9ではなく、CA-50かSpan-1の腫瘍マーカーを測定し、指標とすることが進められています。



ということで、りょうかさんのご質問に関して、考えられることを書いてみました。

少しでも参考になれば幸いです。


毎度のことですが、このような質問をしていただいたことで、私も非常に勉強になりました。

このような機会を与えてくださったことに感謝いたします。


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