まず、どんなお茶を「緑茶」というのか…。
茶葉を摘み取った直後に発酵を止める日本茶全般をいうようです。
つまり、煎茶、玉露、番茶、抹茶、ほうじ茶、玄米茶などです。
日本人が一般的によく飲むお茶の代表は煎茶です。
このすぐに発酵を止めるお茶のことを、「不発酵茶」といいますが、他には、一定期間発酵させ、その後熱により発酵を止めるお茶を、「半不発酵茶」(代表的なものはウーロン茶)といい、もう一つは、完全に発酵させてから加工する「発酵茶」(代表的なものは紅茶)があります。
お茶に含まれるカテキンは、発酵が進めば進むほど失われていきます。
そのため、紅茶はカテキンが少なく、ウーロン茶よりも、緑茶はカテキンが多いのです。
では、緑茶の中でもカテキンが多いものはなんでしょう?
緑茶のカテキンは栽培方法によって、差が出てくるようです。
「煎茶」は、新芽が出てから、茶葉のつみとりまで日光を浴びせて育てます。
「玉露」は、新芽が出たら、もしくは茶葉のつみとりの3週間前から、日光をさえぎって育てます。
日光を浴びると茶葉は光合成をし、渋みの成分である「カテキン」が増えるのです。
逆に日光をさえぎると、カテキンの増殖がおさえられ、うまみの成分である「テアニン」が増えます。
そのため、「煎茶」はカテキンが多く、渋みがありすっきりとした味わいになるのです。
逆に「玉露」は、深くコクやうまみがある味わいになります。
では、抹茶はどうでしょう?
抹茶は、玉露と同じく、日光をさえぎって育てた若葉を乾燥させた「てん茶」というお茶から、茎や葉脈(葉っぱにある筋みたいなもの)を取り除いた後、石臼などでひいて粉状にしたお茶です。
日光をさえぎって栽培されているため、煎茶と比べるとカテキンは少ないのですが、お茶っぱから入れる煎茶の場合は含まれている成分の一部(7割はお茶ガラと一緒にすてられるとも言われている)だけを飲むことになるので、抹茶はお茶っぱそのまま全部(粉をとかす)飲めてしまうので、以外とカテキンは多く摂取できます。
では、夏によく飲む「麦茶」はどうでしょう?
残念ながら麦茶はお茶の葉ではなく、大麦の種子を焙煎して作っているため、カテキンは全く入っていません。だから緑茶の分類には入りません。
カテキンは緑茶の原料になる茶葉にある特有の成分なのです。
しかし、麦茶にはカテキンがないことでいいこともあって、カテキンにあるとされている利尿作用(尿がでやすくなる)がないので、夏の水分補給には適しているのです。
またカフェインも含まれないため、カフェインをとりたくない場合も良いですね。
だからといって、夏は緑茶を飲んではいけない、ということではないので誤解のないように。
(利尿作用といっても微々たるものでしょうから)
次は、ペットボトルのお茶について。
代表的なもののカテキン含有量
「お~いお茶」180mg(500ml中)
「伊右衛門」180mg(500ml中)
「生茶」246.7mg(500ml中)
「お~いお茶濃い味」400mg(500ml中)
「伊右衛門濃いめ」360mg(500ml中)
「ヘルシア緑茶」540mg(350ml中)
ペットボトルのお茶のカテキンは名前のイメージ通りな印象で、普通のものよりは濃いものが多く、ヘルシアのようにカテキンを抽出しているものは飛びぬけて多いですね。
では、急須で入れるお茶と比べるとどうなんでしょう?
結論から言いますと、やはり急須でいれるお茶のほうが、カテキンが多いようです。
(具体的な数字は様々だったので、あえて数字は出しません)
経済的にも、ペットボトルのお茶は平均30円(100ml)で、急須で入れるお茶は平均10円ぐらいなのだそうです。
では、カテキンは1日にどれくらい摂取するのがよいのでしょう?
特に基準はない、というか明らかになっていないようです。
理想摂取量は1日1gといっているものもありましたが、根拠はわかりません。
参考程度に
急須でいれて飲むのであれば、1日10杯
ペットボトルであれば普通のお茶で、5本程度
これは、なかなか飲めませんよね。
国立がん研究センターでは、緑茶は5杯以上、コーヒーは4杯といっているので、それぐらいが適当なのではないでしょうかね?
カテキンを過剰に摂取した場合の副作用については明らかにされていません。
ただ、多量に摂るとカフェインを過剰に摂取することになるので、鉄分の吸収を妨げることにもなりかねないようです。(これも大した量ではないと思いますが、貧血の治療などをされているかたは気をつけたほうがいいかもしれません)
海外では、カテキンのとりすぎで肝障害になったという報告もあるらしいのですが、これも実は因果関係は明らかになっていません。
ざっと、こんな感じです。
私の思いとしては、ニュースでお茶で死亡率が減った!とストレートにとらえてお茶をガブガブ飲むようにするというのは違うと思っています。
そもそもお茶を習慣的に飲んでいる人は、ジュースなどをあまり飲まないから、という考え方もあると思います。
ペットボトルのお茶は、添加物の問題もありますし、お茶の産地を公表していない場合もあります。
(実際には中国産なんてものもあるようです)
急須でいれるお茶にしても、農薬の問題もありますしね。
だからこそ、自分で表面的な情報だけにとらわれず、知識をそなえ、いいとこ取りをしながら、適度に摂取するのがベターなのではないかと。
また、古くから伝わっている習慣などには先人たちの知恵や経験が凝縮されていて、何かしらいいことがあるから残っているものなのだと信じています。
最後に、国立がん研究センターの調査の今回の結果では、緑茶とコーヒーのガンの死亡率の軽減はあきらになりませんでしたので、誤解されませんように。
そして、あくまでも、「お茶」「コーヒー」と言っているだけで、カテキンとカフェインの効果が死亡率をさげているとは一言も言っていません。カテキンとカフェインの効果が関係あるのかもしれないと言っているだけです。
以上ですが、長くなってしまって申し訳ありません。
はなさん、私にこのようなことを考える機会を作っていただきありがとうございました。
感謝いたします。
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