下痢止めについて | 膵臓癌と闘うおはぎときなこのブログ  絶対3%に入ってやる!

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39歳で膵臓癌と告知されたおはぎとその親友きなこのブログです。
2人とも看護師ですが、おはぎは患者さんの立場になり、きなこはその家族のような立場になりたくさんのことを学びながら日々格闘しております。
きまぐれ闘病記ですがお気軽にご覧下さい。

コメントでハマリョウさんからリクエストがあったので、早速書いてみたいと思います。

抗癌剤の副作用の1つとして下痢があります。

まず、下痢というのはどういう状態をさすのかというと、1日に3回以上の非固形便(形のない便)が出る状態のことをいいます。

化学療法に伴って起こる下痢は2種類あると言われています。

1つは

「早発性下痢」

抗癌剤投与後24時間以内に起こる下痢のことを言います。

これは腸蠕動運動が亢進するために起こる下痢です。
(腸が便を送り出すため波を打つ運動のことで、これが活発になりすぎると下痢になります)

早発性の下痢は、腹痛・鼻水・涙・よだれを伴うことが多いと言われています。

2つ目は

「遅発性下痢」

抗癌剤投与後、数日から2週間たってから起こる下痢のことをいいます。

これは抗癌剤によって、投与後数日で、消化管粘膜の障害が起こることで発生します。
(腸の絨毛〔じゅうもう〕というひだが萎縮(ちぢむこと)脱落(落ちてしまうこと)によっておこるのです)

そして骨髄抑制(白血球・好中球の減少)の時期と重なり、腸の粘膜に障害が起こることで発生します。



ここで、腸の働きについて簡単に説明しておきます。

簡単に言うと、小腸は栄養分を体内に吸収し、大腸は水分を吸収します。

便は通常、大腸に25-72時間停滞し、その後便として排出されます。

小腸から送り出された便は、栄養分を吸収するだけなので大変水っぽい状態です。

その便は大腸の絨毛(ひだ)が水分を吸収することで徐々に固くなっていき、同時に蠕動運動(波をうち送り出す)によって最終的に形のある便として排泄されるのです。

下痢は、この大腸の運動が活発になりすぎることで、水分が十分に吸収されず、しかも早く送り出されてしまうため、水分の多い形にならない便が出てしまうのです。

このため、下痢が多い場合は体に必要な水分が吸収できないため、脱水になってしまうのです。

もっともっとひどい下痢の場合は、小腸での栄養分の吸収が足りなくなるため、栄養の補給も必要となってくるのです。(点滴など)




抗癌剤による下痢の発現率は

TS-1が、18.7%

フォルフィリノックスで使われている5-Fuが12.3%

と、言われています。



下痢になった時の食事

・温かいもの
・柔らかいもの
・消化吸収がよいもの
・脂肪が少ないもの
・繊維質が少ないもの

を、摂取するのが良いと言われています。

逆に避けたほうがよいもの

・牛乳、乳製品
(腸は酸性であり、乳製品を摂ると酸性に傾きやすいため)
・香辛料を用いた食品
(刺激が強いため)
・アルコール
(蠕動運動が活発になるため、胆汁が作られにくくなるため)
・果汁飲料
(糖質の吸収不良が起こるため)
・カフェインを含む食品
(交感神経を刺激して、蠕動運動を活発にさせると言われている)

と、言われています。


下痢止め、整腸剤について

早発性下痢(24時間以内)に対しては

ロートエキス、ブスコパン、トランコロンが代表的な薬です。

遅発性下痢(数日から2週間以降)に対しては

蠕動運動を抑えるもの
ロペミン、コデイン、モルヒネ

腸内の異常発酵を防止するもの
ラックビー、ミヤBM、ビオフェルミン

が代表的な薬です。

薬の価格は、どれも50-60円程度で高価なものはありません。


対処方法については、

・お腹を温める
・安静にする
・お腹を圧迫しない衣服を着用する

ぐらいしか、教科書的にはのってません。



以上ですが

なんだか、吐き気止めに続いて今日もちょっと難しい内容になってしまったかもしれません。


ご質問やリクエストなどあれば、遠慮なく「コメント」や「メッセージ」をいただければ、私でわかる範囲の回答をさせていただきます。




ここからは余談です。

今日はハマリョウさんからのコメントをいただいて、根拠のない適当なことは書けないと思い、自分が今ある知識以外にも何か勉強できることはないかと、医学書が売っている名駅(名古屋の人は名古屋駅を省略して「めいえき」と呼びます)の本屋さんに行きました。

私は完全なる車人間(意味不明)で、電車など公共交通機関を利用することは滅多にありません。

その私が、たまには電車で行ってみようと思い、今日は最寄りの駅まで自転車を走らせ、電車に乗って(何年ぶりだろう?記憶にない)名駅まで一人で行ってきました。(きなこは大変驚いていました)

散々いろんな本を立ち読み(こら)してみましたが、抗癌剤の副作用である下痢に関してはどれも同じような内容で、「欲しい!」と思える本はありませんでした。

最近、いろんなことを勉強すればするほど思うのですが、癌に関すること、抗癌剤の副作用に関すること、まだまだ解明されていないことがおおすぎて、なんだか行き詰まります。

それでも、年月をかけて開発されていることもあるので、今は闘いながら待つしかありませんね。


最後に、ハマリョウさん。私にこのような機会を与えてくださってありがとうございました。


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