吐き気止め | 膵臓癌と闘うおはぎときなこのブログ  絶対3%に入ってやる!

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39歳で膵臓癌と告知されたおはぎとその親友きなこのブログです。
2人とも看護師ですが、おはぎは患者さんの立場になり、きなこはその家族のような立場になりたくさんのことを学びながら日々格闘しております。
きまぐれ闘病記ですがお気軽にご覧下さい。

抗癌剤治療をするにあたって、吐き気止め、専門用語では制吐剤(せいとざい)といいます、が処方されます。

私の場合は「プリンペラン」という吐き気止めの内服が処方されています。

抗癌剤投与後、一番辛い3日ぐらいは、水分もなかなかとれず薬はほとんど飲んでいません。

ということで、プリンペランも内服できません。

なんとか飲めていた頃もありましたが、はっきりいって全然効きません。

やっと食事が摂れるようになって、薬も内服できるようになるのですが、もうそうなるとすぐに食事もそれなりに食べられるようになるため、吐き気止めも必要なくなります。

でも、吐き気止めは毎日処方されているため、一応飲んでいました。




が、よくよく調べてみると(おそっ)、このプリンペラン(吐き気止めにはいろんなタイプのものがあるんですけど)胃腸の動きを活発にし、食べ物を胃から腸へと送り出すのを助ける作用があるんです。

元気になると、食事以外にもおやつを食べたり食欲が旺盛になるんです。

ふと、思いました。

これって、プリンペランの作用があるからか???

と、いうことでプリンペランを内服するのをやめてみました。(通常なら勝手に投薬をやめてはいけませんよ、あくまでも自己責任で)



結果、気のせいかもしれませんが食欲が普通(?)になった気がします。

お菓子とか前ほど食べないようになりました。食事の量も少し減ったような気がします。(もちろん体重が減るほどのことはありません)

病気がわかる前、腹痛に苦しんでいる頃は、20kg近くやせてしまったのですが(もともと太っていました)、その後順調に体重が戻りつつあって、そろそろセーブしないといけないなぁというところまできていました。

多分、10kg近く戻っています。

吐き気で苦しい時には飲めない。(というか効かない)吐き気がなくなれば、食欲が増進する。(あくまでも個人的な印象です)

もうプリンペランはやめて、もっと抗癌剤に対して効く吐き気止め処方してもらおうかな…。

と、思う今日この頃でした。


私の食欲がある話なんて何の役にも立たないので、吐き気止めのこと少し書いておきますね。

まず、吐き気について。

がん化学療法中に起こる悪心(吐き気)嘔吐は、発生時期、原因によって3つに分類されています。

・急性悪心・嘔吐→がん化学療法開始から24時間以内に発生するもの

・遅発悪心・嘔吐→24時間以降に発生するもの

・予期性悪心・嘔吐→治療開始前から発生するもの(治療に対する不安や、前回の治療の経験で悪心・嘔吐を経験していることから、強い緊張感をもつことで発生する)


この原因にあわせて吐き気止めが処方されます。

3つめの予期性悪心・嘔吐は簡単に言うと、精神的なものなので吐き気止めではなく、気持ちを穏やかにする安定剤のようなものが処方されます。(代表的なものだとノバミンという薬です)


次に吐き気止め(制吐剤)ですが、まず抗癌剤は薬によって吐き気を起こしやすいものから起こしにくいものまで、4段階で分類されています。

ちょっと専門用語を省略して簡単に書きますと、「高度」「中等度」「軽度」「最小限」の4つのリスクに分類されています。

「高度」は悪心・嘔吐の発生頻度が90%以上

「中等度」は30-90%

「軽度」は10-30%

「最小限」は10%以下

膵臓癌の標準治療で使われているものでいいますと、

TS-1の内服は「軽度」の分類になります。

ジェムザールは「軽度」

フォルフィリノックスは「中等度」

アブラキサンは「軽度」

です。

この4段階の分類に合わせて吐き気止めが点滴されたり、内服が処方されたりします。

「軽度」の場合は、「デカドロン」を処方することが進められています。

「中等度」の場合は、点滴前に「イメンド」を内服。「カイトリル」を内服か点滴。「デカドロン」を点滴。

2日目、3日目に続けて「イメンド」を内服。

2日目から4日目まで「デカドロン」を内服。

上記以外にも吐き気の状態に合わせて、いろんなタイプの吐き気止めを処方してもらえることもあると思います。

これは、医師の知識や経験によって薬のレパートリーが左右されるのではないかと推測されます。



ここからは、興味がある人のために薬の作用について書いておきます。

「イメンド」
吐き気の強い抗癌剤に対して予防的に用いられる。急性嘔吐(24時間以内)と遅発性嘔吐(24時間以降)の両方に有効。「デカドロン」「カイトリル」と一緒に内服すると優れた効果を発揮する。

「デカドロン」
長期間型の強力なステロイド剤。抗癌剤による消化器症状に有効。
(ステロイドはいろんな効果がありますが、ここでは吐き気止めの効果を利用する)

「カイトリル」
急性嘔吐(24時間以内)の吐き気に大変よく効く。

「アロキシ」点滴
急性嘔吐(24時間以内)と遅発性嘔吐(24時間以降)の両方に有効。

「プリンペラン」
弱った胃腸の動きを活発にし、食べ物を胃から腸へ送り出すのを助ける。


ついでに

参考程度に薬の値段(この値段から保険によって3割負担などとなります)

「イメンド125mg」 約5000円
「イメンド80mg」 約3400円

「デカドロン0.5mg」 5.6円
「デカドロン4mg」 37.8円
「デカドロン3.3mg」点滴 約188円

「カイトリル1mg」 約628円
「カイトリル2mg」 約1177円
「カイトリル1mg」点滴 約1780円

「アロキシ」点滴 15000円

「プリンペラン」 6.4円

と、こんな感じで抗癌剤の副作用の吐き気に対する薬は大変高価なものが多いです。(ジェネリック薬品があるものもあります)

抗癌剤による吐き気は通常3-4日で軽減すると言われてますので、強い吐き気止めは(イメンド、デカドロンなど)は、6日以上処方されることはあまりありません。

吐き気が強い方はあきらめずに、薬をいろいろ試してみる価値はあると思います。

イメンドなど高価な薬は医師が患者さんの負担を考えてすぐには処方されなこともあると思うので、試したい方は「高い薬でもいいです」と言ってみるのもいいかもしれません。

もちろんお財布と相談ですけどね。

あとは、膵臓癌以外の病気もある方などは、医師が意図的に処方してない場合などもあります。

とにかく、吐き気でどの程度辛いのか、なんとかしてほしい、など遠慮せず医師に相談してみてくださいね。

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