「経過13」で書いた腹水を抜くための入院(2014年1月29日)をする少し前にハワイ旅行に行っていたので書いておこうと思います。(大切な思い出なので)
普段から大変お世話になっているY先輩とO先生はいつも私のことを気にかけてくださり、「どこか行きたい所はないの?」と聞いてくださったのです。
きなこも同じようなことを私によく聞いてくれて、私は「死ぬ前にハワイには行っときたいなぁ」(もちろんすぐに死んでしまうつもりはなく、元気なうちにという意味で)と答えていました。(何度か行ったことがあり好きだったので)
それを伝えてくれて、Y先輩とO先生が、私たちを連れて行ってくださることになりました。
2014年1月10日から4泊6日のハワイ旅行です。(入院の2週間前)
もちろんこの時点では腹水がたまっていることも知らず(後から考えると結構お腹は張っていました)、入院も決まっていませんでした。
通常、海外旅行はパスポートとお金があって、旅行の支度(着替えなど)さえすれば行けますよね?
ところが癌患者(全員ではありません)の場合は、そうはいかないのです。
1つ目
私の場合は、医療用麻薬を服用していたので「麻薬携帯輸出許可書」(往路)と「麻薬携帯輸入許可書」(復路)を日本語・英語各1通ずつ持って行かないといけないのです。
これを取得するためにまず、医師の「診断書」が1通(麻薬の施用を必要とする理由、処方量、服用量、携帯する総量など)と、「麻薬携帯輸出許可申請書」「麻薬輸入許可申請書」(携帯する麻薬の品名・数量、出入国の理由、施用を必要とする理由、出入国の期間、港名など)を自分で記入して、管轄する地方厚生局の麻薬取締部に提出し(2週間前までに)、許可書を発行してもらわないといけません。(この申請書は、病院でもらえる場合もありますし、厚生労働省 地方厚生局 麻薬取締部のホームページからダウンロードできます)
この地方厚生局というのが、私の場合は愛知県に住んでいるので名古屋市にあって比較的行きやすいのですが、管轄が愛知県、静岡県、三重県、岐阜県、富山県、石川県となっているので、名古屋から遠いかたは大変だと思います。
実際に厚生局に行くと(初めてでした)、まず建物に入るのに紙に住所や名前など身分を書いて、ゲートを通過するパスみたいなものを受け取ってからでないと、入れなかったのです。(厳重)
そして麻薬取締部というのが建物の中でも一番奥にあり、なんだか薄暗くて、入り口のドアもナンバーロックで厳重に管理されていて、何も悪いことはしてないのになんだか少しドキドキしました。(怖い人が出てくるんじゃないかと…。)
インターホンを押して要件を伝えると、中から男性が出てきたのですが、優しく対応してくれたので安心しました。
その後数週間で(1度問い合わせの電話がありましたが)許可書が自宅に郵送されてきました。(郵送でも、取りに来ても、どちらでもいいと言われました。)
2つ目
私の場合、膵臓癌になったことで2次生の糖尿病があったので(血糖が高い)インスリンの自己注射をしています。
そのため荷物の中に注射の針を入れて行かないといけなくて、荷物検査にひっかかる可能性があったのです。(危険物とみなされる可能性がある?)
そこで糖尿病を診てくださっているN医師が、針が必要な理由や、容量、回数などを書いた(英語でも)書類を作ってくださいました。
結果
旅行出発日、両方の書類を持参し、まずは空港で出国のための手荷物検査を受け、ゲートをくぐり、その後出国審査の窓口(?)に行く前の所に、案内所みたいな雰囲気のカウンターがあり、そこにまず「麻薬携帯輸出許可書」を提出しました。
すると、明らかに新人さんっぽい若い女性が一人いるだけで、書類を提出してみると、明らかに初めての対応で、分厚いマニュアルみたいなものを一生懸命ペラペラめくり、全然ことが進みませんでした。
「書類はこれだけですか?」と言われたので「はい」と答えると、「医師の診断書はありませんか?」と。「医師の診断書は厚生局に提出しました」「その後この許可書が発行されたんですけど?」と、言ってもらちがあかず、あーでもない、こーでもないと一人でずっと悩んでる様子。
しびれを切らして、「薬は見せたほうがいいですか?」と聞くと「あっ、そうですね…。」と。
本当は見せなきゃいけないのか、見せなくていいのかもよくわかりませんでしたが、確認してもらい、時間ばかりが経つ始末。
たまたま、きなことY先輩とO先生は、先に出国審査を受けて私がいる場所まで戻ってくることができず、遠くのかろうじて見える隙間から心配そうに見つめてる…。
私は、首をかしげてアピール。
15分か20分ぐらい経った頃でしょうか、ようやく自分ではダメだと判断してくれて、電話で上司か先輩風の男性を呼び出してくれました。
その人曰く、持ってきた書類を空港の中にある、なんとか(名前は忘れてしまいました)という場所に、提出して(出国の荷物検査に入る前に)、何かもう一つ許可書みたいなものを作成してもらってから入るものだったのだと。
そんなこと、どこにも書いてなかったし、誰にも言われていない…。(納得できない)
しかもその場所は14時くらいに閉まってしまうとのこと。(夜の出発便なのでそんな時間に空港にいるはずがない)
結局、旅行にいってる間に書類は作っておくので、「麻薬携帯輸出許可書」のコピーをとらせてくださいと、言われました。
そして、「帰ってきた際、税関検査する人に、この件をを伝えてください。必ずわかるようにしておきますから。」と。
結局その書類なくても出国できるんじゃん!帰りに渡すって意味がわかりませんでした。
私の印象では、この書類を提出する人があんまりいないんでしょうね。
癌患者で、医療用麻薬で痛みのコントロールしながらでも海外旅行する人はいますよ!!!(誰に向かって言ってる?)
2つ目のインスリンの針は、何事もなく荷物検査は通過したので、誰にも見せることはありませんでした。
長くなってしまったので、続きは次に書きますね。
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