紫外線の影響

米国皮膚科学会では、肌の老化の約80%が紫外線による影響だと考えられている。紫外線を浴びた結果、肌が乾燥し、シミ、しわ、たるみへと肌の老化が促進される。裏を返せば、紫外線対策をきちんとして、適切なスキンケアをしている人は肌が若い。

 

UV-AとUV-B

紫外線にはUV-AとUV-Bがある。紫外線といえば夏が特に強いイメージがある。UV-Bは確かに7月~8月が特に強く冬になると一気に減る。一方、UV-Aは4月~9月まで強く冬になっても半分程度にしか下がらない。要するにUV-Aに関してはUV-Bよりも変動が少なく年間を通して気を付けないといけない

 

UV-Aは、地上の紫外線の約9割を占め、真皮中層にまで到達する。買い物や、洗濯物干しなどの日常生活で、またガラス越しに長い時間浴び続けることで、サンタン(皮膚の黒化)を起こし、シワやたるみの原因に

 

UV-Bは、エネルギーが強い。主に表皮にダメージを与え、直接、細胞の遺伝子を傷つける作用がある。いわゆる日焼け(サンバーン・・・皮膚が赤く炎症を起こす、サンタン・・・皮膚が黒くなる、そしてシミ、そばかす)を起こす。また、肌がごわつき、肌あれ状態に。

 

曇り空でも油断は禁物

紫外線は晴れの日はもちろんであるが、曇りの日もふりそそいでいる。薄曇りの場合は、快晴時の8割~9割曇りの場合でも快晴時の6割。そして雨の場合快晴時の3割である。紫外線の強さは地域、季節、天候、時間、標高、環境などに作用されるため、たとえ曇りの日でも太陽の真下に雲がない状況下では、快晴時のような紫外線量になることもある。

 

サンケア指数SPFとPA

SPFはSun Protection Factor の略。UV-Bの防止効果を表す数値である。赤くなってヒリヒリする日焼け(サンバーン)を起こすまでの時間を何倍にのばせるかの目安。SPF10 20 30 40 50 50+ と数字が高くなるにつれ防止効果も高い。

 

PAはProtection Grade of UV-A の略で、UVAPF(UVA Protection Factor of a Product の略)の値を目安に+の数でUV-A防止効果を表したもの。UV-A照射後、2~24時間に生じる皮膚の即時黒化を指標にしたものである。

 

PA+・・・効果がある

PA++・・・かなり効果がある

PA+++・・・非常に効果がある

PA++++…極めて高い効果がある

 

 

日焼け止めの選び方

生活シーンに合わせた日焼け止めの選び方として、SPFの数値やPAの+の数が少ないものは、散歩や買い物などの日常生活で、リゾート地など紫外線の強力な場所では最高値であるSPF50+ PA++++を選ぼうなどと言われているが、私は、普段でも晴天時はSPF50以上、PA++++を使っている。

 

真夏の炎天下であれば、海や山、リゾート地でなくとも、屋外であれば、かなり強い紫外線を浴びているのではないかと思う。一応最善の対策をとっておこうというものである。また、肌タイプによって、同じSPFでも効果が違う。肌の色が白く、日焼けすると赤くなってしまう私のようなタイプは高めのSPFを使うことが望ましい。

 

雨の日や、夕方薄暗くなってから外出する場合はSPF30くらいのものにしたり、UV-Aは年間それなりの紫外線量があるため、冬でもPA+++以上にしたりする。私は、実際の季節の紫外線量を考慮しつつ、場所よりも天候を重視している。(場所も重要な時がある。新雪の紫外線の反射は強く、雪国ではもちろん、スキー場では注意を要する)

 

著名な博士の美容科学セミナーに参加した際に、博士が世の中で言われている生活シーンにあわせた日焼け止めの選び方に懐疑的であり、できるかぎり高いSPFの商品をつけることが望ましいと話していたのが印象的だった。日焼け止めの塗り方もすりこまず、肌の上に薄いフィルムを作る感じにする。多少白浮きしても数分で目立たなくなるため、とにかくたっぷり塗るようにとのことだった。

 

一般的には2~3時間おきを目安に塗り直すことが推奨されているが、1時間おきに塗り直すのがベストらしい。それはなかなか難しいが、そこまですると完璧に近い紫外線対策なのだろう。

 

博士の講義からも私の日焼け止め選びは、まちがっていなかったのではと思う。これからの季節UV-AもUV-Bも高くなる。特に、日焼けして赤くなりやすい人は、レジャーやリゾート地ではなくても晴天の日はSPF50もしくは50+、PA++++がおすすめである。