有休を取って、警察署の生活安全対策課に行きました。受付で言われた通り2階の生活安全対策課の前に行くと、部屋の中から女性の泣き声と男性の責めるような口調が聞こえました。何事だろうと思いながらソファーに座って待っていると、やがて女性が出てきて、中から私の名前を呼ぶ声が聞こえました。
そこはテーブルと2脚の椅子があるだけの狭い空間でした。私を出迎えたのは初老の男性でした。
説明が難しいと思っていたので、あらかじめ話す内容を整理して臨みました。私はコンピューターやネットワーク、セキュリティに関しては人並みよりも知識があると思うのですが、警察官は何も分からないかも知れないので、何も分からない人向けの説明を含めて、私が困っていることをどういう順番でどう伝えるかを準備して行きました。
まずはその内容を男性に伝えて、次に男性からの質問に答える形で会話は続きました。はじめは何度も繰り返される同じ質問に丁寧に答えていたのですが、どうやら男性は私が悪いことにしたいようで、いくら説明しても曲解するし、私の説明を聞いても理解できないか、あるいは理解する気がないように思えました。これでは埒が開かないと思い、私は作戦を変えました。
「そこまで言うのなら、きっとネットワークやセキュリティについて相当お詳しいのでしょうね? では、私にコンピューターについて説明してください。ネットワークやセキュリティに関してでも良いですよ。どうぞ。」
私が無言で男性を見つめて待っていると、男性は私の話を聞きながらメモしていた紙に目を落とし、こう言いました。
「うーん、犯罪の臭いがしますね。」
態度急変です。突然、犯罪の臭いがし始めたのでしょうか? それとも遂に言い返せなくなっただけでしょうか? 謎です。
そこから男性の態度はガラリと変わり、サイバー対策課の電話番号を教えてくれました。このとき初めてサイバー対策課という存在を知りました。また、男性は、「何かの役に立てば」と言って、ピーポくんのステッカーをくれました。
それから少しして、私は公衆電話を使ってサイバー対策課に電話をしてみました。生活安全対策課から紹介を受けたこと、私が困っていることを伝えました。サイバー対策課というぐらいなので、ネットワークなどの初心者向けの説明は省きました。
が、証拠として示せるものがなければ受け付けられないようでした。サイバー対策課には、ものすごい数の「スマホが漏れてます」の相談が来ているらしく、それを少しずつ対応してはいるものの解決に至っておらず、中には単なる勘違いも含まれており、かなりの待ち状態が発生しているそうでした。そのため、もうこれ以上はノーサンキューという感じで、電話口の警察官からはウンザリしている様子がありありと伝わってきました。
自宅に戻り、ステッカーのピーポくんと見つめ合いました。
ーー私はコレをどう活用すれば良いのでしょうか?
使い道が、まったく分かりません。
何かの役に立つのでしょうか?
あれから10年以上が経ちました。警察に相談しましたが、私は未だにクビにはなっていません。
サイバー対策課にはその後また電話をし、「SNSやブログはやらず、十分注意して生活するように。」とアドバイスを貰いました。
でも始めちゃいました、このブログ。なぜか? 埒が開かないからです。