もう 1年前の話だが、仙台に来て早々に隣の研究室で捏造騒動があった。

 

10年ほど前に博士号を取って卒業した外国人が最近発表した論文に画像の切り貼りの捏造が見つかったと。

そこで、過去に発表した論文を調査してみたら、博士論文の元となる論文にも同様の画像の切り貼りが発見されたらしい。

その結果、その外国人の論文は取り下げられ学位は取り消しになり、出身研究室の研究主宰者であり論文の責任著者である准教授さんは1年間の科研費受給資格停止となった。

 

捏造をした本人は今国に戻っていて何をしているのか分からないが、処分を受けるのは当然の報いである。

准教授に関しても、他の論文では不正は見つかっていないのであくまで一人のトリックスターに巻き込まれた事故ではあるが、論文の責任著者だし指導者という立場でもあるので処分は致し方あるまい。

 

だが問題はここからである。

 

昨今の大学の研究室は、運営費削減と競争的資金の導入によって、外からの研究費がなければ電気代すら払えないという状況である。

当然准教授の研究室は開店休業状態となってしまうのであるが、何ら罪のない在籍中の学生さんが全く面識のない10年前の卒業生のせいで研究をできないという状況はあまりにも不憫なので、同じ学科内で実験機器や試薬、電気代などの費用を負担している植物育成チャンバーや実験スペースを融通してあげたり…

 

捏造した本人とは全く関係のないところで、その研究室の学生さんだけでなく、周りの研究室にもしわ寄せが来るという何とも理不尽なことになるのである。

 

いやはやなんとも…

 

しかしまぁ、よく考えると、今回の捏造論文の責任著者である准教授は巻き込まれただけとはいえ1年間の科研費受給資格停止、有名どころでは東大や名大で複数の捏造論文を発表した人たちは5年間の科研費受給資格停止だったが、外部資金雇用のポスドクの場合にはそもそも科研費申請資格がなかったりするので、ポスドクは存在自体が捏造よりも罪が重いってことか…?

 

捏造で処分されても研究室を主宰していれば一応少ないとはいえ運営費は出るしなぁ〜...

(そういえば名大の捏造事件で処分を受けた教授は科研費受給資格停止中なのに、研究費が潤沢にある理研に籍を移して実質無罪放免という状況だしなぁ〜...)

 

以前も書いたが、ハラスメントで処分された人が減俸10%と言われても、俺より貰ってるやん!ってこともあるので、何かいろいろ歪んでいる気がするよ。

 

なんだかね~。

 

P. S.

だいたい研究不正や捏造を発見しても、内部でそれを告発すると揉み消されて告発者の立場が悪くなるか、公式に処分が決定されて廻り巡って研究費が減って研究環境が悪くなるかのどちらかなので、モヤモヤして本当によくない。

 

てか、捏造するなよ!