花粉症で目がシバシバ、鼻がジュルジュル、風が強くて目が痛い!

強風で電車は一部本数を減らして運転だったし、雪は舞ってるし、差し歯は抜けてるし、低気圧性頭痛でロキソニンを投入して、HPがやたらと低い1日であった。

 

さて、先日AppleシリコンのM3 MacBook Airについて書いたので、ついでに最新のパソコンチップ事情について雑な解説をしてみようと思う。

 

パソコンは、大きく分けるとデスクトップ型とノート型があり、ディスプレイ、本体、キーボード、マウスが付いている。

パソコン本体には、CPU、メモリ、ストレージが入っていて、それがパソコンのスペックを決めている。

一般的にはCPUは演算装置のことで頭脳、メモリは作業をする机の上、ストレージは机の引き出しに例えられる。

 

CPUは半導体の集まり(集積回路)で、以前は「ムーアの法則」で「集積回路あたりの半導体の数は2年毎に2倍になる」と言われていた。

回路が細くなればなるほど、半導体間の距離が短くすることができ、集積回路あたりの半導体の数を増やして複雑化させることができ、省電力、高性能がもたらされてきた。

しかし、ここ数年、5 nm、3 nmと回路の超微細化が進んで原子レベルに近づいてきたので、CPU性能は頭打ちになってきた。

例えば、動作周波数(クロック数)でいうと、ここ数年は3GHz前後で頭打ちになっている。

 

 

じゃぁ、パソコンの性能はもう進化しないんじゃないかという気もするが、トレンドはクロック数からマルチコアへ、さらにSystem On Chipへの時代である。

 

この2点について譬え話で解説してみよう。

 

(1)クロック数からマルチコアへ

クロック数が頭打ちになってきたというのは、例えるとするならば、寿司職人が寿司を握るスピードが限界に近づいてきたということである。

2010年くらいまでは寿司を握るスピードを上げるために熟練した寿司職人の養成に力が注がれてきたが、もはや寿司職人が寿司を握るスピードは限界に近づいてきたので、寿司職人を複数雇って分けて寿司を握らせているのがマルチコアである。

 

ちなみに、GPUやNeural Engineと呼ばれるものはグラフィクスや機械学習に特化したチップのこと。

決められた仕事や単純な計算を素早くやるチップで、ご飯を炊いたり皿洗いや片付けをしたりするアルバイトをたくさん雇っているという感じ。

分業を進めて大人数で寿司を握って、トータルでできる寿司を増やしているのが、最近のチップの一つ目の進化である。

 

 

(2)もう一つのトレンドはシステムオンチップ(SoC)である。

以前は、CPU、メモリ、HDDやSDカードなどの記憶装置がそれぞれ別個に存在して、ケーブルで繋いでいたのだが、スマホの登場あたりから、それらをまとめて一つの基盤の上に配置するようになった。

したがって、あとからメモリを増設したり、SSDの容量を増やしたり、外部GPUを繋げてスピードを上げるということは難しくなったわけだが、一方で、それらが一体化して高微細化された配線で繋がることにより、CPUとメモリ、記憶装置間でのデータのやり取りが格段に素早くなった。

数cmのケーブルよりも数nmで繋がっている方がはるかに近いのは想像に難くない。

 

これまでは、バイクで寿司を届けていたものがカウンター越しに客とやり取りできるようになったようなものだ。

寿司屋の大将がまな板で寿司を握り、片付けて、バイクに乗せて客の家まで運んでという行程が、まな板で寿司を握ってすぐに目の前の客に出せるようになったのだから速いのは当たり前だ。

 

その他にも、CPUとメモリ、SSD間の距離が密接になり、データのやり取りが速くなることで、SSDをメモリのごとく頻繁に使うことが可能になった。

寿司職人がまな板の上で寿司を握って置き場が足らなくなったら、目の前のカウンターやテーブルに仮置きすることができるようになったようなものだ。

 

MacOSは以前から頻繁に仮想メモリやキャッシュファイルをSSDやHDDなどの記憶装置に仮置きし、その影響で動作が遅くなることも多かったのだが、互いの距離が近くなったので、そのストレスがなくなった。

MacBook Airの8 GBメモリが体感12 GBメモリくらいに感じられるというのは、CPUとメモリ、SSDの連携が密になったことによる。 

 

SoCでは、互いの距離が近くなったので、小型、高性能、軽量、省電力化できるのがメリット。

もっとも電力を使って 1 TB以上の大容量メモリや大量のGPUをぶん回す力技で仕事をしたい人には向かないのだけれど...

 

というわけで、AppleシリコンのM3チップの凄さは、頭脳の速さというよりも、寿司職人の多さと客との距離の近さである。

 

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そろそろ新学期が始まって新入生など、新しいパソコンを購入しようと考えている人たちもいることでしょう。

 

どのパソコンを買ったら良いか?

どういったスペックのパソコンを購入したら良いか?

 

学生さんなら、先生や大学が推奨しているスペック以上のものにしましょう。

 

あとは目的次第で、ゴリゴリ3Dグラフィクスやデータ解析、動画編集をやるのであればハイスペックなものを選ばなければならないが、一般的な文章、プレゼン、表計算のオフィス作業、ブラウジング、動画鑑賞、オンライン授業やzoom会議用途であれば、普通のパソコンで大丈夫。

 

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個人的にオススメは、

 

まず、OSはWindows 11かMacOS

ChromeOSやLinux、タブレットOSでもありといえばありだが、パソコンに詳しくなければちょっと不便。

iPadなどのタブレットはできることが限られている。

学生さんであれば、日本の大学はほとんどMicroSoft社とOffice 365のライセンス契約をしているので、Officeはついていなくて可。

 

CPUは、WindowsであればCore-i5あるいはRyzen-5以上、MacであればAppleシリコンのMシリーズ。

CerelonなどのモバイルPCはお勧めできない。

Intel版AppleのMacの中古も現時点では動作するが、いつまでOSがサポートされるかわからないので不可。

 

メモリは、最低8GB。

長く使うつもりだったり動画編集などを考えているのであれば16 GBあったほうが無難。

 

ストレージは、クラウドを活用したりアプリを最低限にすれば128GBでもなんとかなるが、最低256 GB。

余裕をみて512GB SSDが無難。

ゲームをする人によると、最近は1タイトルで数十GBというものも珍しくないらしい。

今のOSは仮想メモリや一時的なキャッシュファイルをストレージに置いて読み書きに使うので、読み書きのスピードが遅いHDDではなく、SSDであることがマスト。

 

結論は、AppleシリコンかCore-i5かRyzen5以上のCPUで、最低8 GBメモリ/256GB SSD、できれば16GBメモリ/512 GB SSDがおすすめ。

 

ガンバレ、新入生!