2024年の正月は、元日の能登半島の震災と2日のJALと海保機の炎上事故で悲しい幕開けとなりました。
犠牲者のご冥福と被災地の1日も早い復興を願わずにはいられない。
能登半島の震災では1週間経った8日になっても行方不明者が急に増えていた。
支援物資の輸送どころか状況の把握もなかなかままならない様子だ。
一部では「捜索や支援が遅い」という批判もあるようだが、正月、冬の北陸、崖と山に阻まれた半島の先っちょという特殊な条件で、外野がとやかく批判することではないだろう。
今回の震災はちょっと不運が重なっている。
震災直後から避難所でも食糧が足らないといった情報が発信されていたが、食糧も援助も瞬間移動はできないわけで、3日分くらいは避難所にストックが蓄えられているべきである。
おそらくそのくらいの量は保管されていたのだろうが、正月で帰省していた家族や親戚が多く、普段の数倍の人口が被災してしまったので、食糧や飲料水が全く足りていないのであろう。
誰のせいでもないよなぁ〜。
帰省していた家族まで含めると、実際のところ何人被災したのかもよくわからない。
耐震性の弱い古い家が多く、倒壊した家屋を火災が襲ったり、津波が襲ったりした。
渋滞、道路の崩落、土砂崩れで陸路が使えず、海底の隆起で港も使えず、なかなか現地に辿り着けない。
余震も続いており、山や崖が多く、二次災害を避けながら慎重に救助や援助活動を行う必要がある。
この辺りの事情もなかなか救助や支援が進まない理由だろう。
金沢から輪島は実は100 kmくらいある。
東京から宇都宮くらい、珠洲市に至っては東京からひたちなかや日光くらいの感覚である。
その距離をほぼ一本道、しかも途中からは道路が崩壊していて、孤立地域も多い。
寒い中、正月休み返上で帰省先から戻って救助や支援に向かっている自衛官や警察、消防、救急、自治体、医療チームなどの人たちには本当に頭が下がる。
ご苦労さまです。
震災直後はボランティアで能登へ向かう車が殺到し、しかも崩壊している道路で乗り捨てられている車もあり、珠洲や輪島まで10時間程度かかったらしい。
石川県知事が「能登に来ないで」とお願いするのもわかるというものだ。
しかし、迷惑YouTuberやマスコミはともかく、金沢市内や近隣に住んでいて親族が心配になって車で能登へ向かった人まで一緒に批判するのも気が引ける。
そりゃぁ〜、親族が被災したら向かっちゃうよね。
一般道の交通規制は難しいのかもしれないけれど、何らかの規制は必要だったのかもしれん。
今回の震災から考えなきゃいけないことは、批判ではなくて、今いる自宅や周囲の避難所の保存食や飲料水のストックは本当に十分だろうか?と再確認することじゃないかな?
あとは、余裕があれば義援金を送るのもよし、来たるべき時期が来たらボランティアに参加するのもよし。
政策的なことを考えるのなら、輪島市や珠洲市へ向かう道路が少なく土砂崩れで使えなくなるのをみると「コンクリートから人へ」は本当に正しかったのか? インフラ整備をもう一度考えた方がいいのではないか?とか、一方で今後限界集落をどの程度維持してゆくべくなのか?といったことだろう。
それにしても、迷惑YouTuberやマスコミは何しに能登まで出かけているのやら?
被災地の現状とか被災者の声を伝えると言えば聞こえはいいかもしれないが、今時電波が繋がる場所ではSNSでも個人の声は届くからなぁ〜。
そもそもテレビやYouTubeに出てくる「声」って、特定の場所の n = 1 の声だからな。
ボランティアで自己顕示欲が満たされるのかもしれないけれど、それなら「来るな!」と言っている能登ではなく、ボランティアを募集している富山に行けばいいのではないかな?
そういえば、れいわ新選組の山本太郎氏が被災地に車で乗り込んで、炊き出しカレーをやり、レポートを公表していたが、車で入れる地域の情報なんてとっくに届いているわけで、情報が周回遅れじゃん、やっぱり現場に行っちゃダメじゃんと思いました。
思いは立派なんだけどね〜。
空挺部隊とかドローンとかを使って、孤立地域に援助物資を送ればいいなんて意見もあるが、素人が思いつくけどやられていないことは、当然プロは検討して却下されているんですよね〜。
空挺部隊が降りるのに必要な面積とか、ドローンの航続可能距離とか搭載可能重量とか調べると困難さがすぐわかると思うぞ。
飛行機事故の件は、おおよその事故原因がわかってきた。
海保機が滑走路に誤進入して停止していたところに、JAL機が突っ込んだと…
管制官が「C5まで進んで滑走路手前の停止位置まで進んでください。離陸順は1番目です」と出した指示を海保機が聞き間違えたらしい。
地震の支援物資を積んで運んでいたので、焦りもあったのかもしれないし、離陸順が1番目との指示を滑走路への進入可と勘違いしたのかもしれないが、聞き間違いや勘違いは責められんよなぁ〜。
他にも誰も誤進入のアラートに気づけなかったのかとか、ストップバーライト(信号機のようなもの)が更新中で使われていなかったのも不運だったよなぁ〜とか、通常の離陸機が多い滑走路の端のC1ならJAL機も気づけたかもしれないのに滑走路中央部に近いC5だったのも不運だよなぁ〜とか…
今回の事故を教訓にして、より安全なシステムを構築して欲しい。
しかし、不幸にして海保機の乗員5人は無くなってしまったものの、JAL機から犠牲者が出なかったのは不幸中の幸い、「奇跡」である。
だが、マスコミはJALのオペレーションを素直に称賛すればいいものの、批判ばかりしている。
まるで、どこかに石を投げれる場所はないかと探しているよう。
最低だ。
日本航空の会見内容は「通常であれば着陸許可が出ていたと考える」と見解を述べた一方で、「原因追及は運輸安全委員会で客観的にしていただく必要があり、ここで断定的な話ができない」としている。
「着陸許可出ていた」とは言っていないよね?
タイトルがおかしくないか?
さらに、朝日新聞は、子どもが泣き叫んでいるのにCAがなかなかドアを開けなかったような記事を掲載*。
炎の出ている場所のドアを開けたらダメだろう。
子供を出汁にして煽るな!
機内にいた他の乗客や週刊誌の記者が「機内は落ち着いていた。乗客のみんなCAの指示に従っていた」と公表したら、鎮火。
そして、ついに見つけたのが、ペットが犠牲に!
確かにペットが犠牲になって可哀想ではある。
無事に、御涙頂戴ストーリーの出来上がり。
まぁ、飼い主さんの気持ちを思うとねー...
しかし、子供でもストレスのかかる飛行機移動にペットを乗せること自体が...という気もするよ。
毎日新聞では、航空安全の専門家ではなく、なぜかタレントの石田ゆり子さんのコメントを紹介。
「ペットと一緒に客室に乗りたい」と答えただけなのに炎上して、石田ゆり子さんが可哀想である。
てか、支援物資輸送のために正月返上で被災地へ向かう予定だった海上保安庁の職員が5名も命を落としているのに、日本のマスコミは「ペットが犠牲になって可哀想」なので、正月から憂鬱である。
正月をもう一度やり直したい…