若草にい寝む





チューリップ黄枯れ小笹立てる山裾(やますそ)百千(ももち)の芽 いまや出でむと土に爆(は)ずる音





チューリップ赤薄紅山を被(おお)ひぬ山脈(やまなみ)に パシパシと春の命充ちゆく





チューリップ紫春の女神歌ひ給ふや天地(あめつち)に 野の花充てば吾も歌はむ





チューリップピンク青々と何時しか緑覆ふ田を 行く時真中にい寝むとぞ思ふ





チューリップオレンジ行く川の水侘びしければ冴え冴えの 黄の花菜島遠近に見ゆ






平成三年四月


※転載禁止