いやぁ、原田マハさん、素敵。

ジヴェルニーの食卓/集英社

¥1,512
Amazon.co.jp

以前読みました、こちらは衝撃的でした。

楽園のカンヴァス/新潮社

¥1,728
Amazon.co.jp



最初はね、自分が興味のない美術の世界の物語だったし、
カタカナがたくさん出てくるもんだから、ちゃんと最後まで読めるかしら~なんて思っていたんですけど。
読める読める。
読みやすい。
てか、読まないと気が済まない!

どちらも、私にしてはハイペースに、2、3日で読了しました。

『読みやすい』って簡単に書いてしまいましたが、
ストレスなく読み進められる文章って、意外と少ない気がする。
端的に、丁寧に、適度に。
きっと読者が小学生でも、この人の文章なら、すっと読める気がする。
内容理解は、ちょっと難しいのかもしれないけれど?

読み手がいることをちゃんと意識してくれているようで、心地いいです。
(誰だって意識してるんだろうけれど)

なにより、美しい描写ですよ。物語がすごくカラフル。
目に見える世界も、心の世界も、そのどちらも美しく描写されてる。
カラフルっていっても、鮮やかな色彩というよりも、
淡い色彩という感じ。
温かさとか、匂いまで感じられるような?
それは目に見える世界と心の世界、その両方のバランスが適度だからなのかもしれない。
いや、最後の物語がクロード・モネだったからかなぁ。

「三月、花々は開花の瞬間に向かってエネルギーをためこんでいる。
だからだろうか、まだ色彩が乏しいにもかかわらず、
庭には活力が満ち満ちている気がする。」


ちょっと、おぉって思ってしまった一文。
そう感じるか、みたいな。


読んでる途中や、読み終わったときに。

早起きした朝、家の外に出て、きーんと冷えた清い空気を吸ったときのことを思い出した。
小学生の夏休み、朝のラジオ体操に向かう道の脇、
青々とした草に朝露が乗っかって、緑の匂いがしたこととか。
冬の夜に、車から降りてふと空を見たら、星がすっごくキレイですっごく近くに見えて、あー幸せって思えたこととか。

美しい描写の文章を読むと、自分の体験、
見たこと感じたこと、匂いや感触、そういうものがばーっとよみがえってくる。
それが文章と関係ないことでもね。
それが快感です。

他の本も、読まなくてはー!