皆様こんにちは。
本日は東日本大震災が起こってしまった日、3月11日です。
忘れる事のできない日、先程黙祷を捧げました。
あの日僕は翌日にオペラの公演を控え、出演者のメンバーと一緒に中野の喫茶店で壮行会をしていました。
前日のリハーサルもそろそろだし会場に向かおうかと話していた時に地震が起こり、雑居ビルの3階にあった喫茶店は大きく揺れ軋みました。
慌てて階段を駆け降りて駅前の道路に出ると、まだ強い揺れが残っていて、アスファルトの地面が波打ちところどころひび割れ、街灯は前後左右に大きく揺れていました。
その時はどこで地震が起こったかわからなかったので、ずっと言われていた南海トラフ地震がついに起こったのかと思いました。
後のニュースで震源が東北地方太平洋沖と知り、震源地から遠く離れた東京でもこれだけ凄まじいのだから近くの方の恐怖は計り知れなかったと思います。
あの日から10年の節目と言われておりますが、年数が経っただけで区切りでも何でもないと思っています。
変な意味ではなく、節目と言って記念にするものではないし、今なお苦しい思いをされている大勢の人たちにとっては地続きの今でありこれからだと思うからです。
復興は進んでいるとはいえ完全ではありませんし、それ以上に心に負った傷はそう簡単に癒えるものではありません。
震災によって被災された皆様、ご家族、ご親族、ご友人全ての皆様が少しでも前を向いて未来に進んで行かれますようお祈り申し上げます。
震災直後にチャリティーコンサートを開催させて頂き、会場で感じたのはかつて味わった事のないお客様との一体感でした。
思いを被災地に届けたいという願いが一つになり、僕自身が音楽の力を強く感じ、お客様と近い距離で繋がるコンサートをし続けたいと心に誓ったのはあの日があったからかも知れません。
大舞台に立つ喜びはもちろん大きいけれど、それ以上にお客様お一人お一人と向き合い心を通わせたいと願っているからこそ、今の自分の活動があります。
これからもその思いをお届け出来るよう皆様の希望となる音楽を発信し、また皆様からも力を頂いて進んでいけるよう歌っていこうと思います。
本日は慰安、鎮魂の思いを込めて『群青』という合唱曲の動画を公開しました。
これは震災後、福島第一原発の事故によって警戒区域に指定されてしまった、福島県南相馬市立小高中学校の生徒さんたちの言葉を紡いだ曲です。
自分の学校に通うことが出来なくなり全国に散り散りになってしまった友達への思い、あの街にまた帰りたいという切なる願いが込められていて、聞いても歌っても胸を締め付けられます。
この時の皆さんの願いが叶いますようお祈りします。
また会おう 群青の街で…