<文章における表現>
「人」「物」「自然・環境」
“動き”を加える。
動きとは広義なもの。
ビニールシートの物理的な動きを描写したり、心理の動きを描写したり。
<文章技法>
修辞法(レトリック)
(古代)ギリシャで議会において使われた
2500年前
いわばレスバトル←発祥
同じ言葉でも伝え方(動きもあり)で印象は変わる。
日本では表現美を追求する方向で発展。
(伝えたいものにレトリックを使うと読み手の記憶に残る)
●比喩
直喩 〜ような
彼女はまるで太陽のようだ
隠喩 〜は〜だ
彼女は太陽だ
↓言い換え
彼女は明るい
明るいというのも隠喩である。なぜならば、彼女は発光しているわけではないからだ。
●擬人法(パーソフィニケーション)
人でないものを人にたとえる
読み手が考えつかない表現ができる
「風が語りかけてくる」
「うららかな風が私を和ませる」
●換喩(メトミニー)
表現したいものを、近くのもので例える
「電話を取る」←「受話器を取る」
電話というのは全体
「電話を取る」は、より直感的にわかる
「鍋が煮える」→実際は→「鍋の中身が煮える」
鍋や電話など、換喩は読み手と共通して分かるものでないと使えない。
「筆をとる」=文章を書き始める
→少ない文字数で多くのことを伝えられる
「おい、そこのメガネ!」
メガネは人のことだが、人がメガネなわけではない。
だから、メガネも換喩である。
……………
『羅生門』
青空文庫
下人が老婆と対峙するシーン
「何をしていた、いえ。いわぬとこれだぞよ」
下人が老婆を突き放すといきなり太刀の鞘を払って、
白い鋼の色をその目の前へと突きつけた。
白い鋼の色は、まず目に入る。
刀身ではなく、色。
まず「目が行く」場所。
直感的に目に入るものを使っている。
……………
●反復法
「逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ」
●倒置法
「海賊王に、俺はなる!」
●共感法(シネスシージア)
五感を貸し借りする表現。
辛い→味覚
「丸みのある辛さ」丸みのあるは視覚
「パンチの効いた辛さ」触覚
「甘いマスク(=イケメン)」味覚
自分が強く印象に残ったものを大切に、日々を過ごそう。
毎日、面白い話、ができるくらいに周囲を観察して面白いものを発見してみよう。
以下は課題。
まずは、その例文から。
1. 時間や気候と、喜怒哀楽を合わせてみましょう。
朝と夜とをそれぞれ表現してください。
◆朝
喜。 窓を開けて、朝の清々しい空気をいっぱいに吸い込みながら、ぐーんと伸びを する。 今日は一体どんなことが待っているのだろう、高く昇り始めた太陽のように、
私の期待も 高まっていくのだった。
哀。 カーテンの隙間から差し込む朝日さえ、私の眠りを妨げる。 重たい体を起こし、 今日も朝が来てしまった、とため息をついた。
◆夜
喜: キラキラと冬の夜空に星が瞬く 。それを見上げ、この世界の知らない誰かが同じように空を見上げ、 同じように星を 見ているかもしれないと想像すると、なんだか胸がドキドキした。
哀。 夜の闇がどこまでも広がっている。
それは、 私の中にまで広がり、やがて全身を蝕んでいく。
2。漫画『ダンジョン飯』の料理を見て、自分が食べたと想定して文章にしてみましょ う。四種類の中からひとつ選んで、食べたときの様子や心情を書いてください。
一枚目
中身はなにも入ってなさそうに見えて、意外にもぎっしりと詰まっていた。
最初に食べるのは、動く鎧の足の部分。鎧 ごとそぎ落とし、焼いたそれの見た目は殻ごと焼いた貝のよう。 鉄の香りが撒かに交じってはいるが、まぁ悪くはない。 湯気がまだ立ち上っているのをふうーっと冷まし、恐る恐るロへと運ぶ。 噛み締めると、じゅわっとうまみが詰まった液体が口の中に溢れ、滑らかに喉を滑り落ち ていった。
私の回答。
1。
◆朝
喜。 目覚まし時計が鳴ると、間髪入れず、叩いて止めた。今日は待ちに待った遠足の日だ。一体どんな思い出が残るのだろうか。
哀。 今日も朝が来た。昨日と変わらない朝だ。一体いつになったら俺はこの「病院」という鳥かごの中から出られるのだろうか?
◆夜
喜。 今日は一年に一回の僕の誕生日だ。遠方から祖父母も家に来ている。学校から帰るこの道すがら、僕の心は楽しみであふれていた。そんな時、もう空には宵の明星がピカリと光っていた。
哀。 「もうイヤだ」。終電を逃した俺は、駅の階段に座り込んだ。今夜は一人きりで、始発まで待たなければならない。うちの家内が恋しいよ。
2。
「動く鎧のスープ」
他の三つよりかは食べやすそうだと思えた。まずは一口飲んでみた。
薬草と醤油ベースの優しい味が、口いっぱいに広がり、動く鎧の生きていた時の恐ろしさからは想像もできないような味で、意外と美味しくて思わず微笑んでしまった。
次は汁から進んで具を食べてみよう。ガブリ。コリコリ。ふむ。動く鎧はコリコリとしていてブタ肉のような味がするな。次は、と。ガブリ。プツプツ。ふむ。バジリスクの卵は中身はネットリとしていて、ニワトリの卵の黄身の部分を濃縮したようなウマさがあるな。
おどろいた! モンスターを食しているとは思えない。イケる! ウマい!
→アドバイス
想像もできない味とは?
臭いの要素も足そう。
質問編
Q1. 書くことが好きになったキッカケはなんですか?
好きな小説がある。自分も書きたい。
やってたら好きになる。
Q2. 歴史に名を残す一流の芸術家になるためには、具体的にはどうすればよいですか?
それが分かったら、みんな歴史に名を残している。
好きなことを突き詰めること。情熱や動機。
「それを作らずにはいられない」
持っているものを表現したい
Q3. プロは一日に何時間、書くことに費やしていますか?
一日に5000字 〜 一万字 〜 いくらでも。
ノベルスなら五千字×6日。
アベレージで書ければオッケー。
書ける日と書けない日とある。
Q4. 小説を書いた経験が0の人と1の人と、どちらの方が多く教えていますか?
年度によりけり。
書いたことがなくても、たくさん読んだことがある人、多くの作品に触れた人が伸びる。
書いた経験のある人の方が多い。先生のサポート、めちゃくちゃ細かい。
Q5. どうやってアイデアは出すんですか?
周りのものを見て「コレとコレ」合わせたら面白いんじゃないか?
よく分からないものを調べる。自分が知らなかったもの。仕組みや作り方。
一個題材を決めて、関連しているものを調べて、広げていく。
関係性を想像する。電車の中など。
「もしコレがこうだったら〜」
Q6. 一番よく使っているテキスト(教科書)はなんですか?
シド・フィールド『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』
Q7. 小説というのは「地の文」と「会話文」と、どちらが多いものですか?
作品によりけり。ターゲットによって変わる。
ラノベだと会話文多め。
シェイクスピアのはもともとが違う(あれは戯曲)。舞台のためのもの。
Q8. 短編集は入学から何ヶ月目で書くのですか? 何時間で書き上げられるのですか?
一回目は夏休み。入学から三四ヶ月目で書き始める。
プロットを先生に見せる。書いたものを見せる。すべて添削される。
短い話で面白くする。
以上。
今日もいい日だ。