そんなバカな!
と、声を荒げたよ

ポンタが逝くなンて~死ぬことにイチバン遠い自由人だったクセに"なンで!"が頭ン中を渦巻いた



村上"ポンタ"秀一とは 、80年代後半に『L0SER』と云うバンドを創ろうとしてたときに自ら名のりを上げて参加してくれた勇者であった



が、オイラが云うのもナンだが、ポンタはかなりハチャハメチャな人で~あきれたこと何度もあ


(笑)
エピソードが多すぎて選びきれないが、『泉谷しげるwithL0SER』渋谷公会堂ライブ2DAYSのときのことは忘れられない

ライブ中に、ポンタのドラムはやたらに重く、ひっどいリズムなもんで歌もギターも入るに入れず状態がつづいた~ら、なンと最前列にお目当ての女性がいたらしく、彼女に向かってのみドラム叩いてたのを知って、オイラは大激怒


全員の演奏を止めさせ、ポンタのドラムセットに近づき「なにやってンだテメー!」と本気で怒鳴った


満員の客の前で怒鳴ったからか、会場が固まってしまい~事件になってもオカシくない状況に至ったが、ポンタが即「すいません!」と発したので、気を取り直しライブ再開した


が、オイラのハラの虫は収まらずで、その日の打ち合げでは「酒飲める演奏したかテメーわよ!」と、酒を取り上げメシも食わせなかった

そして翌日のライブでは、お目当ての彼女が来てないと知るや~ポンタは機嫌わるくなり、感情ナシの機械的なドラムに終始したンだよな~


しかしこれが見事なリズムとなって、今までイチバンの出来と思える素晴らしさで、オイラも他のメンバーも「今日はサイコー!」と彼を称えた称えた

だが、ポンタはお目当てが来てないので機嫌は治らなかったな(笑)



ツアーの最中

いつも浴びるように酒を飲み、タバコ吸いながら朝までドンチャンするポンタ


眠らず酒くさいままステージにあがるときもあり、シンバルの陰に"吐きバケツ"を用意してのドラム演奏するバカヤローだった
どこのジャンルの天才と同じく、わがままでハチャハメチャで、なぜか愛らしく、いい仕事をする男だった

今年に入って、憧れの先輩・南正人さんがライブの最中、逝ってしまわれた

そして、村上"ポンタ"秀一の訃報


自由人で天才だから早く逝ってしまうのか……
オイラは人災でいよう

心よりの哀悼をポンタに



泉谷しげる