無機物を愛するオタクは必ずと言っていいほど、地図や地形図と付き合っていかなければならない。

地図や地形図が愛するモノの謎を紐解く鍵になる事が多いからだ。



オタクの数知れず、その人口の多さゆえに数々の内乱や紛争、騒動が頻発する鉄道趣味界隈で用いられる鉄道路線図こそ、オタクが好む地図の最たる例だろう。


かく言う自分もその1人で、かつてアメリカやロシアの路線図の入手に奔走した。


ロシア北西部の路線図。永久凍土の上に膨大な路線網が広がっている。

眺めているだけでエッチな気分に。


話が逸れた。鉄道と同じように送電線にも路線図が存在する。

厳密には系統図などと呼ばれているものであるが、送電線路線網を地図上に浮かばせ、一目でわかる図となっている。


今回はそれを紹介したい。



なお今回取り上げるものは東京電力が公式HPで公開しているもので、転載禁止と記載がある為全体像は直接載せられない。



東電HPから閲覧出来る資料はこちらにまとめられている。


送電線の位置関係を把握したいときに有用なのが空容量マッピングである。

大まかに各送電線の通過地や位置関係がわかりやすい。

基幹系統275kV以上 空容量マッピング


また、154kV以下は地域供給系統として各都県毎に1つ空容量マッピングがある。




次に、各送電線の始発点と終着点を知ることができるものが実績系統図である。


これは、地図情報では無いものの送電線の区間や前後に接続される送電線がどれであるかを一目で確認できるものである。通常、送電線は変電所に入ってしまえば最後、どこの系統に繋がってるか視覚的に確認する方法はない。

視覚的に確認できない点を解明できるこの図の有用性は高い。




地図上で上記2つの資料に含まれた情報が同時に確認できるものが系統構成図である。


ただし、簡略的な表記が用いられていて他の資料との併用が好ましい。




最後に、最も地図上に準えて作成されている系統概要図を紹介する。


これが記載されているのは送変電設備の投資・廃止計画という今後の計画について述べられている資料の中にある。


僕はこれが一番長いこと眺めていられた。飽きなかった。

ただし、難点として路線名が表記されていない。他の資料同様、他の資料と併用すると更に面白いかも。




…語るだけ語った。


僕が送電線を好きになった十数年前には、こんなにもインターネット上に送電線マニアのサイトは存在しなかった。


今はかなり増えた気がするが、それでも送電線の謎を地図上から紐解きたいと思った人は資料の少なさに唖然とする事もあるだろう。そういう人の参考になれば幸いだ。