S席1階10列24番
勅使川原三郎 新作「雲のなごり」 世界初演
演出・振付・照明・美術:勅使川原三郎
音楽:武満徹「地平線のドーリア」「ノスタルジア─アンドレイ・タルコフスキーの追憶に─」
演出助手:佐東利穂子
照明技術:清水裕樹(ハロ)
衣裳製作:武田園子(ヴェロニク)
装置協力:金井勇一郎(金井大道具)
新作「雲のなごり」
はじまりもおわりもないダンスを求めて 勅使川原三郎
私はダンスに向かう時、ある設定をする。
まだ、なにもない、なにひとつ用意されていないと認識して
感じ得るまで正確に準備しなくてはいけないと稽古場に向かう。
立ち居るべき床、生きている身体、呼吸や動くための空気、
動くための重み、光や影、音や沈黙、、他にもいろいろ、、、
なかったものを得た後に、、、、、まだ、なにがないのかを問う、
なにもないところから発して、なにかが現れて、うつろいゆき、
そして消え去りなにもかもなくなる。
自然のうつろいにはじめもおわりもないように。
藤原定家の歌より、
夕暮れはいずれの雲のなごりとて はなたちばなに風の吹くらむ
雲は風に吹かれてすでにないが、近くには花の香りとしての風がある、
それが「雲のなごり」となる。
ないことがあるという実感こそ、私の芸術、特にダンスの基である。
古 (いにしえ) こそが現在過去の境を超えるものであり、
私たち生きる者こそがないことはなにかを問い求めることができるという意志を
生き生きと実行する。
歌人や作曲家、そして幾多の先人が表した仕事に感謝し、
私は新作の準備をつづけると決意を新たにしています。
「セレナーデ」
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
チャイコフスキーの美しい「弦楽セレナーデ」にのって、月明かりを思わせる青いライトのもと、女性ダンサーを中心に流麗なステップが繰り広げられるジョージ・バランシンの「セレナーデ」。音楽と溶け合うようなステップ、あふれるロマンティシズムと清々しさ。そして、ときに意表をつく素早い動きや変化のあるフォーメーション。20世紀の巨匠バランシンが初めてアメリカのダンサーのために創作した、世界中のバレエ団で人気の名作です。
ジョージ・バランシン(1904-1983)
「春の祭典」
振付:モーリス・ベジャール 音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
20世紀初頭、バレエ・リュスの伝説の渦中で誕生した「春の祭典」は、“現代音楽史上もっとも重要な作品の一つ”と言われるストラヴィンスキーの音楽により、さまざまな振付家によって幾度も蘇りました。なかでも人間の欲望、獣性、闘争を描くことでストラヴィンスキーの音楽を鮮烈に視覚化した、傑作中の傑作と称されるのが、モーリス・ベジャール振付の「春の祭典」です。