もう札幌記念から1週間が経ってしまいました。

今回の札幌遠征で感じたことを綴っていきたいと思います。

長文になりますが、読んで頂ければ幸いです。



本当は札幌へは札幌2歳ステークスを見に行こうと思っていて

8月は関屋記念を観に新潟へ行くつもりでした。

しかし、8月上旬あたりからロジユニヴァースが札幌記念に

出走するかもという話が出始めて、

新潟遠征を一旦白紙に戻して札幌遠征も視野に入れ始めました。

行きはスカイマークの飛行機があったので良かったんですが

帰りはANAの空席待ちしかありませんでした。

ちょうど札幌記念のある19日はお盆の帰省ラッシュの最終日と

重なっていたため厳しいかなと思いましたが、

土曜日の行きの飛行機もホテルも予約して、

日曜の帰りは空席待ちに賭けてみました。

しかし、通常の2日前になっても返答なし・・・。

「これは行っていいものか?」とかなり迷いましたが

気が付いたらセントレアに向かい、飛行機に乗っていました。

新千歳に着いた頃にやっぱり空席待ちがダメだったという

メールが来たのですが、もう後戻りはできません。

帰りは空港でキャンセル待ちをするしかないと覚悟を決めて

札幌競馬場へ向かいました。


土曜日はネオユニヴァース産駒が3頭ほど出ていたので

その応援を目的に行ったんですが、


札幌7Rのパドックで偶然ある光景を目にして

ちょっと感動してしまいました。

このレースはネオユニヴァース産駒のアズマユニヴァースと

ケイアイアポロンが出走していて、パドックにいたのですが


「あ、ロジの勝負服だ。」


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-横山典弘騎手と久米田オーナー

このレースに出走していたロジッツェルの鞍上は横山典弘騎手。

横山典弘騎手と話しているのは久米田オーナーでした。


会話までは聞こえなかったんですが、終始笑顔で話して

久米田オーナーが横山典弘騎手に激励しているようでした。

そしてパドックを周回するロジッツェルと厩務員さんに

向かっても笑顔で激励の意味で手を振ったり礼をしていました。

最後に久米田オーナーが深々と一礼して、

横山典弘騎手も軽く礼をしました。


パドックそっちのけで見てしまっていたんですが、

その時思ったこと。

ロジユニヴァースは久米田オーナーで本当に良かったな、と。

馬や騎手、厩舎を大事にしてくれるオーナーだと率直に思いました。

ダービーを勝たせてくれたという信頼もあるにせよ

なかなかそうやって形にはできないものではないでしょうか。

偉そうにしているオーナーもいる中で

ダービーを勝っても決して驕らないという姿勢は

久米田オーナーの器の大きさだと思います。


「もう引退させろ」とか

「ダービー馬の戦績に傷をつけるな」とか

いろんな批判や意見も耳に入っているかもしれません。

それでも辛抱強く、復活を待ち続け、

再び競馬場で走れるように戻してくれた。

僕はもうそれだけでも感謝です。


それが良いか悪いかはまた別の話。

ロジユニヴァースは久米田オーナーの所有馬なのだから

決める権利は全てオーナーにある。

それを差し置いていろいろ意見は僕にはできないです。


もしかして体質の弱さから種牡馬になれないのかもしれないけど

ロジユニヴァース自身、競走生活まだ札幌記念の前で9戦。

まだ走りたいとロジユニヴァースが思っているのなら

走らせてあげるのが一番良い選択でしょう。



強い競走馬には子孫を残すという使命も勿論あるわけですが

馬の気持ちに立って考えたとき

まだ走りたいと思っているのに引退させるのは

果たして馬にとって幸せなのでしょうか?

種牡馬になれたからと言って、必ずしも幸せなのでしょうか?


これは答えが出ないですが、僕は競馬を見ている中で

ずっと思っていることです。

ひょっとして走っている途中で生涯を終えることも

それはそれで幸せなんじゃないかと。

これを考えると止まらなくなるのでこの辺にしておきますが、

これは自分の中で永遠のテーマの1つです。



ロジユニヴァースが札幌記念に出走することが

大きな話題になりましたが、

Twitter等でも心無いツイートや意見がありました。

この3年、出る出る詐欺とまで言われ

どうせ出ないだの出ても負けるだの。

当然、私としては怒れてくるわけですが

馬を面白いようにネタにしている人達、

とても可哀想にしか見えません。

本当に競馬ファンだと思えません。

こういう人達は馬に対して失礼です。

馬券で成り立っている社会なので

こういう心無い人もいるのは承知ですが

目に見えると悲しくなります。


元々、僕は何事にも決め付けるような論調は嫌いです

ことさら馬のことは特にそう。

あたかも分かったように意見していることも

本当にそうなのかは分からないのに。

馬はしゃべらない。

そこが競馬の魅力であり、楽しさである。

いろいろ想像するもよし。妄想するもよし。

でもやっぱり馬のことを悪くは言わないでほしい。
これだけはずっと願い続けます。


そして、迎えた札幌記念。

パドックで9Rからロジユニヴァースを待ち続けました。


1枠1番。先頭でパドックへ入ってきました。


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

その姿が見えたとき、思わず涙してしまいました。

「よく競馬場に戻ってきてくれたなぁ」と思いました。

パドックで泣けてきたのはネオの引退式以来。

同じ札幌競馬場のパドックの同じ位置でした。



★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

馬体重は534kgと2年前と変化ありませんでしたが

やや寂しく映りました。

特にお尻の筋肉がダービーの頃と比べると

かなり落ちているように思えました。

正直、期待が1割、不安が9割でした。



★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

でも、目は死んでいませんでした。

まだ走りたいんだ!と言っているように感じました。


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

僕にとってはダービー馬という感覚ではなく

1頭の大事な応援馬という感覚で見ていました。

ダービーを獲ってくれたからこそ

そういう感覚になっていると言えばそうなのですが、

歴代のダービー馬とは全く違う感覚です。



★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース

ダービーを制した時と同じ1枠1番のゼッケン。


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

横山典弘騎手を背にいよいよターフへ。



★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

返し馬。

走っている姿を見るとまたウルっときました。

そう、この姿を見にここまで来たんだ。


力強いフットワークに見えました。

彼らしい高く脚を上げるフォームは健在でした。

これを見て少し不安は払拭されました。


そして、いよいよレース。
さすが札幌記念だけあって大観衆でした。


1周目。


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

ロジユニヴァースはまずまずのスタートを決めて

後方からレースを進めました。


この時点で「やっぱり回ってくるだけになるかも」と

いう予感はありましたが、

がんばれ、がんばれと呟いてシャッターを切りました。


向正面。段々と1頭の馬が遅れていくのが見えました。

白い帽子だ。ロジユニヴァース・・・。


この光景を目の当たりにした時、目を伏せたくなりました。

でも、しっかり見なくちゃと思い、

どんどん離されて行くロジユニヴァースの姿を見届けました。


スタンドからは笑い声も起きました。

笑うな、笑うんじゃない!という思いが気持ちになって

「ロジがんばれー!」と無意識に叫んでいました。

もうそれしか言えませんでした。


他の馬は全く見ていません。

ネオヴァンドームでさえも目に入りませんでした。
3~4コーナーを回った時、

1頭の馬が頭をかすめました。

前の記事に書きましたが8年前

あの場所で後ろの馬に乗りかかられたダービーレグノ。

もうそこからは

「頼む!無事にゴールまで駆け抜けてくれ!」

と願うしかありませんでした。


でも、そこはさすが横山典弘騎手。

無理はさせませんでした。

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

横山典弘騎手がロジユニヴァースに

何かを語りかけるようにしてゴール板を駆け抜けました。


大差シンガリ負けの14着。

形として回ってきただけ。

言葉になりませんでした。

とにかく目からは涙がこぼれるばかり。

勝った馬のこともネオヴァンドームのことも

暫く頭に入ってきませんでした。


★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

★☆ミ  NEO-PLANETARIUM  ☆★彡-ロジユニヴァース&横山典弘騎手

ようやくスタンド前に戻ってきて

冷静になれたような気がします。


復帰できて良かったとも思うし、

これから先どうするんだろうという思いも

新たに生まれました。


僕の気持ちとしては現役続行も引退もどちらも半々の希望です。

進退に関しては関係者以外口を挟むべきでないと

常々思っています。

なので、今回も軽々しくは語れません。


萩原調教師のレース前のコメントを聞く限り

先々のレースを目指してここから復帰するので

また応援してくださいとのことだったので、

きっとまたどこかを使って秋のGⅠ路線を

目指すものだと思います。

現役を続ける限り応援するしかありません。


札幌ではあまり負荷をかける調教ができませんでしたが

美浦に戻して、以前のような調教ができるかどうか。

とりあえず1週間経っても、脚元に不安があるとは

聞こえてきません。


まだこれで10戦。
萩原調教師でなければこういう使い方はできなかったでしょう。

先にも書いたように久米田オーナーをはじめ

ロジユニヴァースは今の関係者の皆さんだからこそ

ここまで大事にされてきたんだと思います。

だから、これからも常識に捉われることなく

ロジユニヴァースのことを最優先に考えて

先々のことを決めてほしいと思っています。


ロジユニヴァースは、ネオユニヴァース産駒としての

初勝利、初重賞勝利、初のダービー制覇を成し遂げてくれました。


僕にとってもあのダービー制覇の瞬間は夢のようでした。

しかし、あの土砂降りの後の馬場でダービーを戦ったことが

ここまで運命を変えてしまうとは。

これはロジユニヴァースだけじゃない。

アンライバルドもそう、リーチザクラウンもそう。

とにかくロジ世代は「悲運の世代」という表現が一番しっくりきます。

最弱世代、最弱ダービー馬・・・

そんな表現を使ってほしくない。

最弱なんて決めて何になるのか?

まともだったらロジユニヴァースは相当強い。

歴代のダービー馬と比べても遜色ない。

今も僕はそう信じています。


ナカヤマフェスタが凱旋門賞2着になった時、

ロジユニヴァースのことを思い浮かべました。

やっぱり弱いわけじゃないんだ。

ナカヤマフェスタにはとても感謝しました。

本当に個性的な馬が多くて、この世代は好きです。


今年のCBC賞でリーチザクラウンを見た時に

もう一度ロジユニヴァースと走れたら、

それこそ夢みたいだなと思いました。

リーチザクラウンも骨折をしてしまいましたが

もう一度復帰を目指して治療するということを

西山オーナーが言っておられました。


ボロボロになってもあきらめない。

こんな世代があってもいいじゃないか。

ドラマチックな世代。


そう考えると「悲運の世代」じゃなく前向きに

「不屈の世代」と表現した方がいいですね。

こういう素晴らしい馬たちに出会えて幸せです。

ヴィクトワールピサとはまた違ったドラマです。


走り続ける限り未来はある。

その未来を信じて応援していきます。

ダービーも皐月賞14着からの巻き返しでした。

今回も14着からまた巻き返しましょう!

あのダービーのあの実況、再現しようじゃありませんか。

「逆襲の横山典弘、ロジユニヴァースです!!」


今回の遠征、行って良かったと思います。

この思いを肌で感じることができて。
また1つ財産が増えました。
ありがとう、ロジユニヴァース。