偶然のこと | 重松隆志オフィシャルブログ「SHIGE "魂"」Powered by Ameba

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先日、舞台『あなたには帰る家がある』の稽古を終え、演出の森岡さんや役者達と軽く飲み帰宅。

ヘロヘロ~ってなりながら小説『あなたには帰る家がある』を読みながら、いつの間にか就寝。

目が覚めた。

「また地震か!?」

と思いながら、いつもの癖でビデオデッキ(古っ!)の時計を見る。

『AM6:00』

デジタル表示でちょうどっていうのも珍しいな~なんて…

あれ~?なんか…?

と思い、ボ~ッと15分位して気付いた!

あくまで家のビデオデッキ(今どき古っ!!)の表示。

『AM6:00』

そうや!!

舞台『ウィンズオブゴッド』の台詞。

「岸田守海軍中尉!8月15日、0600、只今より沖縄に向け、特攻出撃致します」

自分が演じた特攻隊員、岸田中尉が出撃した同じ日、同じ時間やん。

偶然……

だけど…

そんな偶然がスゴいって思いながら、目が冴えた。

終戦記念日。

64年前。

あの日から終わってあの日から始まった今の敗戦国日本。


それでも、美味しいご飯、気持ちいい布団、快適なエアコンの風に恵まれて過ごせる生活があり。

最近、巷で騒がれている事件やニュース等と照らし合わせ、今一度「生きる」事を考える。

役者として舞台で生きる事が多くなった今。
もう一度その意味を考える。

今俺が役者をやめたって世の中は何にも変わらない。

それでも舞台に立つ。
たまたま特攻隊員の役や戦争を題材にした舞台に立っているからではない。

どんなテーマであっても、せめて、舞台を見に来てくれた人達の心を鷲掴みにしたい。

役者のエネルギーを感じて帰って頂きたい。
映像には無い、舞台にはその可能性があると。

そう思いながらいつも舞台に立っている。

そのためにリハーサル(稽古)があると。


それに耐えられない、エネルギーのない人間になって終えば、役者なんてやめてさっさと世の中の役にたつ仕事をした方がいい。


そんな事を思いながらまた稽古に向かう。


頑張る様になったら終わりだ。

好きだからやれる。

それが今の自分の舞台で「生きる」意味だ。



なんて言いながら、「宝くじ当たれ」とも思っている。

夢があるのか無いのか……

人間って、や~ね。


って、最後の最後に何言うてんねん俺……