談志と私19
7月私は談志のお嬢さん弓ちゃんに誘われて銀座の談志の行きつけのクラブへ出向いた。
そこには談志の家族と看護師さんだけだった。
私は早速譲られて談志の右隣へ座った。
バンダナで隠してはいるが喉には管がはめ込まれていた。
私が座るや否や談志は筆談で「芝浜なんざぁ面白くない」と書いた。
そんな姿にビデオが向けられているので私は無視した。
談志は水割りを飲んでいるが消化されないのだろう。
涙を流す。
私はハンカチで涙を拭う。
プチトマトを食べたい素振りなのでへたを取り皮を出すように口に入れた。
私の手にトマトの皮はきちんと出す。
しばらく雑談していたが、談志も病院へ帰らなくてはいけない。
ご子息が付き添い病院へ
弓ちゃんは看護師さんと帰って行った。
狭い空間に私とおかみさんだけ
おかみさんは水割りを一気に飲み干すと私に「茂子ちゃん、談志のよめいが出たのよ。」
私は間抜けにも、よめいを漢字に変換出来なかった。
「後2ヶ月」
初めて余命とわかった。
「弟子には一切知らせていないから」
私は頷いた。
後2ヶ月
談志と私は別れが近づいた。
そこには談志の家族と看護師さんだけだった。
私は早速譲られて談志の右隣へ座った。
バンダナで隠してはいるが喉には管がはめ込まれていた。
私が座るや否や談志は筆談で「芝浜なんざぁ面白くない」と書いた。
そんな姿にビデオが向けられているので私は無視した。
談志は水割りを飲んでいるが消化されないのだろう。
涙を流す。
私はハンカチで涙を拭う。
プチトマトを食べたい素振りなのでへたを取り皮を出すように口に入れた。
私の手にトマトの皮はきちんと出す。
しばらく雑談していたが、談志も病院へ帰らなくてはいけない。
ご子息が付き添い病院へ
弓ちゃんは看護師さんと帰って行った。
狭い空間に私とおかみさんだけ
おかみさんは水割りを一気に飲み干すと私に「茂子ちゃん、談志のよめいが出たのよ。」
私は間抜けにも、よめいを漢字に変換出来なかった。
「後2ヶ月」
初めて余命とわかった。
「弟子には一切知らせていないから」
私は頷いた。
後2ヶ月
談志と私は別れが近づいた。