談志と私18 | 小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba

談志と私18

もう談志は、お客様からお金をいただき聞かせる落語には自信を無くしていた。

だが落語を演じるのは好きだった。

客は私

と言ってもお金を払う訳ではなく、1対1の落語会だった。

とくに「芝浜」は私達の議論の落語だった。

「芝浜」の三木助の娘対「芝浜」の談志の解釈の違いは議論を闘わせる最高の落語だった。

やがて、談志は咽頭癌を削り取ることに限界を感じ気管支に管を通すことになった。

声を失う。

落語家に取って致命傷

私の聞いた最後の落語は「蜘蛛駕籠」

それを最後に談志は声を失った。